10cm(シプセンチ)を訪ねて 一人韓国旅行その③
1年ほど前から韓国のシンガーソングライター・10cm(십센치・シプセンチ)にハマっています。
10cmとはどういう歌手でなぜハマったのか、どういうところが魅力的なのかについても大いに語りたいのですが、それはまたの機会(あるのか?)に譲るとして…
あまりにハマってしまい、1月、2月、そしてこの7月と、今年だけで実に3回も10cmのコンサートのためだけに男一人、わざわざ渡韓したほどです。
自分はそれまで一人で海外に行った経験はなく、韓国も10年以上前に大学の友達と行ったきり。どれだけ沼にはまっているかを想像いただけると思います。
1月、2月のときは特に記録には残さなかったのですが、今回、備忘録的に感想を残しておこうと思います。(①、②がなくいきなり③からなのはそのため)
ちなみに10cmについてはこちらの記事でとても分かりやすくまとめられています!
好きになり始めた当時、僕はこちらの記事を大いに参考にして10cmについて調べていきました。
セットリスト
今回参加した「2024 10CM 1st Fan Concert:10CM YOU」のセットリストはこちらです。
10cmをご存じの方なら「아메리카노も스토커も봄이 좋냐??も폰서트も(その他韓国ドラマOSTも)ないんだ?!」と驚かれるかもしれません。
それもそのはず。今回は初めてのファンコンサートということで、通常のコンサートとは違う特徴がありました。
今回のライブの特徴
レア曲中心の構成
今回は今年4月に発足したファンクラブ会員を主な対象にしたファンコンサートでした。会場にはコアファンが多く集まるということで、普段あまり演ることのない曲を中心に構成されていました。
ライブ序盤に「ヒット曲を期待してたらごめんね。今日はやりません」みたいなことを言っていたと思います。
また、今回演奏された曲たちをこれまであまり演ってこなかった理由についても、「これは歌詞が変だなと思って」「これはアメリカーノ(代表曲)の二番煎じ感が」といった感じで、かなり率直に語ってくれました。ファンコンサートならではの空気感がとても面白かったです。
(注:この記事に出てくる10cmの発言部分は、すべて自分の拙いリスニング能力で聞き取れた範囲を、意訳してお届けしていますので事実と異なる可能性があります。)
アンコールの長さ
もう一つの特徴はアンコールの長さでした。
全体の公演時間が3時間弱、そのうち半分くらいの時間がアンコールに充てられました。
これは、ライブ本編と異なりアンコールは各自のカメラやスマホで撮影可能、という韓国におけるコンサートの一般的なルールにしたがって、「せっかくのファンコンサートだから撮影できる時間を増やそう」という10cm側の気遣いでした。(たぶん)
そういうこともあり、今回の公演はYouTubeに長尺の動画がかなりあがっています。ありがたや。
感想
10cmのライブに参加したのは7回目(昨年横浜で1公演、1月2月に韓国で2公演ずつ、今回2公演)になりますが、毎回とても楽しく、心震える感動をもらいます。
音源で聴く特徴的な歌声はそのままに、ライブだとバンドを従えていることで、サウンド全体が音源よりも迫力があります。包み込まれるような気持ちよさと力強さが同居してる感じで、やみつきになるんですよね。
そしてこれは韓国のライブ全体的な特徴かなとも思いますが、アーティストの歌も堪能しつつ、自分たちも歌って楽しむ!みたいな雰囲気がとても強くて、感動するだけでなくとても楽しい時間を過ごすことができるなあと思います。
ただ今回、正直言って1日目は耳馴染みのない曲が多く、「どれも良い曲だな」とは思いつつも、周りのコアファンの方々ほど盛り上がりきれないジレンマを少し抱えながら過ごしました。
そこで2日目はライブまでの時間で予習(復習?)を徹底。これが非常に功を奏しました。2日目のライブが始まると、さも「昔から大好きな曲です」と言わんばかりのテンションで盛り上がりました笑 前日とは見える景色が一変した感じでしたね。
1日目にこれまで知らなかった曲をライブで知ることができ、2日目は「好きな曲」を存分に堪能するという贅沢な過ごし方ができました。
ちなみに会場は会場はオリンピック公園内にあるオリンピックホール。
