カメックスVMAXはエクストラで強化?過去のVMAXの出世例から活躍の道を探る。
こんばんは。今日は金曜日なのでいつも通りに金つぶを聴きながら過ごそうと思っていたら寝過ごしてしまって昼寝から起きたときには夜の7時20分過ぎだったので、ラジオは聴かずに静かな環境でのんびりと記事を書いています。ゆりちゃんごめん。
さて、本日12月4日、皆さんもご存じのように「スターターデッキVMAX フシギバナ」と「スターターデッキVMAX カメックス」の、2種類の構築済みデッキが発売になりました。話題を呼んでいるのはなんといってもカメックスとフシギバナという2種類のVMAXで、強力なスペックを持つVMAXのカードが、ひとつのデッキにつき2枚入っていることが、大きな触れ込みとなっています。(正直以前のリザードンとオーロンゲのデッキの時にピン挿しでしかVMAX入れなかったせいでリザードンVMAXの相場がノーマルでさえ1800円越えまで高騰しているのは流石に公式も悔い改めろと思うが)
また、VMAXだけではなく他の収録カードも優秀なものがそろっており、マナフィやセレビィといった優秀な展開用カードがある他、強力な効果で初出時はシングルカードの相場が2000円を軽々と超えるほどまでになったボスの指令がフラダリのイラストで再録されています。現代のポケカではすっかり展開に必須のクイックボールはデッキに4枚投入されており、ライトユーザーにとっても有用なカードを手に入れやすくなった点は、ポケモンカードの対戦環境において大きな改善点と言えるでしょう。(もっとも、シャイニースターでの再録でボスの指令の相場が800円程度まで下がったといっても、一般的にエクストラでボスの指令より強力な効果と認識されているグズマがノーマルで80円(ナイトユニゾン収録のTRで280円)程度の相場(カードラッシュ通販価格)になっているあたり、今の日本の株ポケのCLでもシティリーグでもスタンダードの大会のみを開催しエクストラの開催を行わないというスタンダード偏重主義の弊害がモロに出てしまっているように感じる節はあるが)
さて、目玉であるVMAXについてですが、フシギバナVMAXは自分の場の草エネルギーの数だけ打点が増えるという強力な技を持っており、ゴリランダーの特性によるエネ加速と組み合わせることで青天井的に打点が上がっていくため、回り出してしまうと手が付けられなくなるほどの強さにもなりそうです。現環境では小ズガ相手が厳しいですが、それ以外の相手に対しては構築次第でかなり高い勝率を見込めそうです。特に、ムゲンダイナに対するメタとして環境に上がっているセキタンザンに弱点を突けるのは大きいですね。
カメックスVMAXは、やはりこのカードは過去のカードと同じようになにかしらの形で水エネを加速してくるかとも思いましたが、上の技でベンチポケモンに水エネルギーを加速することができ、下の技は4エネ220ダメージに加えて、相手のベンチ2体にもそれぞれ30ダメージを与えることができます。効果自体は強そうに見えますが、どうしても今のスタンダードで環境の上位に居座っているピカゼクやクワガノンVに弱点を突かれる雷弱点というのが厳しく、サポート要員として名前が上がりそうなモスノウもベンチにしかエネルギーを付けられないという点で難があります。弱点の問題を克服できたとしても、3エネ加速するのに3エネ120ダメージという上の技は、アルティメットレイで3エネ150ダメージ+好きな色の基本エネ3枚加速とかの芸当ができる三神などの過去の強力なカードと比べると、単純なスペックとして見劣りしている感はあります。三神は強すぎるということでエネ加速できるタイプが1色に限定されたポケモンと比較するにしても、先述したピカゼクはフルドライブで3エネ150+雷エネ3枚を1体に加速という効果で、こちらは技を使ったピカゼク自身にもエネを加速することができます。
では、そんなカメックスが活躍の道を探るにはどうすればいいかというと、昔のカードも使用できるエクストラレギュレーションにおいては、水ポケモンのVMAXは真価を発揮します。
過去にはどんな成功例があったか。
