How to use 皮肉 〜何故人は自滅の危険を冒しても皮肉を言いたがるのかの皮肉論〜

皮肉の定義
皮肉は論戦や揉め事の決定打とはなりづらいどころか自滅の要因にすらなりうる。
今回の場合は、「遠回しな表現でもって相手に嫌味を言うこと」を指す。
あえて露骨にわざとらしい大袈裟な態度で無知を装って教えを乞うフリをしたり、感謝を述べたり、称賛をするなどして、率直な批判や嫌味よりも表現効果を高める狙いで放たれる高度な表現である。

皮肉のリスク
論戦や口論において皮肉を放つ事で敵対者に決定的打撃を与え致命傷を負わせる事はほぼ有り得ない。せいぜい挑発し隙を誘うくらいのものであり、いわば敵の眼前で寝転んで見せたり、武器を手放したりする様な自滅の危険のある行為であり、皮肉を用いる絶対的必要性はほぼ皆無と言って良い。
皮肉は額面通りに受け取られると皮肉を言った側が窮地に追い込まれる危険性がある。
皮肉を言う事で周囲から態度の悪さを批判され、裁判での評価にも繋がる場合もある。
皮肉を言わずに済み、言うべきではないなら控えるのが賢明である。

皮肉のメリット
皮肉は自他を楽しませる効果がある

皮肉はエンタメ性があり、周囲の人々どころか皮肉を放つ本人自身や対立者も含め昂った感情を鎮め、緩やかな笑いに落ち着かせ、楽しさを生む効果を生む場合がある。法的及び論理的観点以外での印象での優劣を決めれる可能性がある。
議論に人々が退屈しだした際に的確に放てば、興味を自らに惹きつける事が出来る。
ここから正当性を主張し広める足掛かりが出来る場合がある。
ただし、場合によっては逆効果で、周囲や対立者の感情を逆撫で不要に攻撃を招く危険もある(それが狙いならともかく

皮肉の使い方
皮肉はその表現にいかに力を込めて味わいを出すかも重要であるが、その表現が周囲や相手にどう受け取られ、どう評価されるかまで予想した上で用いなければならない。
皮肉であると通じずに説明し直さなければならぬ状況や、放った皮肉を逆手に取られるのは避けなければならない。
逆に言えば、皮肉を放たれた側になった際は、あえて皮肉の粗を突いたり、皮肉の意味合いを相手に不利で自らが有利になるように解釈し打ち出せば良い事になる。
単に皮肉を言う魅力と快感に溺れて依存するならば破滅に至る。
自制なき皮肉は自滅の道である。
皮肉は論戦や口論や話し合いの手段であり目的ではない。

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