ノルウェイの森とダビデ像のはなし

エッ？今さら！？
と驚かれそうですが、初めて村上春樹さんの作品を読みました。

　普通に社会と接していれば『村上春樹』というワードを聞いた事がない、などという事はないだろうと思うのですが、一歩突っ込んで「作品を読んだ事がありますか？」「作品名を挙げてください」と尋ねられると、多くの方は反応が鈍くなるのではないかと勝手に思い込んでいます。

　私の読書レベルは中の下の下位だろうかと思います。
　内容を覚えているのは、中学生の頃にハマった『三毛猫シリーズ（赤川次郎さん）』ぐらいなもので、基本的に読みやすい作品にしかハマりません。
（それが普通でしょ）と考えるのか、（いやいや、読みやすいのばかり読んでるから成長しないんだよ）と捉えられるのか、いわゆる’成功者’と呼ばれる人たちはどのように考えるのでしょう？

　さて、今回読んだのは村上作品の代表作（ですよね？）。
『ノルウェイの森』です。
　冒頭に書きました通り、作家名や作品名を「聞いた事はある」程度の私でして、それ以上の事に興味が無かった為、内容を全く知りませんでした。帯に「100％の恋愛小説!!」と書いてあるのを見て（あ、そうなんだ！）というレベルです。
　50のおっさんが100％の恋愛小説を持ってレジに行くんかよ～、と少しばかりの気恥ずかしさを携えながら購入しました。

　私が上下巻セットのハードカバーを買うなんて、一生に数えるほどしか無いと思います。最後まで読めるかなぁ、と不安を抱えながら読み始めましたが、予想通りこれまでに読んだ小説に比べると少々難しい表現があり、しっかりと読まなければいけない部分もありましたが、少しばかりペースが落ち始めていた所に『突撃隊』という強烈なカンフル剤の効果によって一気に最後まで読み切る事ができました。

　ネタバレになりますので、あまり詳しくはお伝え出来ませんが、これは学校の読書感想文の課題にはなりにくい作品だろうな、と思いました。
　お付き合いを始めたばかりの彼女へのプレゼントや、講演会で話材に盛り込む前に、まず最後まで読んだ方が良いと思います。単に「人気だから」という理由でアクションを起こすと、少々後始末が必要になるかも知れません。
　と言いますのは、性描写が多い作品なんです。
　そう、性描写が多いんですよ。かなり具体的に描いていますし、何回も出て来るもんですから、何度も、となると（ちょっとしつこいかな？）という気持ちにもなるというのが正直な印象です。

　もちろん、性描写があるから良くない、ないから良いね、などと言う気はありません。　性描写に限らず捉える人の感覚次第ですから、絶対だめでしょ、あっても無くても同じでしょ、あっても問題ないでしょ、あった方が伝わるでしょ、絶対必要でしょ。。
　難しいですね。きっと「正解は存在しない」が正解なのでしょう。

もしも、
　ミケランジェロのダビデ像にパンツが必要ですか不要ですか？
こんな議論が巻き起こったら、みなさんはどちらに投票しますか？

　パンツなんかはいてたら、アートにならんじゃないか！
　それは現代のパンツだからでしょ？　当時のパンツだよ。
　あ、当時のね！
　いやいや、当時のでも同じことだよ！
　アソコも含めての全体のバランスなんだよ！
　いやいや、ミケランジェロなら履いてても履いてなくても、ちゃんとやるよ！議論自体が無礼だよ！
などなど。　議論が尽きないでしょう。
　私はパンツは要らない派に投票します。当然です。アソコを見に行く訳じゃありませんし、はいていたらパンツの柄に意識が向かってしまい、ま、す。。。

あ、そうかっ‼️

　人間と性は伴う物なのだから、それ（性描写）を避ける事はつまりパンツをはくという事であり、それは不自然な事になるワケだ。だから物語の本質（＝ダビデ像）をより正確に描く為には性についても描く必要がある（＝パンツをはいてはいけない）訳ね？　こういう事？
　なんかパンツ、パンツうるさくてすみません。

とはいえ、私はノルウェイの森の性描写については過剰な気がします。
あくまで１回読んだ時点での気持ちです。
何回か読むと、また考えが変わって来るとは思います。
しっかりと小説を読める方は、そこには注目していないのだと思いますが、どうしたって性描写に気が向いてしまうのは生物としての本質に近いもので、でも意識が性描写に向かい過ぎても物語の本質はそこではないし、いや性描写も含めての物語であろうし、、、いやぁ～～っ！　脳内がムズムズするぅ！！！

という感じを受けました。
結論としましては、今なおスッキリはしません。
でも人生を題材にしている作品でスッキリされてしまったら、逆に読み手はスッキリしませんね。「人生はそんなにシンプルじゃない！」って猛反発必至でしょう。

という事で、人生初の村上作品『ノルウェイの森』のお話でした！
ど～だ〜、スッキリしねぇだろぉ？　むふふふ。。。

～あとがき～
物語の中で本当にスッキリしない事があります。
『突撃隊』はどこに行ったのか？
御存知の方いらっしゃいましたら是非コメントにてご教示くださいませ。