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8.奨学金=借金=悪

[これは全て私の過去の出来事です]

娘の東京ライフは順調のようだ。
彼女が不安なく大学生活を送ってくれる事が、今の私にとって何よりのギフトだ。

大学進学にあたり、奨学金制度を利用しようか迷ったが、見送ったのには理由がある。



私には4つ年下の弟がいる。

弟が進学の際、実家は経済的に厳しい状況だった。
その時既に社会人だった私は、弟の学費を親と共に負担した。

母親の言い分はこうだ。

「今、我が家はとても苦しい状況、本来ならB夫の学費は奨学金制度を利用するのが最善だと思う。しかし奨学金と言えども借金には変わりがない。
B夫に借金は負わせたくない。お姉ちゃんの時と同じにしてあげたい。助けて欲しい」


我が子に借金を背負わせる訳にはいかないという母親の強い思いに負け、

私は自分の給料から4万円だけ受け取り、それ以外は全て家に入れた。



過去のこの様な経験から、

奨学金=借金=悪


という強い固定観念が私の中に出来上がっており、今回も制度を利用する事を見送った。

….

初年度は学資保険と、私の貯えで何とかやり過ごすことが出来た。

….


実は、
夫に「借金してでも競馬は止めない」と言われてから、彼に相談することを一切やめ、娘に関わる全てのお金は私の収入で賄っていた。

それが唯一、私の歪んだ夫への抵抗

だった。

….

大学2年の夏、
娘が半年間、海外留学することになり、
いよいよ私の貯えだけでは厳しい状況になった。

私に出来る事は2つ。

①夫に相談する
➁メインの仕事の他に、パートで働く

私は迷わずを選択した。
夫に何を相談してもムダだと決めつけていたし、相談するのも怖かった。

私は早速、ホテルの清掃のパートをすることにした。


そして、ここから365日ほぼ休みなく働く日々が始まる。


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