楽しきことは素晴らしき哉-ゆうこさんのはなし-
お久しぶりでございます。
ちょっとワタワタが続き、更新おやすみ期間を頂いておりました。
寂しくて全米泣いちゃった?
ごめんごめん
というわけで、今後ともどうぞよろしくお願いいたします♪
しばらく学生スタッフのインタビューが続いた当NOTE、そもそも学生スタッフが逸材揃いなことを自慢したくて始めた節もありますが、今回は久々に大人スタッフ回をお送り致します。
それでは、どうぞよろしくお願いいたします♪
今回インタビューしたゆうこさんは国家資格を持つ鍼灸師であり、個人で治療院を経営する経営者である。
ゆうこさんはほとんどの生徒が大学に進むような進学校を卒業後、すぐに鍼灸の専門学校に入学する。当時、同い年の同級生は他に男子一名しかおらず、若い、しかも女子がなぜ?という視線を常に感じていたそうだ。進路決定の理由をゆうこさんはこう話す。
-進路選択の時に、自分が大学で勉強をしたいか?と聞かれればそこまで勉強はしたくなかった。だから、興味がある仕事を並べてみて、どれに向いていそうか、どれなら自分に出来そうかを色々考えて、その結果が鍼灸の仕事だった。
-鍼灸の仕事との出会いは?
-水泳や剣道をやっていたから怪我で整骨院に行くことはあって、鍼灸師が身近だったのはまずあるかな。あと、部活で怪我をした子が出ると真っ先に絆創膏もってかけつけるタイプだったから、もともと「おてあて」好きだったというのもあるかも。
-ケアすることが好き?
-それはあります。子ども食堂でも、一緒に同じ目線で遊ぶこととかは苦手だけど、おかわりするかどうか聞いたり、ちょっとした面倒をみている感じかな
全体を見渡して隙間を埋め、子どもたちのちょっとしたケアにすっと入ることが得意なゆうこさん。彼女から聞くたべるばの様子は本当に生き生きとしている。
それまでケアされることが多かった子が、ちょうどいま躓きの最中にいる子にそっと寄り添っていること、黙りこくっている子のことをその場にいる子たちがそのまま認めて居心地の良い雰囲気を作っていること、こどもひとりひとりの成長をそのまま見つめ、子どもたちが「出来るようになった」ことをひとつひとつ認めていくゆうこさんの話はそれだけで幸福な物語のようだ。
ゆうこさんの凄さは全体を見渡しつつ、子どもたちひとりひとりをしっかり見つめているだけではない。子どもたちの「たべるばでの時間の過ごし方」について聞いていたわたしは、ゆうこさんのある一言に衝撃を受けることとなる。
-子どもたち、自分のゲーム機でバラバラに遊んでいる時も多くて…わたしとしてはもっとみんなで遊んだ方が良いんじゃないのかなって思ったのだけど、学生スタッフたちは「それはそれで良い」って。ゲームしながら、ちょっと話す。そういうコミュニケーションがあっても良いって言われて。それで思い出したのだけど、子どもの頃、友達の家でそれぞれ漫画読みながら、一巻終わるとちょっと喋って、またそれぞれ読んでって、そんな風に時間を過ごしていた事、あったなぁって。確かに、みんなで一緒にわぁわぁやるだけがコミュニケーションじゃないよなって思い直した。
たべるばに関わっている中で、色んなスタンスがあることを知れるのはすごく良いこと。そもそも始めは何をしていいかもよくわからないまま、隙間を埋めるように動いていた。子どもが身近にいるわけでもないし、特別に子どもが好きなわけでも無いから子どもたちとの接し方についてはおがちゃんやシェフを見て学んでいった感じだし…
子どもたちを「伸びしろが羨ましい」「どんどん成長していく」と表現するゆうこさんだが、わたしが思うに、子どもが成長する、自分をどんどんアップデートしていくのはそんなに難しい事ではない。というのも、基本的に経験も、知っていることも少ない彼らにとって、「新しさ」との出会いはさほど珍しいことでは無い。また、経験の少なさ故に価値観が固定されていない彼らにとって「ゆらぎ」は日常茶飯事である。
だからこそ、壁にブチ当たり、戸惑い、悩む。所謂、「発達の課題」というやつである。
それを乗り越え、成長しながら自分の「人格」を育てている最中なのが彼ら子どもである。
対して、大人はどうか。
日常生活においてだいたいのことは経験し、何か困難に当たったとしても自分なりの解決方法は会得している。自分自身のこともあらかた知っているから、そもそも傷つかない方法や逆に自分を売り込む方法だって解っている。だからこそ、大人は子どもよりも生きやすい。
反面、それまでの経験をもとに自分の価値観は固定され、真逆の価値観を持つ人間との触れ合いは意識的/無意識的に避けているというのも事実であろう。
自分の属するクラスタ内、コミュニティ内で過ごすことが多くなることで「ゆらぎ」を受け取る機会は少なくなる。なんらかの「ゆらぎ」があったとしても、多くはメディア経由で間接的に、という形になるだろう。
「ゆらぎ」によって自分の価値観や意見が代わるということはあまり無いのだ、大人という生き物は。
しかし、ゆうこさんは「ゆらぎ」を受け入れる。
自分と違う意見を、自分よりだいぶ年下の学生から聞き、それを受け入れる。
受け入れて、そういえば…と考え、取り入れる。
子どもとの接し方も「わからなかった」。だから、他のスタッフの接し方を見て学び、自分のものにしていく。
この柔軟力の高さ、ややクレイジーなレベルである。
そんなゆうこさんとたべるばの出会いは、やはりHPから。
自身の治療院を構え、時間のやりくりが自由になったタイミングで何か出来ることを…と以前から興味のあった子ども食堂を検索、ちょうど生活圏内で活動していたたべるばにアクセスしたのがきっかけだったとのこと。
-「子ども食堂」という形態でボランティア先を探していた、という感じですか?
