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個人ZINE『本を拾う』制作日誌 #03
さて、本文を執筆する前に表紙が先にできてしまったわけだが、ここから一気に筆がノッていく。書いているときは本当に集中しているので、とにかく速い。こうなればもう止まらない。まずは心の赴くままに文字を連ねる。単語になる。コンテクストになる。楽しくて仕方がない。
初校(一番最初の原稿)は60ページ×370字ぐらいだから、20,000字ほどを約1週間で書き上げた。荒いままでも、支離滅裂でも、大事なのは「勢いがある」ことだと思う。うまく熱量を伝えるにはこの初校の出来映えで決まる。だから、再校(初校を直した2回目の原稿)のために思いっきり赤字で修正をしていく。このときは1日寝かしたりして、ちょっと熱が冷めた自分の目で読んでみて、さらに赤を入れる。
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まずはマイクロソフトのOneNoteに、書けるだけ書いたら一度プリントアウトして、「物体」にする。紙の姿で文字を拾っていく。この作業が実は一番重要で、「これは違うな」とか「ここの表現いいな」とか客観的に読むことが必要だからだ。
そして、コンテクストが固まってくると、誌面のフォーマットデザインも自然と頭の中に沸き起こってくる。この時点で、「組版」を開始する。InDsignCS3(古いソフトだけど、自分の中古の画面が21インチもあるiMacで動かしている)でフォーマットを試行錯誤して設計してゆく。
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目次の項目ごとにデザインを変えよう、とそこで思いつき、さまざまな本文の組み方のパターンを作り込んでいく。そして、再校、三校、四校と書き直しに描き直しを加え、念校(ほぼ手直しがなく、最終チェックの段階)を校了(完成した原稿。この段階ではページデザインも一緒に完成している)にし、データチェックを入念に行い、印刷(製本)会社にデータを入稿する。
これでようやく手離れする。
あとは納品を待つだけだ。
2024年11月7日(木)。
『本を拾う RE:0(創刊準備0号 リマスター版)』が納品された。
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う~~ん、感無量!
(つづく、のか?)
フリーペーパーとして誕生した『本を拾う』0が、
装いも新たに『本を拾う』RE:0(創刊準備0号 リマスター版)として、
販売中です!
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この「RE:0」は2024年7月14日発行の「0」の真逆の視点とアプローチで自由自在な発想で作り直した「やり直し版」でもあります。じっくり考え、少しずつプロットを作成し、構成や企画そのものを見直しています。
2024年12月から、東京・吉祥寺の文芸同人誌のシェア型本屋・招文堂で「本を拾う」という屋号で一棚店主にもなりました。直近では3月20日(木・祝)の12時~18時にお店番をする予定です!
高円寺のそぞろ書房様でも販売しています。
お近くにお越しになった際は、ぜひ、立ち寄って読んでみてください!