その昔、ランパンプスのオールナイトニッポンZEROというラジオ番組があったんですよ。
突然の質問で申し訳ないのだが、皆さんは「ランパンプス」というワードをご存知だろうか。
恐らくこの記事に検索から辿り着いたの中人は、ラジオとかANN0とかそれっぽいワードで調べてこの記事に行き着いた人もいるかもしれない。ある程度ラジオリスナー歴がある人であれば「あ～～あの人ね」ってなる人もいるだろう。そうでない人の中には、彼らの番組って聴いたことなかったなぁとか、ましてや「ランパンプスって何？」っていう完全に初見の人も、もしかしたら少しはいるんじゃないかと思う。
結論から言うと、ランパンプスというのはよしもとクリエイティブ・エージェンシーに所属しているお笑いコンビの名前である。なぜランパンプスという名前なのかはよくわからないが、とにかく昔からそういう名前と決まっているのだからそういうことなのである。(コンビで活動しているお笑い芸人であれば、普通はコンビの結成経緯とかコンビ名の由来とかがしっかり書いてあるものである。例えばぼくがよくラジオを聴いていたパーソナリティだと、アルコ＆ピースで言えば「メンバーの平子と酒井から連想して『アルコ』と『ピース』を取った」とか、四千頭身で言えば「石橋がボケの練習のためにドラゴンボールの神龍の画像を送ったところ後藤が『神龍は四千頭身』という返しをしたのが秀逸だった」とかそういう具合である。しかし、不思議なことにランパンプスの項目にはそんなコンビ名の由来とかは何も記述がない。Wikipediaも薄情者だろう。)
さて、この記事の本論についてラジオとかリスナーとか話しててなんなんだとか思う人もいるかとしれないが、つまりこの記事で何が言いたかったのかというと、
「ランパンプスはかつてオールナイトニッポンZEROのパーソナリティーを1年だけ担当していた時代があった」
ということである。
詳細は面倒臭くなったので省くが、とにかく天下のニッポン放送様の看板番組であるオールナイトニッポンのオーディションを693組の参加者の中から通過して、パーソナリティーに抜擢されたのである。
■どんな番組だったのか。
ランパンプスのオールナイトニッポン0(ZERO)
放送期間:2017年4月3日放送開始、2018年3月26日終了。全52回
放送時間:毎週月曜日 深夜3:00～4:30(90分)
オールナイトニッポンは深夜1時から3時までのいわゆる「1部」(星野源や乃木坂46・新内眞衣、三四郎といった有名処)と深夜3時から4時半まで(ただし金曜日は5時まで)のいわゆる「2部」でパーソナリティーが分かれており、ランパンプスは月曜2部の担当であった(2020年5月現在で言うとファーストサマーウイカが担当している枠である)。
ネット局
関東広域圏:ニッポン放送 3:00-4:30
北海道:STVラジオ 3:00-4:30
宮城県:東北放送 3:00-4:30
栃木県:栃木放送 3:00-4:30
茨城県:茨城放送 3:00-4:30
京都府:KBS京都(滋賀県:KBS滋賀) 3:00-4:30
兵庫県:ラジオ関西 3:00-4:30
香川県:西日本放送 3:00-4:00
愛媛県:南海放送 3:00-4:00
高知県:高知放送 3:00-4:30
福岡県:KBC九州朝日放送 3:00-4:30
東京千代田区有楽町をキーステーションにネット局は1部の全国36局ネットから大きく減って全国11局ネットでお送り(ランパンプスの担当していた当時は新潟放送はネットしていなかった)。独立局のラジオ関西、クロスネットの東北放送と高知放送以外のフルネット6局は全てNRN単独加盟の局である。そして、唯一JUNKからANN0へとバトンが移ってくるラジオ関西以外の10局のリスナーはオールナイトニッポンの1部からの流れでこの番組を聴くことになる。では、1部の全国36局のうちネットしない局はどこに行ったのかというと、放送開始時の経緯からJRN単独局のCBCがネットしている東海は置いておくとして地方に多く存在するJRNにも加盟している局のうち北は青森放送から南は鹿児島・南日本放送まで実に全20局がTBSのfineに流出していく。1部をネットしていたラジオ沖縄はNRN単独局だが3時からは放送休止のためネットしない。そして番組をネットする局でも西日本放送と南海放送は4時までの1時間で降りて裏のfineに乗り移る。本当に薄情者であろう。
とにかく、「2部」のANN0は1部と比べてネット局が少なかったのである。
■どんなコーナーがあったのか。
ラジオ番組で重要な要素を構成するもののひとつがネタコーナーである。ウーマンラッシュアワーの村本のようにコーナーをやらずにトーク一本道で通すという奇特な方もいるにはいたが、基本的にはオールナイトニッポンぐらいの長時間の番組であれば必ずコーナーが存在するものである。