狙っていたフロア席は取れず、2日とも1階席での参加でしたが、3,000人程度のそこまで大きくない会場だったので想像よりもかなり近くで楽しむことができました。
特に印象に残った曲①소년
レア曲を中心に構成された今回のライブの中で、数少ないシングル曲。
今年の初めにリリースされました。
少年時代の冴えない自分、憧れで終わった幼き日の恋を自虐的に振り返りながらも、かつての自分にそっとエールを贈る曲です。
10cm特有の、華々しく輝く人たちの裏で上手くいかずに苦しんでる人たちにスポットを当てた曲ですが(代表曲の「스토커」や「봄이 좋냐??」もそういう視点があればこそ書ける曲かなと)、そこに暖かさも加わっているのが大きな特徴かなと思います。
聴いていると、日々の生活で疲れて荒んでしまった心が洗われるような感覚があります。
発売当初からお気に入りでしたが、日を追うごとに、ライブで改めて聴くごとに、ますます大切な曲になっていきます。
今回のコンサートの趣旨を考えるとセトリから外してもよかったようなポジションの曲ですが、1曲目で演奏した辺り、10cm自身も思い入れが強いのかな、なんて感じました。
余談ですがこの「소년」という曲、日本語に直すと当然「少年」なわけですが、英題を「Boy」ではなく「Dear」としているの、曲の世界観がよく表れていて本当に素晴らしいなと思います…!
特に印象に残った曲②Please Don't Stop Your Singing
ダブルアンコールでは、1月に行われたコンサートで、ファンから募集した10cmへのビデオメッセージが次々に画面に映し出され、10cmと観客がそれを一緒に眺める時間がありました。
ファンミーティングなどでも思いますが、アーティストや俳優とそのファンが互いに感謝を伝えあう時間というのは、流れている空気がとても暖かくてそれだけで感動してしまいます。
老若男女、国内海外問わず様々な層が参加していて、ファンの裾野の広さも感じました。
10cm本人も映像は本番で初めて見る(1日目と2日目は別映像)とのことで、両日とも目に光るものがあるように見えました。
そして映像が終わり歌い出したのが「Please Don't Stop Your Singing」
元々はコロナ禍のメッセージソングとして世に出された曲ですが(多分)、この流れでこの曲を歌われたら、これはもう感動せずにはいられないですよね。
特に1日目は、ビデオメッセージの中に目の不自由な方からの「目は見えないけど10cmの音楽が大好き」というような言葉があり、音楽の素晴らしさを改めて感じていたところだったので、もう涙を堪えることはできませんでした。隣に座ってた女性の方が僕の何十倍も号泣していたので、心強かったです(?)
特に印象に残った曲③비가 오니까
10cmはYouTubeの公式チャンネルでデモ段階や未発売曲をたまにアップするのですが、今回のライブの最終盤に、それらの曲のメドレーが用意されてました。
前述のとおり僕は1日目は予習が追いついていなかったので、1日目は「ほへー、知らない曲だ…」って感じで聴いていたのですが、よくよく考えたらものすごく贅沢な構成ですよね。
その中でもこの曲は悲しげなメロディーが特徴的でとても心に残りました。
日本語に訳すと「雨が降るから」ですが、2日ともライブが終わって会場を出ると雨だったのも、この曲をより印象付けてくれたように思います。
(もっとも2日目はこの曲が似合うような雨の降り方ではなく、土砂降りでしたが…)
おわりに
ということで今回も「素晴らしいライブだった…」という清々しい気持ちで、一人渡韓を終えることができたのでした。
我ながらどういう層に向けて書いているのか分からない仕立てになってしまいましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。
10cmは来月8月に日本公演も控えています。
おそらく日本公演では、代表曲や人気韓国ドラマのOST(「トッケビ」「愛の不時着」「涙の女王」「ソンジェ背負って走れ」等、たくさん担当しています)中心のセットリストになるのだろうと思います。
今回のファンコンサートとはまた全然違った雰囲気が楽しめそうで今からワクワクしています。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?