第27回千葉県理学療法士学会に参加した感想
令和4年3月6日に第27回千葉県理学療法士学会のオンライン学会に参加してきました!
千葉県の県士会は今回が初参加です。他県の学会や専門分野の学会は何度か参加して、その度に日々の臨床を見直すきっかけを得ています。
しかし、参加するだけで得た知識をいつの間にか忘れていることも多く、もったいないなあと度々感じていました…
そこで、今回から自分の備忘録として思ったこと、感想をつらつらと話していこうかと思います。
演題発表
1063 看護職との介護技術に関する情報共有による
入院患者の活動様式の変化
【感想】
介助方法を病棟に伝えても実際に行われていなかったりすることは多いですよね。書面で残して情報共有を図れると良いのかなと考えさせられました。(書類を作る時間を業務時間内に作れれば尚いいかな)
1099 脳卒中片麻痺患者の歩行安定性に対するBWSTTの効果~シングルケースデザインBAB法による検討~
【感想】
BWSTT(Body Weight Supported Treadmill Training)の特性としては運動を単純化することで下肢への荷重量軽減し、ハーネスによる転倒リスク軽減による恐怖感軽減を図ることができる。よって平地歩行と比較して高いパフォーマンス下での反復練習が可能となる。トレッドミルは一定速度、つまり一定の刺激の反復練習が可能となる。一定速度で対称的なステップを強制させることで効率のいい歩行の学習が可能となる。
1061 大腿骨近位部骨折術後1日目の患側荷重率と退院時歩行能力の関連性の検討
【感想】
術後3日間の状態から2週間後の歩行能力の関連性を検討する論文(理学療法学48-5 (jst.go.jp))はありましたが、今回は術後1日目か。急性期は在院日数を短縮していきたいというのもあり早期から歩行能力を予後予測できるのは非常にいいと思いました。確かに術後翌日に患側に痛みなく荷重できる方は退院時の歩行能力も高いですし、何より回復までの期間が短いとは思っていました。最大荷重率を評価するのは大事なんですね。
1085 左被殻出血を呈した運動麻痺に対し、予後予測に基づいて介入した症例
【感想】
脳 卒 中 リハ ビ リテー シ ョン患者 の早 期 自立 度 予 測ja (jst.go.jp)を改めて読まなくてはいけないですね。道免さんの報告(_pdf (jst.go.jp))では将来的なFIMを予測する方法があるとは知らなかったです。脳卒中患者さんを多く担当していないので勉強して予後予測に使っていきたいと思いました。
1062 嚥下障害を有する肺炎患者に対する顎引き抵抗運動の検討
【感想】
最近仕事しててSTさんは偉大だなと感じます。PTはどうしても座位!立位!歩行!と運動機能に目が行きがちですが、極論歩けなくても栄養が取れなければ生きられない。獲得すべきADLはまずは「食事」なのかなと思います。STさんと協力して介入できれば適切な栄養確保をすることで結果PTの目標である運動機能にも影響があるはずです。ベッドサイドでも顎引き抵抗運動等を利用して嚥下機能の維持に少しでも関わることができると感じました。
1001 母趾位置覚障害を認める脊髄腫瘍手術例では歩行機能の回復が遅延する
【感想】
脊髄腫瘍の方は担当したことはないですが、母趾位置覚を評価することで、その他の疾患でも歩行能力の予後予測の一指標になるんじゃないかなと思いました。
シンポジウム
COVID-19診療の工夫
【感想】
私の職場では幸いクラスターと言われる程の事態にはなっていないですが、もしクラスター発生したらと思うと恐ろしいですね。セラピストの人数が多いところであれば感染病棟専属等の対応が出来るとは思うのですが、人数が少ない職場では人員を割けないのが現実ですよね。感染病棟のリハを経験して、PPE下ではリハの内容も制限されるし介助量多ければ余計な接触をしないように2人介助が望ましいし、平行棒や歩行器もないから積極的な訓練は出来ないし。何より感染病棟にいる患者さんのメンタルが日に日に落ちていく様子が見てわかるのでそれもつらい。他の病院ではどのように対応、診療しているのかを知ることが出来て良かったかなと思いました。
千葉県の県士会は初参加でしたが、今回も得られるものはたくさんありました。学会全体を通して予後予測についての内容が多かったかなと思います。リハビリの対象者が単一の疾患だけでなく、様々な疾患を合併した方が増えている現状では予後予測が難しくなっており、入院の長期化、医療費の増大に繋がっているのでしょうか?
来年は対面参加となるのでしょうか。正直オンライン学会の方がゆっくり見れて勉強になるのでその方がありがたいです…