もちろんランパンプスも例外ではなく、こんなコーナーが番組を盛り上げていた。
・メッコリーサ
第1回から存在したコーナー。ランパンプスの小林が所属していたユニット「JUNK∞TION」の楽曲である「メッコリーサ」というフレーズを使った文章を募集する。番組最初のスペシャルウィークでメインを張るほどの人気コーナーであったが、メンバーのぷりずん。逢見が諸事情で芸人活動を休止したことから番組内でもJUNK∞TIONの話題が減るようになり自然消滅。
・泥
とにかく泥である。めちゃくちゃな泥沼であり、このコーナーの時は小林の喋り方が無茶苦茶に変わる。コーナーのサイコさで言えば霜降り明星のANN0で言うところのポケットいっぱいの秘密のコーナーに近い。何があったか小林がカラカラに溶けて砂になってしまい終了した。
・ちゅどん
番組末期に存在したコーナー。ランパンプスが生み出したリズムネタである「ちゅどん」がTiktokで作者不明のままバズり続けていることから誕生した。リズムとテンポはそのままに今の歌詞を凌駕する新しい歌詞を送ろう！というもので、要するに替え歌のコーナーである。地味なコーナーだったが登場がかなり後になっての登場だったこともあり番組終了まで残った。
■どんな神回があったのか。
オールナイトニッポンくらいの深夜番組となれば、どんな番組にも「この回がすごく面白かった」とか「この回はリスナーがすごく盛り上がっていた」という神回が存在するものである。ここでは、1年間ずっとこの番組を聴き続けていたぼくが個人的に「神回」だと思う回を2つほど紹介する。
■小林桃鉄～青春18きっぷで山口へ～(2017.9.11放送分)
ランパンプスの小林が青春18きっぷを使って東京から18時間かけて山口のリスナーのお宅に泊めてもらおうという企画。青春18きっぷというのは普通列車しか乗れないのだが、片道で18時間というのは乗り換えのタイミングがシビアなもので、電車に不慣れな人が使うと結構寝過ごしとか乗り換えミスで大変なんだろうなぁ、と思っていた。すると案の定品川から早速寝過ごして有楽町までオーバーランとか、うっかり熱海行きの列車で間違って手前の湯河原で降りてしまいジエンドとか散々なもので、湯河原に不時着したことで普通列車だけでは当日に辿り着けないことが確定してしまい結局姫路から新幹線カードを発動していた。慣れない人が18きっぷを使うとこんなドタバタが起こるんだなぁと思ったものである。
■ファースト写真集発売！乃木坂46・新内眞衣が生登場(2017.11.20かどこかの放送分)
乃木坂46のメンバーとしてオールナイトニッポンを通算4年以上担当(ランパンプスのANN0に出演した当時は水曜2部で1年半ちょいのラジオ歴でした)している新内眞衣だが、この回の放送に先立つ11月14日に最初で最後のファースト写真集「どこにいるの？」を光文社から発売。その告知のため、ニッポン放送の多くの番組をジャックしていた。このランパンプスのANN0にも新内が出演することになり、リスナーの間でも大きな盛り上がりを見せた。
乃木坂効果で普段聴かない新内ANN0のリスナーが多く流入してくることから、数少ない新内眞衣のANN0とランパンプスのANN0の両方のヘビーリスナーという立場であったぼくは双方のリスナーの橋渡しになろうと特徴をまとめたメモを投稿したりもして、大盛り上がりだったと思う。ちなみに、その後新内眞衣の写真集は1万部売れればすごいと言われる写真集業界で約2万部の売り上げというヒットになったが、同じ乃木坂の"白石"麻衣が2ndで30万部近くの売上を叩いていたのも相まって乃木坂のファンからは「2万部という爆死」と言われる始末。やっぱり薄情者だよオタクって。
■5月8日。
で、なんでそんなマイナーな芸人のラジオの記事なんか書いたんだよ、というのがこの理由である。この5月8日というのはこのnoteを投稿した今日の日付……のことではない。
5月8日というのはお笑いコンビ「ランパンプス」の結成された日であり、そこから派生して誕生した番組内のコーナーの名前でもある。そして、このランパンプスというコンビは2010年に誕生したので、今年2020年でちょうど結成から丸10年という節目を迎える。そんな節目だからこそ、「こんな芸人のこんなラジオ番組があったんだよ」という歴史を次の世代のラジオリスナーに知ってほしくてこの記事を書いた。この記事をきっかけに「自分はこの芸人のラジオが好きだった」とか、「こんな人も昔ラジオをやっていた」とか、ラジオの話題が広がってくれれば嬉しいです。
ちなみにランパンプスの寺内さんってnoteのアカウント持ってるらしいよ。(ぼくもこの記事作るために検索してて知りました)気が向いたら覗いてくればいいじゃないか。
正直この欄の使い方がよくわかってない