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私たち夫婦は今年結婚25周年を迎えます。

私たち夫婦は、今年結婚25周年を迎えます。
私が妻に出会ったのは大学2年の時で、その時から現在に至るまで私たちが喧嘩をした事はたったの一度もありません。
きっと世の中には同じ様なご夫婦は多くいらっしゃる事と思う反面、(そんなの嘘だよ。一度もなんてあり得ない!)と思う方もいらっしゃる事と思います。

若い頃にこういう話をすると「喧嘩はしておいた方がいいよ~」とアドバイスをくださる先輩方も多く、(確かにそうだな)とは思いつつも、とはいえそういう状況にならない以上、やはり喧嘩をしないまま25周年を迎えようとしているのです。

だからといって、将来的に私たちのどちらかが人生を終えるまで一緒にいる保証はなく、何かをきっかけに居を別にする可能性も当然ある訳です。将来の事は分かりません。

また、私が妻に対して不満のかけらの一片すら持たない事と、妻の私に対する気持ちが同じであるとは限りません。と言いますか、相当(ぐぬぬぬぅ。)と我慢している事が多いのだろうな、と私は思っている訳です。
なぜならば私は「気まぐれ人間」だからです。

スイッチが入るまではピクリとも動かないくせに、その時が来た途端に、信じられないほどの行動力と集中力を発揮するからです。いや、少し都合の良い言葉を使いすぎました。繰り返しになりますが、単なる「気まぐれ人間」に過ぎません。

妻の性格を一言で表しますと、まさに「人畜無害」です。
他人との争いを一切好まず、ただただ平穏な暮らしを望んでいます。それ故、スポーツでさえも彼女にとっては争いになってしまいます。隙あり~っ!なんてとんでもない。相手の思考を先読みして裏をかいたり、弱点を攻める様な事を嫌います。ちなみに御両親も夫婦喧嘩をした事がないと仰っていました。

妻に反抗期はあったのかと聞いてみましたら、いわゆる思春期の反抗期は無かったけれども、幼少期に何かが気に入らなくて、コタツのテーブルにかじりついた時の歯形が今でも残っている、と言っておりました。なんだかムーミンに出て来そうだな、と思いました。実際に見て見ましたら、予想以上に力強い歯の跡が付いておりました。

一方、私はと言いますと、とりあえず非行歴はありません。交通違反以外で警察に指紋を採られた事は一度もありません。
サッカーをしている時は、それはそれは、もうとんでもない鬼の形相だったらしいので、勝気な性格ではあったと思います。姉とも毎日のように喧嘩していましたし、家の壁を殴って開けた穴も数知れず。本当に反省する事ばかりです。

そんな本性を持つ私が、妻に対して全く感情が高ぶらないのは何故なのか。
その答えをひとつ、持っています。それは、
常に、妻が正しい。
と思っているからです。
彼女の考え方に明確な芯があり、それと彼女の普段の行動とが完全一致しているので、疑う必要が微塵もないのです。
100000000%、信頼しています。

私の考えが浅くて狭くて軽い事を自覚しているので、慎重な彼女の考えに従っておいた方が間違いない、と言いますか、それでいいんです。
自分の考えを抑えてとか楽だからいう事ではなく、それが最善であり、そこに疑いを抱く必要がないのです。

こんな風に言いますと、私が好きな事を出来ていない様に聞こえますが、全くそんな事はなく、好きな事をやっています。仕事先を変える事でさえも妻が反対した事はありませんし、急に何かの事業を始めると言い出しても反対しません。もっとも、そこで彼女が何かしらの意見を述べる事は、妻が嫌いな「争い」になってしまうのかも知れませんけれども。

妻が私に対してどの程度の我慢をしているかは、残念ながら私には分かりませんが、結婚した時に彼女と彼女のご両親に誓った事は、人生を通して貫き通さなければいけない私の使命です。

妻のおかげで、まもなく25周年を迎えます。

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