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4輪ドライバーが自転車に乗って思うこと①

 こんにちは。ほんひろです。この3連休でカート、自転車、共に乗ることができたので、その際に感じたことを使って僕なりの違いを書き記したいと思います。
 具体的にどんなことをしたかというと、16日は高崎経済大学の選手と一緒に鴫内へ、17日は前日のわたらせクリテリウムの勝者と一緒に中禅寺湖へ、18日はフェスティカサーキット栃木へと行ってまいりました。

 今回僕が書く内容については、「まあこんな考え方もあるんだなぁ」程度の認識で結構です。4輪のことについてはある程度ちゃんとしたことを書ける自信はあるのですが、自転車のことはまだわかりきっていないので、あくまでもイチ初心者の感覚として読んでいただきたいです。
シクロクロスやMTBに関する知識や経験はまだ浅く、記事を書けるほどではないので、今回は、ロードに限定することにします。

①求められるグリップに関して


初心者と言いながらいきなりこんなことから書き始めるのはどうかと自分でも思いますが、最も重要な観点なので最初に書くことにします。
まず、自転車のグリップに関して。自転車が求めるグリップとしては、
①転ばないグリップ力
②倒し込めるグリップ力
③地面に引っ掛けるグリップ力
大きくこの3点だと感じます。どれも横方向に関するグリップ力です。自転車は落車をしてしまったら終了な競技なので、横グリップばかり求めるのも無理はありません。また、縦グリップは走行抵抗にもつながるので、プロ選手を除いてはそこまで重要視されていない性能かなと感じます。
 一方で、4輪が求めるグリップは、
①ロックアップしない縦のグリップ力
②初期応答のグリップ力
③最大コーナリングフォースを導き出すグリップ力
④荷重を支えるグリップ力
⑤トラクションがかかるグリップ力

と、縦グリップの要素と横グリップの要素が複雑に絡み合っている気がします。
 競技の特性として、自転車は人間の体力がメイン、4輪は人間のテクニックがメインなので、4輪のタイヤに求められる能力が複雑化していくのは納得がいきます。エンジンという偉大な動力源を持つ4輪で速く走るためには、エンジンの持つ莫大なパワーを地面にしっかり伝えてあげることが重要となってきます。そのため、人間という小さな動力源しかない自転車は縦のグリップをそこまで重要視する必要はありません。なんなら、僕のような超貧脚な人にとっては縦グリップは大きな負担となり得ます。なので、あくまでも僕の中での認識ですが、自転車の世界では「脚力のあるプロはグリップを求め、コーナリングの安心感を追求する。一方で市民ライダーは走行抵抗の低い(≒グリップの低い)タイヤで転がりを求める。」というふうに思っています。なぜ「走行抵抗の低い≒グリップの低い」で、「=」ではないかというと、タイヤのトレッド面の貼り方によって走行抵抗とグリップ力はいくらでも変えられるからです。

②コーナリングのグリップフィーリングと前後荷重バランスに関して

 基本的に4輪は転ぶことがないので、簡単に「アンダーステア」というものを感じることができます。アンダーステアとは舵角量に対してグリップが意としたよりも低いことで、ライン取りが大きく膨らむことにつながります。たいていの場合、タイヤ表面が地面に対して微妙に滑っていることが原因で、オーバースピードなど、タイヤができる以上の仕事と入力したときに起こります(まれにタイヤがうまく接地しておらずグリップしないということもありますが)。
 一方、自転車の世界では「アンダーステアを感じる」と言うと「曲がってくれない」という意味を表すことが多いようです。まあたしかに、4輪の動きを見ると車がただ曲がっていないように見えます。しかし、私の認識ではアンダーステアはタイヤが滑っていなければならず(進行方向に対してスリップ角が大きすぎる状態)、どちらかというと「アンダーステア=落車」という認識です。とはいえ、MTBやシクロクロスをやっている人ならわかると思いますが、フロントが多少滑ったとしてもコントロールすることはできるので、必ずしも「アンダーステア=落車」とも言えないようです。