ガラル御三家のVMAXの一環として話題を呼んでいたポケモンの中に、インテレオンVMAXというのがいます。
インテレオンVMAXもまた、カメックスと同じように雷の存在に苦しめられてきたポケモンでした。1ターンに1枚ずつエネルギーを付けていく低速の展開をするデッキが多く、ピカゼクや三神ザシアンなどの普通のデッキにさえもターンの進行を遅らせる役割としてクラッシュハンマーが投入されるような環境において、インテレオンは上の技によるエネルギーのバウンスと下の技のベンチ狙撃を織り交ぜながら活躍の場を伺いましたが、当時から環境上位に弱点である雷のピカゼクがいたのが大きな痛手でした。また、エネの加速要員として投入されたモスノウもベンチにしか水エネを加速できないなど若干難があり、溶接工のサポートも受けてシティリーグなどでも一定の結果を残してきたエースバーンVMAXなど、他のVMAXに比べると少々肩身が狭い立場にありました。
しかし、スタンダードで不遇だったインテレオンはエクストラで突如大変貌を遂げることになりました。
元々エクストラレギュレーションでは、トラッシュの水エネルギーを水ポケモンに加速するアクアパッチ、水ポケモンをノーコストで1枚サーチできるダイブボール、山札から水や闘のたねポケモンを出せるせせらぎの丘、水や雷のタイプのポケモンを回復できるうねりの大海など、強力な水ポケモンに対するサポート用のカードが多く揃っていました。それに加えてVMAX特有の優秀なスペックとして、HPが他と比べて非常に高く耐久に優れているという点が挙げられます。そのため、展開に時間をかけることを考えなければ、まんたんのくすりでHPを回復したり、アセロラで手負いのインテレオンを手札に戻したりすることで、なかなかインテレオンが倒れづらい状況を作ることが容易にできるという点も、インテレオンVMAXにとっては追い風となっていました。
これらのエクストラ特有の強化によって非常に高いスペックで立ち回れるという点に着目して、ポケカメモ内の調整メンバーによって開発されたのがビーチインテレオンというデッキタイプでした。
詳しい構築の経緯については元記事を読んでいただくとして、スタンでかなり不遇だったインテレオンがエクストラで大活躍する要因となったのが、下の技のダイバレットです。上の技で相手のエネをバウンスするという戦術こそ、ピーピーマックスやダークパッチなど優秀なエネ加速の手段が多くエクストラではなかなか通用しませんが、3エネでバトルポケモンに160ダメージを与えつつ、ベンチポケモン1匹にも60ダメージを与えるというダイバレットは、エクストラではかなりの脅威になります。
日本のエクストラレギュレーションにおいては、シェイミEXの特性「セットアップ」がクロバットVのナイトアセットと異なり1ターンに何回でも使える点や、EXがGXやVでないことで回収ネットの対象になる点から、回収ネットで何度もシェイミを戻してセットアップを酷使しながら山札を掘っていくという、いわゆる「シェイミエンジン」という戦術を取るデッキも多く存在します。このシェイミEXは、HPが110とエクストラで優秀なEX・GXの中では比較的HPが低い部類で、インテレオンVMAXのダイバレットだと後ろへの攻撃2回(60×2)で落ちてしまいます。このエクストラでよく使われるシェイミを倒してサイド2枚を取りに行くという動きができるのも、インテレオンのエクストラにおける強さを支えているといえます。対面によっては、前のTAGを160×2で2パンしつつ後ろのシェイミを60×2で倒して、サイドを5枚取りで一気に逆転できるポテンシャルもあります。
また、エクストラにおけるVMAXにとっての課題だったのが、「ラボネクに2パンされるのでサイドレースに勝てない」という点でしたが、これについても前のウルネクをワンパンしつつ後ろのダストダスもベンチ狙撃で2ターンかけて倒すことができることからサイドレースで互角に渡り合うことができ、またウルネクダスト側がデッキの構成上事故りやすい欠点があることからも「相手が事故ったらそのまま押し切り、回られてもサイドレースが互角の勝負」という点でインテレオン側がかなり有利な対面になり、多くのVMAXの弱点であった「ラボネクが苦手」という問題を克服したといえます。
