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チーム担任制をやってみて気づいたこと① ~生徒主体の学級運営~

教育を本気で語る会、マサです。
今年から勤務校ではチーム担任制を導入しました。
反対の声が多い中、マサはこっそりワクワクしていました。
全国の様々な学校が実践しているなか、実際にやってみて気づいたことをまとめてみます!


1 人のせいにしない(できない)子どもが増えた

隣のクラスは遅刻しても怒られないのに…
前の担任は忘れ物も見逃してくれたのに…
あの先生ならこれくらい許してくれるのに…

個人担任制だった去年までは
生徒が先生を比較して、言い訳にして、
責任転嫁をする場面を数多く目の当たりにしてきました。
そのたびに「人のせいにするな!」と説教していました。
そんな正論を押し付けながらマサはこっそり内省していました。
「自分も子どものころ同じことを言っていたな…」
個人担任のシステムのころはどうしても
上記のような言い訳をしてしまいがちです。
しかし、チーム担任制をスタートしてから
人のせいにするような発言が少しずつ減っていきました。
なぜなら、先生やクラス間の差異がほとんど無くなるからです。
担任同士での話し合いが増え、連絡事項などを細かく確認します。
「こういう質問が出た場合はどうするか」
「欠席した生徒や事情がある生徒への対応はどうするか」

先生たちが事前にしっかりと準備をして
全クラス共通の対応を常に心がけています。
忙しい先生たちの話し合いもなるべく短時間で終わるように
教員用の連絡事項や配布物の確認などを
前以てしっかりチェックするようになりました。
今までマサはHRの直前に連絡事項などを確認していましたが、
他のクラスに迷惑がかからないように
緊張感をもって準備するようになりました。
まるで初任者研修を受けているときのような緊張感です(笑)
それもこれも、生徒が「あのクラスは○○なのに…」という発言をしなくなるように
教師の私たちがクラス間の差異をなくす学級運営をしなければなりません。
そんな責任感と緊張感をもったHR連絡の手段の一つとして
Bluetoothマイクの活用をご紹介します。

2 生徒が集中して話を聞いてくれるようにする仕掛け

LHRや学校行事の準備など時間がある学級活動のときは
担任ではなく代表の先生が一人で学年全体に説明します。
それは体育館などの学年集会形式ではなく
隣接する教室にスピーカーを置いて通常のHRの形式です。
マサが使ったのはBluetoothのスピーカーです。

これはコロナ渦でマスクを着用していた時期に
後方の生徒が聞き取りやすくなるように使っていたものです。
ここ数年、お蔵入りしていましたが
今年の2学期からマサが使ってみようと提案しました。
代表の先生がマイクを使って説明し、
他のクラスの先生はスピーカーを教卓に置くだけです。
これにより、生徒への連絡は一人の先生で事足ります。
代表の先生が話している間は
教室の後ろから生徒の様子を見守っています。
場合によっては教室に先生がいなくても、
廊下から全教室を見回ったりします。
このような状況になると話を聞かずにサボろうとする生徒が出てくると思いませんか??
実はサボる生徒が減ったんです。
なぜなら教師が後ろや横から見守っているので
うかつに寝たりスマホを触ったりできないんです。
逆に、「聞かなきゃならない!」という緊張感が生徒に生まれるんです。
教師が前に立っていないので
質問をしたり聞き直したりすることが物理的にできません。
一度しかない説明を集中して聞いて理解しなければなりません。
頼れる大人が教室にいません。
頼れるのは自分と友達だけです。
ピリッとした緊張感が生まれます。
教師が教壇に立つよりも、
教卓にスピーカーを置いた時の方が
生徒の「聞くスイッチ」が入るかも入れません。
そして、このスイッチが入ると
生徒の自主運営のチャンスになります!

3 先生に聞けないから自分たちで考える

上記のような無人HRでは生徒たちが自分たちでプリントを配布したり、
クラスの係が前に出て行事の説明を始めたりします。
教室に先生がいないと頼る人がいないので
生徒たちが自分たちで何とかしてくれます。
分からないことがあったときは隣のクラスの様子を見たり
友達同士で質問しあったりします。
もちろん廊下に先生もいますので、
先生に質問することもできます。
その時は質問内容とその答えを他クラスに共有するようにお願いしています。
「先生が何とかするだろう、すればいいだろう」
という他人任せの状態から
「教室に先生がいないから自分たちで何とかしないといけない」
という当事者意識が芽生えてきます。
この流れは3学期に入ったころからバージョンアップさせてみました。
スピーカーを置くのではなく、各クラスの代表者に伝言を頼んでいます。
教卓にスピーカーを置くよりも
教壇に生徒(友達)が立って話しているほうが
生徒はしっかり聞いてくれます。
友達に迷惑をかけないためにしっかり聞こうとしてくれる
生徒たちの優しさがHR中の集中力を上げてくれていると思います。
これは子どもも大人もウィンウィンですね!

 2024年最後の投稿はマサにとってのビックイベントである
チーム担任制についてまとめてみました。
チーム担任制には色んなメリットがありますが
そのなかでも「生徒の主体性」につながるものピックアップしました。
もちろん、これらがすべて順風満帆に機能したわけではありません。
紆余曲折しながらいろいろと考えてみたことを実行して
トライアンドエラーの結果にすぎません。
それでもなお。生徒が主体的に学校生活を送れる手段を
これからも考えて、実行して、失敗して、ブラッシュアップして、
少しずつでも生徒が主役になれる学校を目指していきます。
次回は生徒が主体となった「三者面談と進路活動」についてまとめてみます。
2025年もよろしくお願いします!

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