-当時メディアで子ども食堂が話題に出ることが多くて、それでなんとなく気になっていた感じかなぁ
-ボランティア自体はたべるばが初めて?
-そうですね。そもそもボランティア自体にそこまで興味が無かったから。だから子ども食堂に対しても先入観は何もない状態で、行った先で必要なこと、出来ることをなんでもやればいいと思っていた。ボランティアをしたことがなかったから何が必要かもわからないし、スキルを活かしたいわけでも無かったからとにかく出来ることをする、という感じ。
今もそのスタンスは変わらずに、隙間をみつけてそこを埋めるように動いている。
-たべるばって特殊スキルの人が割に多いですからね
-そうそう。だからスキルの部分はスキルの人に任せて、わたしは隙間産業担当。出来ないことを無理してやることは求められないから、自分の性分にあうところをやれて嬉しい。
ゆうこさんはたべるばを「親戚の家」と表す。
-普段から一緒にいる「家族」ほどお互いに影響力もないし、重くもない。子どもたちもたまにいく親戚の家で、いとこ同士なんとなく遊んだり、喋ったりゆるく過ごしているくらいの雰囲気で、スタッフも親戚の子どもを見ているくらいの感じ。
子ども食堂という活動に対しても良いことをしている、とか、何かしてあげているという感じも無く、やりたいことをやらせてもらっている。仕事もそうだけど、純粋にやりたいから、楽しいからやっている。本当にそれだけ。
では、「親戚の家」、たべるばでゆうこさんの誕生会をやるとしたら、何が食べたいですか?
しばし、悩んだゆうこさんが出した結論は
-クラシックなチョコレートケーキ!を、ホールでドーン!
昔ながらのチョコレートケーキがドーンと乗ったテーブルを囲む大人たちと、初めてみるであろう真っ黒なケーキにびっくりしてる子どもたち。うん!めっちゃ楽しそう!
シェフ!その節はコストコサイズで宜しくお願いしますね!
追伸
インタビュー後、ゆうこさんから素敵なメールを頂きました。
ゆうこさんそのままのような文面に、本文無しでこれをこのまま載せたいという気になってしまうくらいの素敵な内容でしたので、ゆうこさん了承のもと「追伸」という形でそのままシェアさせていただきます♪
…
……..
誕生日の食べたいものと同じく言葉にしておけばどこかで実現しそうなので、できたらいいなと思っていることをここで追加で言っておきたいと思います。笑
載るとか載らないじゃないのでとりあえず聞いといてください。笑
Suspended Coffee
っていう、コーヒー代を必要とする誰かのために先に払っておくというものがあるんですけど、それの治療バージョンというか、子どもたちとか、体調悪くて治療が必要だけどいろんな理由で手が出ないひとのためにサポートすることがいつか形にできたらいいなと思っています。
コーヒーみたいにワンコイン的な値段ではないので気軽には難しいんですけど、ひとりひとりはワンコインでも数人で1回ぶんとか施術の単価を下げるとかやりやすい形があるといいなと思ってます。
昨年の夏休みにたべるばの学生スタッフさんに無料で鍼灸マッサージをしました。やりたいことに集中しすぎて自分のケアに気が回らない子とか、生活内容的にこのまま放っておくと将来が心配な子とかなんですが。。
そのくらいの年で自分のためのケアをする時間とか、そこにお金を使うということはなかなかないと思いますが、自分を大事にすることがどう自分に返ってくるかを少しでも知ってもらいたいなと思って。
身体がしんどいとイライラしたり集中できなかったり、それを他の人に対してあたって発散してしまったりしますが身体がスッキリすることで頭の中も整理されたり落ち着いたりすることがあるので若い子にも自分のコントロールの仕方として知ってほしいなぁと。
とりあえずまた春休みの2、3月にまた学生さんつかまえて施術しようと思います!
たべるばに参加し始めたときは何ができるとも思ってなかったですが、今は参加したお陰でやってみたいことが出てきているのでありがたい。みんなに会うことが「楽しい」から続けられてますね!
………………………………………………….
Suspended Coffeeの施術バージョン!
すごく素敵!
動き出したさいには、ぜひ参加させてくださいませ♪
よろしければサポートお願いします。頂いたサポートは子ども食堂の活動資金として、食事の提供のほか学習支援やパントリー運営、遠足等こども達とのイベント費用に使わせていただきます。