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復刻版「贋作・ひとりごと」No.13

遠文連ニュース「はぴねす」No.272(1990.6.10発行)より


 私の15年来の朋友である春風亭愛橋が皆様のお陰をもちまして、真打に昇進致しました。しかも、風薫る五月に「春風亭鯉昇(しゅんぷうてい りしょう)を襲名という二重の歓びとなりました。五月上席は新宿末廣亭、中席は浅草演芸ホールにおいて披露公演を行ってまいりました。浜松市出身で、唯一真打まで到達した噺家です。1983年には、「NHK新人落語コンクール最優秀賞」、1988年には「にっかん飛切落語会若手落語家奨励賞」を受賞している本格派です。
 浜松での勉強会「雅落語会」、そして私がプロデュースさせていただいております「西武シティ8寄席」、「えんしゅう寄席」等において、約60席は聴いていると思います。珍しい噺の提供、演出の相談等で失礼なことも言ってきました。私の結婚披露宴の余興もお願いしました。FM静岡の開局三周年記念番組にも一緒に出演させていただきました。
 素顔の鯉昇さんは、いたって真面目な演劇青年です。時々、一緒に盃を傾ける機会があるのですが、「演じる」ということについての真面目な議論を肴に飲んでしまいます。
 どうか、これからも皆様で応援してあげて下さい。

遠文連ニュース「はぴねす」 No.272  273  276

遠文連ニュース「はぴねす」No.273(1990.7.10発行)より

 毎日、暑い日が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。5月に仕事の関係でインドネシアに行ってきました。「なるほど・ザ・ワールド」とか「ハウ・マッチ」で時々見ておりましたので、予想はしていたのですが、実に大変な処でした。日中は気温30度、湿度100%なのですから。ホテルから一歩外へ出ると、全身汗だらけといった状態でした。なるほど、これは昼休みは二時間とらないと体が持たない、と思いましたですね。
 インドネシアといえば、たくさんの島々から成り立っている国ですが、島の数だけ民族と言葉があると言われております。ですから、一緒に何か行動するということが難しいとのことでした。
 私は海外に行った時には、現地のテレビ番組を積極的に見るようにしております。いわゆるマスコミの姿勢といったものがわかるからです。この国ではお金持ちは、衛星放送を受信てきるということでしたが、やはり南半球の放送しか受信できないそうです。ということは、国の外に出ない限りは皆同じ情報社会で生活しているといえるのではないでしょうか。日本では、衛星放送の有料化について議論がされていますが、全く手に入らない状況よりはましだと思いました。

遠文連ニュース「はぴねす」No.276(1990.10.10発行)より

 過ごしやすい季節になりまして旅行、スポーツ、コンサートなど、それぞれに楽しまれていると思います。
 さて、この時期は結婚式が多いのですが、遠文連スタッフからもハッピウェディングが続いています。長く独身生活を楽しんできただけに、これからの環境変化が大変だと思いますが、お二人で頑張ってください。というわけで、今回は内輪の話になりましたので、これから結婚される貴方に私の大好きな詩を贈ります。
 ボクは、二通りの恋を知っている
 春の恋と秋の恋
 春の恋はやわらかな日の光に暖められた二人の淡い恋
 秋がくると落ち葉のように散っていく
 暖められることしか知らないはかない恋
 秋の恋は落ち葉の中で寒さに気づいた二人の恋
 冬の寒さに耐える火を二人して燃やしていく
 暖めあうことを知っている恋
 だからボクは秋が好きだ
 だからボクは秋が好きだ
 どうかお幸せに。

遠文連ニュース「はぴねす」No.277(1990.10.10発行)より

 先日、遠文連前局長、西田徳長氏の退職慰労パーティが盛大に開催されました。20数年という、遠文連の歴史と共に歩まれた足跡を出席者それぞれが思い出されていたようです。文化教室、歴史散策ツアー等でご存じの方も多いと思いますので、ご報告させていただきました。
 さて、私はここ数年、時代小説、時代物エッセイの類を読み漁っております。学生時代から喜六家清八の芸名で素人落語を演じてきましたので、落語世界のシチュエーションとして以前から読んではきたのですが、最近、江戸時代人と気が合ってきたような感じがするのです。
 冷蔵庫もオーブンも電子レンジも無かった時代に、どうやって、おもてなしの料理をつくっていたかとか、世界中の言葉を区別できない状況で、どうやって敵・味方を区別していたのか、とか知りだすとこれは面白いもんです。
 情報化社会で世界中からいろいろな世界が紹介されています。それは、それで結構な事なんでしょうが、日本語で知ることは、もっともっとたくさんあるのではないでしょうか。

遠文連ニュース「はぴねす」No.278(1990.12.10発行)より

 仕事の関係で東京・大阪に行く機会が多くなっているのですが、それぞれの土地でホッとするような情景に出会うことがあります。例えば、フルコースで3万円というレストランがある通りに、170円の立ち食い蕎麦屋があるとか。150円の串カツ屋を目にした時なんですね。
 高校を卒業した頃から結構まめに大阪へ、今の言葉でいうタウンウォッチングに行っておりました。梅田の地下街を見ましてですね、これは確かに「たむろ文化」やなぁと感心したもんでした。
 さて、浜松市なんですが、大きなイベントホールやらショッピング街ができておりますね。これまでも同じような事を書いてきたんですが、側だけできても、中身は育たないのとちゃいますか。クラシック、クラシックと声を大にして宣伝してますが、クラシックというたらオペラとピアノでけですか。芸能って、そんなに領域の狭いものではないと思いますが‥、文化人もたくさん居てはると思いますが、施設が完成してから、思い出したようなご意見、はてなはてな、と思いますね。

遠文連ニュース「はぴねす」No.279(1991.1.10発行)より

 遅ればせながら、本年もよろしくお願いします。
 さて、昨年末にボーナスで、やっと衛星放送を観られるようにセットいたしました。仕事に追われて観る機会も少なかったのですが、それでもいろいろと考えさせられましたですね。ノーCM、ノーカットで最新映画、演劇、コンサートを観れるということにです。従来のテレビでは、同じようなクイズ番組とか歌番組を放送しておりますが、価値は低くなりそうですね。テレビの初期はおそらく、衛星放送当時の内容だったのではなかったのではないでしょうか。演劇、コンサートなどライブを全国各地で鑑賞できるという意味があったんだと思います。しばらく、このカルチャーショックを体験してみようと思っています。
 ところで、昨年の日本人初の宇宙特派員ですが、一時的には視聴率37%やそうですが、平均して20%なんやそうですね。高いといえば高いんやそうですが、あの内容でと考えると、‥テレビはマスコミの主導権者ではなくなっていることがおわかりになると思います。テレビから生まれた文化人、知識人の価値は低くなっていけばよいと思うのです。

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