りばいばる#118 コードレッド!オランダに嵐
これは2018年1月18日にAmebloに投稿した記事の"りばいばる"です。
2018年1月18日。
オランダに嵐が来て最高危険度のコードレッドが発令されました。
我が家が暮らすマンションもかなりミシミシ鳴っており、朝子供達を学校へ送る時はそこまでひどくなかったのですが、ジワジワと勢いを増して行き、駅前を流れる運河の水が強風に乗って霧吹きのように撒き散らされていて、運休になったかどうか分からないトラムの駅で人ごみができていましたが、外にいるのは危険な状況になり、いつの間にか駅前から人がいなくなっていました。
そんな中、ドライバーサービスのお得意様である企業さんからロッテルダムに宿泊されている邦人をスキポール空港までお送りする案件をお任せ頂いており、我が家からお客さんの宿泊先のホテルまで16km、通常20~30分ぐらいの所要時間でしたが、強い風を考慮して約1時間前に家を出ました。
家を出る直前いつも通る高速道路A13が渋滞との情報だったので、迂回して別ルートの高速道路A4を選んで遠回りしましたが、A4に乗った途端こちらも一気に大渋滞となったので、咄嗟に少し先の出口から脱出し、元来た道を戻りつつ、渋滞を承知で元の高速A13へつながる高架道路へと侵入しましたが、こちらも高速の手前で大渋滞になってしまい、今度はその高架道路から脇道に逸れて下道で向かうことにしました。
デルフトからロッテルダムへの下道はそんなに選択肢がなく、大きな運河沿いの小道を抜けて行くルートに差し掛かった途端今度は反対側から来る車とすれ違う際に、運転手さんが窓を開けてオランダ語で何かを伝えてくれたのですが、オランダ語がわかりません。
ですが、後続の車が次々折り返して来るのを見て通行止めになったということが安易に想像でき、すぐUターンをして再び渋滞に突っ込みました。
ここまでで既にピックアップの時間が目前に迫って来てしまい、バタバタしながらもクライアントである企業の担当者さんに電話をかけ、状況を説明して何時にホテルに着くか分からないので最悪別の方法を考案し、お客さんに伝えて頂くようお願いしました。
同時進行で妻に、お客さんが乗る日本への直行便の遅延情報が出ないかを随時確認してもらいつつ、ネットで道路の通行止め情報などをスピーカーで実況中継してもらいながら、数センチずつしか進まない渋滞の列にヤキモキするしかありませんでした。
企業さんに確認の電話を入れると結局電車も止まってしまいスキポール方面へ向かう道路状況も分からないので、お客さんとしては僕を待つしかないということで、とにかく1秒でも早くホテルに到着しなければと気だけが焦っていました。
案の定ロッテルダム方面の高速道路は封鎖されてしまい、一車線しかない別の下道ルートに車がなだれ込んでいる状態でした。
そんな中また電話が鳴って今度は里帰りですごい風の中なんとか無事スキポール空港に着陸出来た常連さんから、空港からの鉄道が全て閉鎖になっているのと、荷物が多く、お子さんも寝てしまっているので何とかお願い出来ないかとの緊急要請連絡でした。
丁度スキポール空港に向かうところなので帰りにお乗せ出来る!と喜んだのも束の間、そもそもまだお一人目のお客さんのところに辿り着いていません。
一人目のお客さんが飛行機に間に合い、尚且つまだ鉄道が動いていないようなら喜んで承りますと常連さんに伝え、ついでに日本行きの直行便の遅延情報が出ていないか現場で確認してもらいましたが、14時頃には嵐が収まるという情報の為か14:25発の直行便は定刻出発予定を貫くことを告げられ、益々気持ちが焦りました。
下道は徐々に車が分散していき、ようやくピックアップのホテルに着いたのが12時少し前。
慌ててお客さんと荷物を乗せて、スキポール空港へぶっ飛ばします。
お客さんは天変地異だからしょうがないと言ってくれ、企業さんもこればかりはしょうがないと腹をくくってくれていたのですが、事前にネットでチェックインを済ませて頂いており、万が一飛行機が定刻出発で間に合わなかった場合は飛行機の片道のチケット代はパーになると聞いて、自分のせいではないものの、数万円の損害が出てしまうというピンチにドライバーサービス始まって以来青ざめました。
幸いロッテルダムからスキポール方面の高速道路は流れており、風が強いのも気にならないくらい、スピード違反を覚悟でぶっ飛ばしました。
スキポール空港までの道のりは渋滞することなくスムーズに行きましたが、今度は空港手前が大渋滞で出発口の一般車両レーンへ続く道は高速道路の空港への分岐路辺りから車で埋め尽くされていました。
時計は12:45。チェックインは既に終わっているので何とか間に合いましたが、荷物を預けるところまでこの目で確認出来ないと落ち着きません。
ノロノロと進む渋滞の中を我慢しながら、空港駐車場に車を滑り込ませ、お客さんと一緒に駐車場から出発口まで小走りしました。途中のスキポール空港の待ち合わせオブジェで待機されていた常連さんご家族とバッタリお会いしたので、小走りしながら「後で!」と言い残し、とにかく上の階の出発ターミナルへ急ぎました。
お客さんがチケット端末で発券をし、自動荷物預けのBOXにスーツケースを預け、控えのシールが出て来るのをゲートの外から見守って、すべてコンプリートした時点でお客さんとお互いに親指を高々と掲げて合図をし、お見送りもそこそこに待ち合わせオブジェへダッシュで戻りました。
常連さんは偶然ご近所さんだったので空車で帰るのであれば人の役に立った方が何倍もいいということで、予定通りの便に乗せれて(飛行機の遅延までは管轄外ですが)、数万円の損害も出さず、報酬も予定通り頂け、尚且つ帰り道にご近所さん家族も乗せて帰れ、正にピンチはチャンスの1日となりました。
ただ終日テンパっていたので、途中LINEに届いていた別のお客さんからのSOSには気付かず、時間的には不可能でお客さんも別の方法で対処したというご報告を受けたので事なきを得ましたが、極力お力になりたかったなあと悔しい気持ちです。
先日も大雨の際にロッテルダム空港から緊急のご依頼があったのですが、残念ながらアムステルダムで待機中だった為、お断りすることになってしまいました。
一人ですので予約が埋まってしまうとそれまでなのですが、極力ベストを尽くす所存です。
オランダにお住まいだったりオランダに滞在の皆様、移動やプチ引越などで予期せぬ自体でお困りの際はダメもとで一度お気軽にお問い合わせ下さい!
日本人ドライバーサービス in オランダは皆様に安心して喜んで頂けるよう日々営業しております。
・・・って完全に宣伝で締めくくってしまいました(笑)
そして現在(2021年5月)昨年から続くパンデミック、コロナウイルスの影響で、人々の移動は激減し、ドライバーとしての仕事のほとんどを失ってしまったのですが、ピンチはチャンス、営業できない飲食店とタッグを組んで日本食デリバリーに転身し、1年以上なんとか皆様のお陰で生きながらえております。
これからまだまだ先の読めない時代だと思うので、超柔軟に対応していければと思います。
引き続き、よろしくお願い致します。