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【富士ヒル】ゴールド/シルバー/ブロンズで必要なパワー【PWR】
さて、本日2/14(金)は富士ヒルのエントリーの日です。
今年からは、過去2回のタイムによってスタート時間の割り振りが行われるようなので、第3スタートが一瞬で埋まるというようなことはないと思いますが、エントリー峠を越えられるように頑張りましょう。
今日は、富士ヒルのブロンズ、シルバー、ゴールドで必要なPWRと、ZWIFTのAlpe du ZWIFTとヤビツ峠での目安のタイムについてまとめてみました。
また参考データとして私の2021~2024の富士ヒルのデータを最後にまとめています。
必要なPWRについて
富士ヒルのブロンズ/シルバー/ゴールドに必要なFTPのPWRは下記の通りと言われています。
PWRはPower Weight Ratioの略で、FTPを体重で割ったものです。FTP180W、体重60kgの場合、PWRは3倍となります。
・ブロンズ: 3.3倍
・シルバー: 4.3倍
・ゴールド: 5倍
これは我々が通常練習している標高の低い場所でのPWRです。
富士山は標高が高いため、出せるパワーが10%程度低くなるそうです。
そのため、実際の富士ヒルのレースで必要になるPWRは下のとおりです。
・ブロンズ: 2.97倍
・シルバー: 3.87倍
・ゴールド: 4.5倍
ちなみに私はレースでのPWR4.0倍(225W)で72分でした。
友人はたちのレースでのPWRと結果は下の通りでした。
・4.5倍(254W)---ギリギリゴールド
・4.3倍(230W)---ゴールドに数秒足りずにシルバー
・4.2倍(201W) ---ゴールドから数分遅れでシルバー
集団での立ち回り(トレインを引くか引かないか)、脚質、フォーム、天候などにより変わってくるとは思いますが、参考にしてください。
Alpe du Zwiftでのタイム
Zwiftでトレーニングをしている方であればご存じだと思いますが、ZwiftのWatopia内のRoad to SkyというコースにAlpe du Zwiftというセグメントがあります。
Alpe du Zwiftは距離12.22km、獲得標高1036m、平均勾配8.5%のセグメントです。
Alpe du Zwiftは特別なセグメントで、セグメントが始まると画面の左側に専用の画面が表示されます。
コースは21のセクターに分かれており、それぞれのセクターのタイム、平均パワー、平均心拍数がその画面に表示されます。
1セクターはだいたい2分から4分くらいの短さなので、セクターごとに集中して走れます。
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自己ベストのタイムが2:15で、これまでの経過時間が2:45
Alpe du Zwiftののタイムの1.5倍が富士ヒルのタイムといわれています。
なので、ブロンズ、シルバー、ゴールドの目安となるAlpe du Zwiftのタイムは下のとおりです。
・ブロンズ: 60分
・シルバー: 50分
・ゴールド: 43分
ヤビツ峠のタイム
ヤビツ峠は神奈川県にある有名な峠です。
STRAVAにセグメントがあり、国道246と国道70がぶつかる名古木の交差点から、ヤビツ峠の頂上にある看板までの11.51km、平均勾配5.5%です。名古木の交差点にはセブンイレブンがあるため、ここで休憩をしてスタートすることが多いです。
セグメントの名前は"R246-Yabitsu TT"です。
このセグメントはSTRAVAで通常表示されていない場合があります。走ったけど表示されていない場合は、PCからSTRAVAを開いて、セグメントの項目の一番下の"他xx件を表示する"というボタンを押すと表示されいます。
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このセグメントとは別に"ヤビツ峠コンビニスタート"というセグメントがあります。紛らわしいのですが、これは上記のセブンイレブンとは別にコースの中にコンビニがあり、そこからのセグメントになります(さらに紛らわしいのはこのコンビニは今はありません)
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長くなりましたが、ヤビツ峠のタイムの2倍が富士ヒルのタイムといわれています。
