クリスマスの過ごし方 プレゼント交換編@フォルケホイスコーレ
私が在籍したフォルケホイスコーレでは、クリスマスのプレゼント交換会を先生が企画してくださっていました。それがデンマークっぽかったので書き残したいと思います。
事前に「10クローネ以内でプレゼントを用意しておいてね」というアナウンがありました。10デンマーククローネは約170円、日本のように100円均一のお店が近くにあるわけでもないので、プレゼント探しは難航しそうと思いました。そこで自分の中にある常識を疑うところから始める必要がありました。
プレゼント≠新品 → セカンドハンドショップをリサーチする?
プレゼント≠商品 → 自分で作るのもあり
例)絵を書くとか、曲を作るとか?
プレゼント≠わざわざ用意するもの → 手持ちのもので人に譲れるものはないか考える
もしも上限が1000円だったら深く考えることをしなくても、簡単に何かを買ってくればいいと思ったかもしれません。しかし170円だと常識を打ち破り、知恵を使うしかない。他の人がどうするのか?知恵も借りながら思いを巡らしました。
結局私は、日本から持参していた可愛い系のふせんをプレゼントにすることとしました。食堂にプレゼント包装用のリボンや紙が用意されていて、空いた時間にそれぞれがラッピングします。プレゼントが何であるかが他の人にバレないように、人がいなさそうな時に行ってラッピングします。
クリスマス交換の時間になるとそれぞれのプレゼントは大きなカゴに入れておきます。
交換の仕方は色々あるようなのですが、ここでは下記のような手順でした(ちょっとうろ覚えですが)確か2つのパートがありました。
20人くらいが同じテーブルを囲み、真ん中にプレゼントの山を作ります。紙コップとサイコロのセットを2〜3個回して結構なスピードで順番に振っていきます。6が出るとプレゼントの山から選ぶことができます。
全てのプレゼントが誰かの手に渡るまで続けます。
1つも貰えない人、たくさんもらっている人がいます。なんてひどいゲームかと思いました。
しかしゲームはまだおわりませんでした。まだプレゼントを開けないで!と言われたのです。
パート2が始まりました。
またサイコロを振るのですが、今度は6が出ると「他の人が持っている良さそうなプレゼントを強奪」できます。1が出ると「他の人が持っているプレゼントを、自分以外の人を指名してその人に渡すように」指示できます。
自分がたくさんのプレゼントが持てるようにしたい
一人でたくさんのプレゼントを持っている人がいたら、一つも持っていない人に譲らせる
これを結構な時間繰り返し、音楽が止まるまで続けます。
これでやっとプレゼント交換が終わり、目の前にあるプレゼントが自分ものと決定しました。
私は終わる直前に0個だったのに、かわいそうに思ってくれたデンマーク人が私に1つ譲ってくれました。
小さいことだけどこういう優しさって、心があったかくなります。私は可愛くラッピングされた石鹸をプレゼントとしてもらいました。ラッピングはシンプルなのにお洒落ですっかり気に入りました。
自分が出したプレゼントは誰のところにいったのだろうか? 喜んでもらえたかな?私のプレゼントは誰が出してくれたのかな? その場でおしゃべりが弾みます。
面白かったプレゼント
大きくてキラキラしたラッピングだからみんなが欲しがった→木の株だった(一番上の写真の右下に写っているものです)
関心したプレゼント
辞書や本(多分新品だと高いので、お古かセカンドハンドショップで購入したと思われます)
次のチャンスがあれば、私はデンマーク語でポエムを書いてみようかと思っています笑 (書きつける紙以外は〇円でできますので)
日本でもプレゼント交換がありますが違いは
-上限金額が低すぎて、頭を使わないとプレゼントを調達できない
-自分がもらえるプレゼントが決まるまで時間がかかるので、楽しみが持続する。
-一つももらえないかもしれない、という危機感もありゲーム感覚でドキドキする。
などがあります。
人のプレゼントを強制的に取り上げて、他の人に渡すように要求する、というルールは、デンマークの社会保障制度(高い税率による富の再分配)の縮図みたいだなと思いました。
家庭内でのクリスマスでは、プレゼント交換について別のお作法があるようですのでそれはまた次回書いてみたいと思います。
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1. そんな!いいんですか!? 嬉しいです!! フォルケホイスコーレ作りのための勉強に使わせていただきます♪