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ひらいて、むすんで

毎月第一・第三木曜日はたべるば公式noteの日!
先月、ちょっと活動をセーブしておりましたわたくし丁稚、おかげさまで徐々に復活っ!
こちらのnoteも今月からまたレギュラー更新して参ります。
改めまして、どうぞ宜しくお願い申し上げます。

さて、皆さまっ!寒いですね‼
小さい秋を見つける前に、このまま冬に突入しそうな今日この頃、
皆さま如何お過ごしでしょうか?
丁稚はただいま、大片付けの真っ最中です。
新年に向けて、というよりも、新年度に向けての大片付け。
現在、物置としている部屋を居室として使えるようにするという一大ミッションも兼ねている今回の大片付けは、だいぶ、たいへんっ!
そして、寒いとはいえ一応季節は秋なので、様々な行事や新学期に向けての保護者業務も多く、てんてこ舞いしております。

この「保護者業務」ですが、平たくいえば、「保護者としての諸々」のこと。
自分の子どものことだけでなく、学年や園行事に関わることも多く、今まで見えてこなかったことに色々気づかされる日々です。
その一つが「透明化」のはなし。
このnoteを読んで下さっている方はご存じの通り、丁稚はシングルマザーです。
常に、ワンオペ。
例えば、どこかに車で旅行に行ったとすると、準備から往復の運転、旅行先での諸々、帰宅してからの諸々、ぜーんぶ丁稚の仕事です。
これが家庭内の旅行ならまだしも、幼稚園や他の集団系絡みのものの場合、細かい部分で色々と「手が足りない~!」と」なることも多いのです。
シングルマザーになってからの数年間、つい最近まで、丁稚はこの「手が足りない」をとにかく自分の手を増やすことで補ってきました。手、というか、手数というか。
先読みして、効率化して、筋肉つけて!
とにかく「自分」の能力を上げることで解決していった感じです。
結果的に、3年前ほとんど出来なかった運転も、最近では3日で合計280キロとか余裕で走っていることもあります。
人間、やればできる!
……
…………
……………….
とは、限らない!

そうなのです。
やればできるとは限らなかったのです。
やりすぎた結果、胃を壊し「離乳食からやり直し」になった丁稚は思いました。
「出来ないことは出来ないと、とりあえず言ってみよう。」
そして、ラッキーなことに、「出来ないととりあえず言う」機会はすぐに来ました。
『現地集合解散の長時間イベント、往復車で4時間、参加者数名も同乗よろしく☆』
丁稚は言いました。
「できませんっ!」

実際には、主催者に無理だと泣きついた感じなのですが、ここからが急展開。
なんと、丁稚以外にも「できません!」な人が結構居た‼
そもそも、同乗予定者自体「車が無いから無理」ということで、丁稚とセットになった訳ですが『車と免許があり、運転ができる』という最低ラインをクリアしている丁稚が「できません!」を発動したことで、他の参加者も「正直、無理っ!」「本当はキツい!」という声が次々に上がることになりました。
というか、そもそもみんななんとなく「キツいよね…」と思ってはいたのだが、集団内で唯一のシングルマザー、こと、丁稚が頑張りすぎていた為、なんとなく「ウチは無理」を発動し難かった、という一面もあった様で…
自分の頑張りが他所様にまで頑張りを強要していたことを自覚した丁稚はめっちゃ反省したのでした。
結果的に主催者がみんなの声を掬い上げる形で運用変更が成され、みんなが無理なく参加できる形式に生まれ変わることとなったのですが、その過程でそれぞれの事情が可視化され、「なんだ!そうだったのね!」が大量発生し、結果的に「見えていない部分」がかなりあったなぁ、という反省と「傷の浅いうちに見えてよかった」という安堵感がありました。
そしてまた、丁稚のように「無理だったけど、とにかく頑張るしか無いと思っていた」ひとや「無理だから、子どもに諦めさせるしか無いと夜ひとりで泣いた」という声も出てきて…。
楽しいはずのイベントの裏で、みんな色々悩んで苦しんでいたのか…とちょっと苦い気持ちにもなりました。

親として、子どもに楽しい体験をたくさんさせてあげたい。
でも、それぞれの家庭にそれぞれ「不可能」から「可能」までのグラデーションがある。
そのグラデーションの「無理すれば」から「不可能」の部分が今までどれだけ透明化されてきたのか、その透明化によって傷ついた子どもがどれだけいたのかを実感することになりました。
もちろん、安全面や物理的な意味でどうしても避け難い「不可能」が出てきてしまうのは、しょうがないときもあります。
ただ、それぞれのグラデーションにちょっと目を向けてみると意外に解決できることも多いのではないのでしょうか?
今回、丁稚が「不可能」を解消できたのは、関わる大人たちが全員「子どもたちのために!」という一念を諦めなかったからだと思います。
「どうすれば安全な全員参加が実現できるか」という部分をスタートにして、様々なグラデーションに光を当てながら方法を探ったことで、全員参加を可能にしただけでなく、「前例」を作ることもできました。
もちろん、関わった保護者たちが全員「不可能」や「無理」を抱えていたわけではありません。たぶん、大半のご家庭は「可能」寄りであったように思えます。
それでも、「不可能」や「無理」を抱えた家庭(特に子ども)のために、みんなで話し合い、様々な調整を行うことで解決することができました。
今回、自分自身が「無理」の声を上げてみたこと、そして、周辺の「無理」や「不可能」をひとつひとつ拾いながら関係者全員で検討していき、解決策を見いだせたことは非常にポジティブな経験となりました。

同時に、これまで透明化されてきた「不可能」から「無理」までのグラデーションについて、色々思いを馳せてしまいます。

我々「たべるば」は子ども食堂であり、居場所支援なども行っている団体ですのでこの「不可能」から「無理」のグラデーションに属せざるを得なかった経験を多く持つ子どもたちと接する機会は多くあります。そのような場合、「たべるば」は「たべるばとして出来ることを最大限やる」ことしかできません。しかし、もし、たべるばだけでなく他の+αがあったらどうでしょうか。「不可能」や「無理」の解決はよりパワーアップしていく可能性が大いにあるように思えます。一つ一つの「不可能」や「無理」を解消できるのは、他者との繋がりなしにはありえません。ニューロンとシナプスのように、ちょっと出した手をちょっと繋いで、その繰り返しこそが「不可能」や「無理」の解決に辿り着く唯一の道であり、その繋がりこそがセーフティーネットになり得るのではないでしょうか?

あと一ヶ月で今年も終わり。
2025年は繋がって繋がって、繋がる一年になるといいな、と思っています。
ちょっと早いけど、来年もその先も、たべるばをどうぞよろしくお願いいたします。

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たべるばNOTE by 丁稚のハニー
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