[散乱文章]その十三

連句という文芸を、あなたはご存知だろうか?
日本の伝統的な文芸のひとつである。俳句でお馴染みの五七五を発句とし、七七の脇句をつけ、そこからまた第三の句は五七五、次の句は七七……という形で続けていく。古くは連歌といい、平安貴族の嗜みだった。その貴族の嗜みを、遊び心満載な形にしたのが、俳諧の連歌である。……というような話は、大学の講義の受け売りである。

かの松尾芭蕉も、連句をよくやっていたらしい。
「連句をやっていた」と表現したのは、実はこの文芸が一人きりで作るものではないからである。
大抵は3人の人間によって、発句、脇句、第三の句がそれぞれ順番に作られる。以後、その順番で句をつけていくのだ。
連句には、ルールがある。などということは、専門書を読めば分かることではあるのだが、簡単に説明すると、連想ゲームである。発句で読まれた内容に関連性のある脇句をつけ、その脇句を関連させつつ、発句とはまるで関係のない第三の句をつける。そして、それを百句続けるのである。その百句のうち、決まった箇所で月や花について読まねばならないだとか、同じ季節を連続させていいのは何句までであるとか、そういった決まりがある。これが、きちんとやろうと思うと、難しい。

なんでこういうことを言うかといえば、私は大学生の時、授業で連句を作っていたからである。そして、その句は、教授が出版した書籍の中に、サンプルとして収録されている。
……というヒントだけで、人は果たしてその書籍にたどり着くのだろうか?

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