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【冷房】ワークアウトの成功率と室温【扇風機】
最近、Carsonのような完走しやすいトレーニングが完走できずに悩んでいました。
冷房をつけたら、あら不思議、わりと楽に完走できました というお話。
Carsonとは
FTPの向上にはSSTトレーニングが有効だと言われています。
SSTはFTPの88%から94%の強度で行うトレーニングで、ZWIFTだとSST shortというトレーニングメニューが有名です。
SSTは比較的強度が低く疲れが残らないので効率的にトレーニングができます。
私はPWR3.5倍まではSSTをメインに練習していましたし、PRW5倍まではSSTでよいと書かれている本もあります。
ただSST shortは結構厳しいトレーニングで、88%を5分、94%を5分、88%を5分、94%を5分の20分で1セット、これを2本行うトレーニングです。
現在の私はこの20分が耐えられないので、より難易度の低いCarsonというメニューを使っています。
Carsonは同じくSSTのトレーニングで5分、6分、7分で1セットですが、それぞれの間に2分のレストがあります。この2分のレストで脚が回復するので、SST shortに比べて完走率が高いです。
私の中で完走しやすいSSTトレーニング、それがCarsonです。
冷房の力(18℃設定)
完走しやすいはずのCarsonですが、最近は完走できずに困っていました。
疲れているからかと思い、レストをとってみましたが、完走できません。
ある日、冷房を18℃の設定でonしてみたら、Carsonが完走できました。
これは再現性があり、この1か月でCarsonを6回行っていますが、そのうち3回成功しており、その3回は冷房を使っていました。逆に失敗した3回では冷房を使っていませんでした。
冬なので扇風機だけにしていましたが、それだけでは足りずにエアコンで身体を冷やす必要があったようです。
成功したワークアウトと失敗したワークアウトのデータを比較すると、心拍数が違うことが分かります。
失敗したワークアウトでは最大心拍数が180bpmを超えており、成功しているワークアウトでは180bpm以下です。
特に1セット目の最後の7分のセクションの平均心拍数が、成功している場合は160~168bpmであるのに対して、失敗している場合は174~178bpmまで上がっています。
これは、冷房がない場合は、室内の温度(≒体温)が高いために心拍数が上がっているものと思われます。
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持続できるパワーおよび時間と室温との関係について
人間の脳は深部体温が40℃になると運動を停止するように指令を出すそうです。
室温が高いと体温が上がりやすいため、一定時間出し続けられるパワーが下がります。
また、室温が高いと、同じ強度でも心拍数が高く、主観的運動強度も高くなります。
下の記事はマラソンのデータですが、気温6.24℃がタイムを出すのにはベストで、10℃高い16.24℃ではスピードが3.91%下がるとのことです。
16.24℃と21.24℃の比較では4.8%ほど違います。単純に1時間程度の自転車のトレーニングと比較できないかもしれませんが、250Wの出力の場合、12Wくらい出せるパワーが低くなる計算になります。
同様に16.24℃と26.24℃では11.5%、29Wくらい低くなります。
また、別の実験では、室温40 ℃ もしくは18 ℃ でVO2maxの60%で運動したところ、40℃では、50 分の運動後に疲労困憊時になり、深部体温が40.0 ℃に達したのに対して、18℃では、深部体温は約 38.0℃ で安定し、被験者を疲労させることなく 1 時間運動が継続できた、とのことです。
日本語だとこれが分かりやすかったです。
暑熱環境下におけるスポーツでの暑さ対策
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jssfjpfs/16/0/16_3/_pdf
まとめ
室温が上がると体温が上がりやすく、心拍数が増加し、主観的運動強度が上がります。また持続できるパワーが下がります。
インドアトレーニングでの対策
冷房を使い、室温を低くに保つ
扇風機を使い、体感温度を3〜5℃下げる
冷たいドリンクで体内温度を下げる
プレクーリング(運動前にアイススラリーを飲む、冷たいシャワーを浴びる)
以上、冬でも冷房を使わないとオーバーヒートしてワークアウトが完走できないよ、という話でした。
暑さと熱については、こちらの本にも書かれています。
マラソンを軸にした本ですが、ヒルクライムにも通ずる面白い本です。