【読書感想】もし明日が来ないとしたら、私はなにを後悔するだろう?
このページを訪問してくださり、ありがとうございます。
この本の著者は、浄土真宗の住職である浦上哲也さんです。
浦上さんは、宗派を越えた仏教死生観研究会という団体の代表でもあり、「死の体験旅行」というワークショップを主宰されています。
このワークショップは、現在自分が大切だと思っているヒト(人物)、モノ(所有物)、コト(思い出)、ユメ(行為、目標)をそれぞれ5枚ずつ、20枚のカードに書き出したうえで、自分が死の病を宣告されたことを想定し、これらのカードを、最後の1枚になるまで徐々に手放していくというものだそうです。
自らが命を終えていくまでのプロセスを擬似体験し、どのような喪失感を味わうことになるのか、そして、悲しみ、苦しみを感じることになるのかを体感することにより、自分自身の本当の想いと向き合う、というものです。
この本では、死の体験旅行の参加者のエピソードが複数紹介されているのですが、その中でも特に印象に残ったのは、以下の、若い女性のエピソードでした。
これに対し、浦上さんは、仏教的な観点から、以下のように応答します。
「死」を見つめることにより、今この瞬間の「生」が変わる、ということが実感されます。
ところで、浦上さんは、自らの死生観につき、以下のようにも告白されています。
私自身、これまで、本当の死の恐怖を経験したことがないので、どうしても、
「間違いなく、明日を迎えることはできるだろう。」
と、どこかで思ってしまう自分がいることに気付きます。
とは言いつつ、この本を読み、あらためて、
「自分のできる限りにおいては、『死』を意識することにより、今、この瞬間の『生』をできるだけ充実させたい」
と思った次第です。
とても読みやすい本であり、皆さんにとっても何かの参考になるかもしれないと思いましたので、ご紹介させていただきます。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。