チーム担任制をやってみて気づいたこと② ~生徒主体の三者面談~
教育を本気で語る会のマサです。
前回に引き続き、チーム担任制の気づきをまとめていきます。
今回は「進路支援」です!
生徒の主体性につながるようにチームで試行錯誤を繰り返しました。
まずは「面談」からいきます!
1 面談の予定表は生徒がみんなで作る
マサの勤務校で導入しているGoogleclasroomを活用して、
三者面談期間の予定と、期間外の担任チームの授業空き時間を生徒に共有します。
そのスケジュールを踏まえて
生徒たちはコメント欄に希望日時を記入していきます。
ここでのポイントは「他の生徒たちの希望日時が確認できること」です。
※下記画像はサンプルです。
自分が希望していた日時と重複している生徒がいないか、
確認をするのは生徒自身です。
他の生徒と日時が重ならないように
時間帯をずらして入力してもらうようにしています。
このシステムを提案したときに、生徒たちは
「早めに保護者に予定を確認したほうがいい」と思ってくれることです。
担任の先生から「面談希望を早く出しなさい」と
叱られるから確認するのではなく
生徒自身が面談の予定日時を調整しやすくするために
早く予定を確認をしてくれます。
保護者との予定確認を先延ばしにしていると
他の生徒たちがどんどん予定を埋めていってしまいます。
選択肢が少なくなってくると予定の調整が難しくなってきます。
そうならないように「早めに確認して入力しよう」と生徒が思ってくれると
早めに保護者に予定を確認してもらえます。
保護者に確認が取れたらスマホですぐに入力できるので
次の日に忘れることもなくなります。
従来の「面談希望票」の提出システムのように
担任が時間をかけて調整していく手間がなくなります。
希望票を生徒に返却した後に紛失したりするリスクもなくなります。
生徒が入力してくれた日時はスマホアプリで確認できるので、
生徒も保護者も簡単にリマインドできます。
生徒が主体的に動くことができるこの面談システムには、
まだまだ多くのメリットがあります!
2 希望日時は早い者勝ちにしない
上記のようなシステムにした場合、
早めに入力をした生徒が優先されてしまいそうですが、
「早い者勝ちにはしない」ということを事前に生徒に伝えています。
保護者の都合によっては、
スケジュールの調整に時間がかかることもあります。
その場合は、事前に入力していた生徒と希望日時が重なった場合に
「生徒同士で日時を調整する」ように生徒にお願いしています。
13時から16時までならどこでもいい、という生徒もいれば
12時から13時でしか都合がつかない、という生徒もいます。
それぞれの生徒が入力していた希望日時だけでは、
どれくらい融通がきくのかはわかりません。
なので生徒同士で直接、話し合ってもらいます。
ここで予定の調整がうまくいけば、該当生徒に再入力してもらうだけ
リスケジュール完了です。
全クラスの生徒を対象にしているので
普段はあまり話すことのない生徒もいるはずです。
様々な生徒同士で交渉や相談をしていく経験にもつながっていきます。
また、今年あったケースとしては、
自分の予定を確認していた生徒が、
友達の入力ミスを発見してくれることもありました。
「○組の○○さんと面談日時がかぶってるよ?」と
友達から教えてもらった生徒は
すぐに修正したもの再入力してくれました。
多忙な教師が慌ててスケジュールチェックするよりも
大勢の生徒がチェックしてくれると、
教師としてはとても心強いです。
ちなみに、このような入力ミス事案は1年間で1件だけでした。
来年度も安心して生徒に任せられます!
そして、安心してこのシステムを運用できるようにするためには
事前に配慮しておかなければならないこともあります。
3 入力ができない生徒にも対応する
保護者の仕事の都合で面談期間に時間がとれないので、
全クラスの生徒に面談日時を「見られたくない」という生徒もいます。
保護者の仕事の予定がなかなか確定しないので
ぎりぎりまで「入力できない」というせいともいます。
様々な理由が考えられますが、
仕事の都合や家庭の事情は人それぞれです。
「絶対にclassroomに入力しなければならない」とはしていません。
面談希望票に事情を記入して提出してもらい、
担任団で丁寧に対応できるようにしています。
仕事や育児の都合で早朝や夕方以降の時間帯を希望する保護者がいた場合は、
スケジュールの都合がつく担任を探すこともできます。
面談期間外の日時でも対応できるように、
担任団の授業の空き時間に面談を実施することもできます。
担任が複数いれば、この辺の調整もしやすくなります。
担任の先生方も様々な事情があるので、
担任同士で配慮して、柔軟に対応できるようにしています。
「見られたくない」「入力できない」という生徒には
このような配慮事項があることを事前に保護者に伝えて、
チーム担任制のメリットをご理解いただき
すこしでも安心して学校に通ってもらえるように
今後も様々なブラッシュアップを重ねていきます!
2025年、最初の投稿が「面談の当たり前を変える」ことでした。
従来のシステムがすべて悪いわけではありません。
新しいシステムのすべてが万能なわけでもありません。
新旧の二項対立にするのではなく、
生徒が主体的に考える機会と
保護者が安心できる最良を増やしていけるように
チーム担任制のメリットをしっかりと生かしていきます!
今年も教育を本気で語る会をよろしくお願いいたします!
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