りばいばる#010 カラオケ喫茶②
これは2016年8月27日にAmebloに投稿した記事の"りばいばる"です。
2013年の秋から冬にかけて、カラオケ喫茶へのキャンペーン営業はライフワークになっていました。
朝、長女を幼稚園へ送ったら、作成したリストを元にその日決めたエリアのお店に飛び込みます。
やっている内に、カラオケ喫茶業界のことも何となく分かってくるのですが、僕が全く知らない演歌系のプロの歌手が多数存在していて、その方達の情報は主にカラオケ喫茶等に流通している「カラオケファン」や「カラオケ伝言板」等の月刊情報誌や、ローカル局で放送されているカラオケ番組、またはショッピングモール等でのイベントや会館でのカラオケ大会等で得ることができると共に、カラオケ喫茶ならではの他のお客さんが良く歌う曲として知らない方にも認知されていくという宣伝の原点がそこにはありました。
CDを発売した歌手は、地道なキャンペーンによって1枚1枚CDを手売りし、それを何千枚、時には何万枚と積み重ねて実績を作り、次のリリースに繋げていくのです。
元々は地域のレコード店がその地域のカラオケ喫茶に新曲のCD30〜50枚を買い取ってもらい、プロの歌手を斡旋し、お店が集めた常連客に歌を披露したり、カラオケの指導をしたりしてお客さんにCDを持って帰ってもらうという営業を1日3軒ほど回るというのが、キャンペーンの始まりだったようです。
時代と共に地域のレコード店がなくなったり、カラオケ喫茶の不況等で、CDを買い取ること自体が厳しくなったりで、歌手側も自らお店に営業して回ったり、買い取りはなしで出演料を頂くというような形態に切り替えたりと変化していったようです。
紹介頂いた歌手1人だけの資料を持って営業を回っていましたが、自分が売れると思った歌手を発掘したくなり、2014年のお正月に大阪市内で行われた某レコード会社主催の演歌祭りを観に行きました。
演歌と言えば年配の方のものというイメージがありましたが、若い歌手の方もがんばっていて、その演歌祭りに出演していた大阪在住の若い女性歌手に魅かれたので、このカラオケキャンペーンの案件をくれた社長さんにその歌手の所属事務所の社長さんを紹介して頂き、その方のキャンペーン営業も回らせてもらえることにもなりました。
1人目の歌手の方のキャンペーンで作った実績があったので、3ヶ月で30本ほどの営業を取り付けることが出来ました。
そうしていると今度はカラオケ喫茶側からこの歌手を呼んで欲しいとリクエストがあり、その歌手の連絡先を調べて、交渉・斡旋しその結果営業出来る歌手が徐々に増えて来たり、カラオケ喫茶主催のカラオケ大会のゲストのブッキングの依頼があったり、カラオケ情報誌やローカル番組の営業権が舞い込んで来たりと、仕事の幅が拡がって来ました。
自分が得意とするエンターテイメント業の端くれとして奮闘していましたが、収入としてはまだまだ厳しく、何よりもカラオケ喫茶へのキャンペーン営業自体お店側が喜んでいるのか?と疑問に思うようになり、需要と供給のバランスが悪い気がして、この仕事を楽しめないというあまのじゃくな気持ちが大きくなって来てしまいました。
芸能界から足を洗ったのですが、結局"餅は餅屋" 芸能関係の仕事が勝手も分かってやり易かったのですが、楽しくて仕方ない!という様なモチベーションを保つのは難しく、大して儲からないという事も相まって、この仕事も長くは続けられないなと思いました。
自分も楽しめて人にも心底感謝される、そんな理想の仕事を追い求めていた時期です。