 また、アンダーステアの対義、「オーバーステア」に関してですが、自転車において後輪が滑ったとしても、それは「オーバーステア」の意には含まれないように感じます。本当のオーバーステアは「曲がらない→舵角を増やす→急にスピン」という挙動を示すため、「曲がらないから舵角を増やす」という走りができない自転車は、この意には当てはまりません。なので、「オーバーステアがうんぬん、、、」と言ってる自転車ライダーを見ても「とりあえず扱いづらいんだろうな」程度でぽやっと聞いておきましょう!笑

シクロクロスにおけるフロントスリップ
(東京シクロクロス2023 宇都宮ブリッツェン 沢田時選手)

 前置きが長くなってしまいましたが、コーナリングのフィーリングに関して、具体的に話を広げていきたいと思います。限界走行時における僕なりの走りのフィーリングは、
自転車はフロントタイヤのグリップと戦っている感覚が強い
4輪はリアタイヤのグリップと戦っている感覚が強い

こんな感じです。
 何度も言うように、自転車はコケたら終わりな競技なので、絶対に滑って欲しくないフロントタイヤとの格闘になります。そのためグリップが抜けてしまっては4輪以上に大きなケガを負う可能性あるので、より闘っている感は強いです。とはいっても、減速したあとにコーナーが迫る以上、フロントタイヤに乗った荷重は積極的に使っていかなければ速くは走れません。フロントタイヤに荷重が乗せられなければ滑る、車体を倒し込んだ状態で荷重を乗せすぎてもタイヤが限界を迎えて滑る、とても奥が深いですが、ここが差のつけどころだと思います。


スリップを楽しむのもアリ


 一方で4輪はどれだけ攻めてもフロントが滑ってコケることはないですから、(まれにスバル360がでんぐり返ししていることがあります。)車体を倒し込む必要がない以上、目一杯フロントに荷重を乗せていかなくては速く走ることはできません。となると、必然的にリアの荷重が抜け、オーバーステアになります。リアが今にも滑り出そうとしている荷重バランスをどれだけ維持できますか、どれだけ前後の荷重バランスを良く走れますか、というのが4輪のコーナリングの本質とも断言できるでしょう。逆に言ってしまえば、フロント荷重を乗せやすい4輪は、リアがめちゃくちゃ動く車でいかにフロント荷重を乗せすぎずリアグリップを絶妙に残しながら曲がるか、簡単に言えばオーバーステアな車をいかにアンダーステアっぽく乗るかというのが、上手い運転の一種の見極め方であると僕は思います。自転車では全く考えられないことを4輪では求められているわけです。


フロントタイヤよりもリアタイヤの方が引っ張られている
(後ろのマシンと比べても変形量が圧倒的に多い)

 このような乗り方の違いがある以上、ライン取りももちろん変わってきます。基本的にはどちらもアウト・イン・アウトなのですが、フロント荷重の感覚がわかりやすく、グリップの変化を積極的に行ったほうがいい4輪の方が、立ち上がりを重視するVの字ラインをとることが多いです。それに対して、より安定したコーナリングが求められる自転車は、クセのないUの字ラインを描いたほうが落車リスクを低くできます。このUの字ラインについてですが、必ずしも最速ではない気がします。ですが、"ほぼ"最速ではある気がします。これに関してはお近くのめちゃくちゃコーナリングの上手い人にお聞きください(無責任)。


 今回は4輪と自転車のグリップに関する内容を中心に僕が感じる違いを書かさせていただきました。次回はグリップの内容から発展させて、それぞれの僕が感じるコーナリング理論についてお話したいと思います。投稿日時は未定です。まだ書いてすらないです。それでは。

【余談】
親友がいろは坂の下りでパンクしたのを笑ったら、2日後に自分もパンクした。

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