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学校も企業も大切なものは変わらない〜東日本大震災〜

 教育を本気で語る会、日本一の父親を目指すジョージです。
前回に引き続き、デロイトトーマツの百瀬さんのJust Do It!!地域イニシアチブの活動について、
今回は能登半島地震についてまとめてみます。


1 解決しない避難所問題

石川県七尾市の矢田郷避難所では、発災直後は800人の被災者が避難所に押し寄せ、現在も自宅の全壊・半壊の被害を受けた約40名の避難者が残っていること、発災からの5日間が特に大変で、電気・暖房は使用できたがトイレの問題が大変深刻であったこと、地方からの応援職員や支援に来てくれた人が輪を広げてサポートに入ってくれたことなど、当時のリアルな避難所運営や生じた課題等について(現地の方々が)お話くださいました。

Just Do It‼地域イニシアチブ(JDI)の活動紹介 Vol.1

この記事を拝読した際に、
東日本大震災の記憶がよみがえりました。
あの時の東北地方の避難所でも
様々な問題が発生していました。
特に支援物資に関しては「欲しいものが届かない」
という声をよく聞きました。
私自身は「支援物資はいくらあっても困らないのでは?」
と思っていましが、
通い続けた被災地の方々との対話を通して、
その考えは大きな間違いだと気づきました。

2 避難所のリーダーとして

 支援物資に関する問題を考え出したのは
公益社団法人 Sweet Treat 311の油井元太郎氏との出会いからです。

現在は公益社団法人MORIUMIUSとして
魅力的な活動を続けていらっしゃいます。

これは実話に基づいて作成された
避難所のリーダーとしての行動と思考を問われる問題です。

あなたは30歳の大人です。
2011年3月11日、東北宮城県沖で大地震が発生しました。自宅も被害を受けましたがどうにか助かり、避難所の学校へ行きました。もちろん停電・断水状態です。
たくさんの避難民がいる中、あなたは小学生中学生のリーダーを担当することになりました。避難所には大人と乳幼児が1000人、小学生と中学生の人数は下の通りです。

小学生 300 人
1年 49 人 
2年 45 人
3年 54 人    
4年 44 人
5年 55 人
6年 53 人
中学生 255 人
1年 78 人
2年 87 人
3年 90 人
小学生・中学生合計 555 人

避難所へ集まってから1カ月、これまでの標準的な食事は次のような状況でした。
朝=おにぎり、おから、めかぶ
昼=パン、バナナ(2分の1本)
夕=おにぎり、塩辛、きゅうりの漬物、煮干し

そこへ、ある有名なボランティア団体が子どもたちのためにお菓子(マドレーヌ)を持ってきてくれました。東京のパティシエが徹夜をして作ったもので、消費期限は今日中です。
しかし、他の避難所へも配っていたために、あなたの避難所に配れるのは400個しかありません。

この400個のお菓子を受けとるかどうか、
避難所の代表はあなたに決めてほしいと言っています。
同時に、次のような点にも気をつけるよう言われました。
 ・子どもたちは避難生活の中でお菓子を全く食べていない。
 ・子どもの中で争いが起こるようなことはしたくない。
 ・甘いものに限らず、常に食料が不足している状態である。
 ・大人たちも空腹である。
 ・医者も常にいるわけではなく、病人は出したくない。

あなたはこのお菓子をどうしますか?
    受けとる   /   受けとらない  
その理由を簡単にまとめてください。

この注意点は考えさせられます。
ただ、食料を渡せばいいというものではない。
じゃあどうすれば最適解にたどり着くのか。
悩んだ挙句出した結論に対して、
このようなコメントが返ってきました。

あなたの決断の後、避難所の方から次のような意見が寄せられました。
この意見に対するあなたの考えを、下記にまとめてください。
受けとる
 避難所に住むAさん、45歳、子どもは中学3年生
「ただでさえ食料が平等に配られていない状況で、どうして子どもたち全員分がないと事前に分かっていたのにお菓子を受けとったのですか?実際に平等に子どもには配れるんでしょうね??しかも、公共の団体でもなく民間のボランティア団体が手作りしたものなんて、うっかり食中毒にでもなったらどうするんですか。受けとると決めたあなたの意見を聞かせてください!!」

あなたの決断の後、避難所の方から次のような意見が寄せられました。
この意見に対するあなたの考えを、下記にまとめてください。
受けとらない
 避難所に住むBさん、45歳、子供は中学3年生
「暗い、辛い避難生活の中で、お菓子がもらえたらどんなに子どもが喜んだか。なぜ返してしまったんですか??しかもあの後、結局賞味期限が切れてあの団体はお菓子を廃棄したそうです。ボランティア団体の好意を無駄にしたばかりか、捨てるために余計な労力とお金がかかったそうですよ。受けとらないと決めたあなたの意見を聞かせてください!!」

3 震災の当事者意識

 この避難所での疑似体験を自分の授業の様々な場面で活用しています。
テレビやSNSの情報だけが全てではなく、
現地の方々のニーズをとらえることがいかに重要か、
そのことを考えるきっかけになりました。
被災者の方々との対話を重ねていくことが
サステナブルな支援につながっていくことを
東日本大震災で痛感しました。
百瀬さんの活動は過去の経験が土台になっています。
経験の大切さを改めて学ぶことができました
今回は東日本大震災との共通点をまとめてみました。
掘り下げれば下げるほど、自分の教育活動を俯瞰的に見つめなおすことができます。
これからも俯瞰的な教育の見直しを続けていきます!

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