では、カメックスはどうやったら強くなれるのか
さて、過去の成功例を示したところで、本題である「カメックスVMAXはどうやったら活躍できるのか?」といった議題に取り組んでいきたいと思います。インテレオンの例に倣うのであれば、下の技でベンチ攻撃することでサイドレースを優位に立たせる戦法がすぐに思いつきそうなものですが、ベンチ攻撃すればインテレオンほどの強さを得られるかというと、それほど単純な話でもありません。
先の部分でも説明したように、インテレオンの下の技は60ダメージという、ベンチのポケモンへ与えるダメージとしてはかなり大きなダメージを持っていました。そのため、シェイミを2回の攻撃で倒すという強みがあったのですが、カメックスはベンチへのダメージが30なので、後ろのシェイミを倒すのに4ターンかかります。相手側の置物要員がGXやVで望遠スコープの恩恵を受けられるテテフやデデンネだったにしても、打点増強込みで60ダメージにしかならないので3ターンかけないと倒すことができません。ベンチ2匹に30ずつ乗せられるという点はピッピ人形を多く並べるLO系統や、メインアタッカーのHPが極端に低いマッドパーティ(ちゃんとしたスパーリングはしてないので未知数ですが、マッパ相手の場合はマーシャドーやシェイミをグズマで狩りつつ後ろのホルビーやミュウに打点を刻んでいくのが勝率が高い方法だと思います。夜の行進の場合は相手のバチュルがHP30しかないのでベンチでもワンパンで倒せますが、相手が雷でカメックスが弱点を突かれるので厳しいです)など一部のデッキには大いに有用ですが、サイドレースで勝ちたいのであれば、素直にTAGを2体か、GXやVを3体倒すことを意識する方が勝ちやすいのでは?という風にも思います。
早めに4エネ揃えるには?
とはいっても、カメックスの下の技を使うにも4エネ必要な点は先述のインテレオンと比べても重いです。さらに、スタンダードで水ポケモンのエネ加速要員であったモスノウはベンチポケモンにしかエネを加速できないという欠点があるため、カメックスを活躍させるためにはバトル場に出す前にいったんベンチで育てていかなければいけません。せっかく活躍させたいのにベンチでお留守番というのではメインアタッカーの名もすたるでしょうし、何より別のポケモンを壁にするのでは、その分だけ殴るターンが遅れます。シェイミやバトルコンプレッサーなどのカードの存在からゲームの進行自体が速いエクストラでは、殴り始めるのが1ターン遅れるだけでも致命的なものです。この欠点を解消できるのが、
カメックスです。
なんだ手札から水エネ加速するってモスノウとやってること同じじゃねえかって思っている方も多いでしょうが、このポケモンはベンチだけでなくバトル場のポケモンにも水エネを加速することができます。そのため、エネを加速するのにバトル場に別のポケモンを壁として作る必要がなく、壁としたポケモンが逃げられなかったときに1ターンロスするという厳しい状況ができることもないため、後ろにばくりゅうカメックスさえ立ててしまえば速い段階でカメックスVMAXを育てることが可能です。相手に攻撃されて手負いの状況になっても、アセロラで手負いのカメックスVMAXを戻すことでダメージを帳消しにできるためVMAXのHPが高い恩恵も活き、特に中打点のデッキに対しては脅威にもなりえます。アセロラで手札に戻ったことで失ったエネルギーも、ばくりゅうによるエネ加速ですぐにリカバリーできるのは強みです。
そして、1進化のモスノウと違って2進化であることがネックになっていたカメックスにも、実は即出しできる効果を持つサポートのカードが存在し……と話は膨らむものなのですが、記事が長くなってしまったのでここらで切りたいと思います。次はばくりゅうのカメックスをどう活かしてカメックスVMAXをサポートするか?という点にも踏み込んでいきたいですね。(実は裏話をすると普通にアメでゼニガメからカメックスを展開する型かサポートの効果でカメックスを出す型かどちらを取り上げようかは実は決まっていなかったりします。なので続きを載せるのはまだまだ先になりそうです。しばし待たれよ。)