自由深度学習1 ~単語の意味調べの数は自分で考える~
教育を本気で語る会、英語教師のJOYです!
今回はChatGPTを使った英単語の意味調べについてまとめてみます。
これについて思考を深めたきっかけは
「そもそもこの授業の目的は何だっけ」と
再考したことです。
多様な生徒がいるJOYの授業をベースにして
授業の目的について考えていきます!
1 勉強をすることが目的ではない?!
JOYは今まで、学校の授業は「学び方を学ぶ」ものだと思っていました。
授業中は「勉強をする」ことが大前提でした。
しかし、教室には勉強をしたくない子も、
勉強ができない子もたくさんいます。
もちろん、進学のために勉強もしたい生徒もいます。
卒業さえできればいいという生徒もいます。
何もしたくないという生徒もいます。
そんな多様な生徒たちに
「学び方を学ぶ」という目的を達成してもらうために
ChatGPTを使って単語の意味調べをしてもらおうと考えました。
ただ、その手段に至るまではたくさんの失敗を重ねてきました…。
単語の意味調べってみなさんどのようにやっていますか??
2 単語リストは自分で決める!
JOYが初任者のころは
単語リストをプリントに印刷し
生徒が意味を調べて書き込むスタイルでした。
しかしこれでは、生徒が理解している単語と
そうでない単語が区別できなくなります。
リストにある単語は全部調べなければならない。
分かる単語と分からない単語を区別するのは
プリントを作る教師が決めることになってしまいます。
生徒が自分で考えなくなってしまいます。
そこで3年目くらいから
「分からない単語だけ意味を調べてノートに書こう」と
生徒に提案してみました。
分からない単語をピックアップするには
本文に目を通す必要があります。
本文の内容を想像しながら単語の意味を考えてくれる。
生徒の思考力と主体性が伸ばせると思っていましたが…
実際は、数名の生徒がすぐにペンを置いてしまいました…
3 分からないところが分からない
「何でやらないの?」とその生徒たちに訊ねると
「単語の意味なんか全部分からない」
「どこが分からないかが分からない」
「考えるのが面倒くさい」
などなど、思考が停止している状態でした。
単語のリストが与えられていた頃は
ただその単語を辞書で調べればいいだけだったので、
ただただ作業をこなすだけでした。
何も考えなくても意味調べができる方が楽だったようです。
それでは主体性が伸びないと思いスタイルを変えてみましたが。
思考作業が深すぎると、生徒の負担が大きくなることに気づきました。
「やりなさい」と言ってやらせてしまうと、
何も考えずに全部の単語の意味を調べてしまいます。
主体的な学びどころか、生徒が英語を(というより学校を)
嫌いになってしまいます。
そこで、思考の負担をあまりかけずに
考えうことが嫌いな生徒が
主体的に学ぶための手段として活用したのが
ChatGPTと安河内哲也先生のアイディアです!
4 安河内哲也先生直伝プロンプト
安河内哲也先生のChatGPTのブログの中に
英単語リストの作成に関する記事がありました。
これを活用してJOY用にアレンジしたプロンプトがこちらです。
このプロンプトだと、長文の語数によっては
膨大な単語リストができてしまいます。
しかし、ポイントは「生徒の負担が減ること」です!
英語の本文だけを見ていると
日本語の情報が一切ないので
どうせ全部分からない、と考えることをやめてしまいます。
しかし、単語リストに日本語の意味が添付していると
「これは知ってる」「勉強したことある」「さっぱり分からない」など
語彙の理解度を自分なりに考えやすくなります。
ChatGPTの単語リストから取捨選択をして、
自分のノートにオリジナルの単語リストをまとめてくれます。
ここで、生徒からいただいた嬉しい感想は
「分かるのと分からないのを真剣に考えて、ノートに書く単語の数を減らしたい」というものです。
どんな理由であれ、生徒が「自分で考えて」くれたことがとてもうれしかったです。
また、学習意欲が高い生徒も
「知らない意味があった」「意味調べが楽になった」「ChatGPT使ってみたかった」など
前向きな意見を言ってくれた生徒もいます。
大切なことは「自分で考える」「自分で勉強をする」ことです。
プロンプトを打ち込んだり
単語リストから単語を取捨選択したり
生徒の主体度合いが以前よりも少し増えました。
JOYの目的は少し達成しました。
タイトルにもある自由進度ならぬ自由深度学習のポイントは
「調べる単語の数を自分で考えること」です。紙辞書や電子辞書のころと同じようなスタイルを変えることができて
授業の本質をしっかり考えるきっかけになりました。
自由深度について考え始めてからは、
色々と手段を検討してみました。
次回は生徒の理解度に合わせた「単語を調べるプロンプト」についてまとめてみます。
自由深度学習は多様な生徒がいる学校では重宝します!
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