なので、ブロンズ、シルバー、ゴールドの目安となるヤビツ峠のタイムは下のとおりです。
・ブロンズ: 45分
・シルバー: 37.5分
・ゴールド: 32.5分
脳内サイクリング+高地補正 +レース時間補正+ドラフティングでの計算
ここから先は自分なりに調べて計算したものです。
素人が思いつくままに計算したものなので、必ずしも正しくありません。
ご了承ください。
脳内サイクリング
脳内サイクリングというサイトでは、パワーと総重量(体重+ウエア+自転車+その他)を入力すると想定タイムを計算してくれます。
これをもとに計算してみます。
高地補正
富士ヒルでは標高が高いため、出せるパワーが平地よりも10%低下します。
レース時間補正
走行時間が2倍になると、出せるパワーが約5%低下します。
ブロンズ、シルバー、ゴールドのタイムはいずれも60分より長いので、FTPよりも低いパワーで走る必要があります。
・1時間5分の場合 -0.4%
・1時間15分の場合 -1.25%
・1時間30分の場合 -2.5%
ドラフティング
逆に富士ヒルではトレインで走ることが多くなります。特にブロンズ、シルバー、ゴールドなどタイムを目標にする場合はトレインに乗ることは必須といってもいいかもしれません。
ドラフティングの効果については、いい資料が見つからなかったので、一次情報の不明なネットの情報をもとに私がザクッと計算したものですが、下の数字くらいのパワーが削減できそうです。
・ブロンズ: -5%
・シルバー: -6%
・ゴールド: -7%
※それぞれのペースでの空気抵抗の影響度を25%、30%、35%、削減できる空気抵抗を20%と仮定。ゴールドペースの場合35%x20%で7%削減。
計算結果 レース本番で必要なPWRと平地でのPWR
総重量70kgの場合
体重60kg + ウエア、シューズ、ヘルメット、ボトルなど2kg +自転車 8kg
脳内サイクリングで計算される本番で必要なパワーとPWRは下のとおりです。
・ブロンズ(1時間29分27秒): 185W / PWR3.08
・シルバー(1時間14分25秒): 230W / PWR3.83
・ゴールド(1時間4分25秒): 275W / PWR4.58
これにドラフティングの効果を反映させると、本番で必要なパワーとPWRは下のようになります。
・ブロンズ(1時間29分27秒): 176W / PWR2.93
・シルバー(1時間14分25秒): 216W / PWR3.60
・ゴールド(1時間4分25秒): 256W / PWR4.26
これに高地補正とレース時間補正を反映すると、平地で必要なFTPとRPWは下のように計算されます。
・ブロンズ(1時間29分27秒): 201W / PWR3.34
・シルバー(1時間14分25秒): 243W / PWR4.06
・ゴールド(1時間4分25秒): 286W / PWR4.78
総重量65kgの場合
体重55kg + ウエア、シューズ、ヘルメット、ボトルなど2kg +自転車 8kg
脳内サイクリングで計算される本番で必要なパワーとPWRは下のとおりです。
・ブロンズ(1時間29分27秒): 172W / PWR3.13
・シルバー(1時間14分31秒): 215W / PWR3.91
・ゴールド(1時間5分01秒): 255W / PWR4.64
これにドラフティングの効果を反映させると、本番で必要なパワーとPWRは下のようになります。
・ブロンズ(1時間29分27秒): 163W / PWR2.97
・シルバー(1時間14分31秒): 202W / PWR3.67
・ゴールド(1時間5分01秒): 237W / PWR4.31
これに高地補正とレース時間補正を反映すると、平地で必要なFTPとRPWは下のように計算されます。
・ブロンズ(1時間29分27秒): 186W / PWR3.38
・シルバー(1時間14分25秒): 228W / PWR4.15
・ゴールド(1時間4分25秒): 265W / PWR4.82
世に言われている必要なPWRとだいたい一緒になりました。
ただドラフティングの効果については、怪しいです。。。
有識者の方がいらっしゃいましたら教えてください。
みなさんも脳内サイクリングに自分の数値を入れて遊んでみて下さい。
私の富士ヒルデータ
最後に私の富士ヒルのデータです。
身長168cm、体重60kg前後の標準体型なので参考にしてください。
私のレースの結果からみてもPWR4.2くらいでシルバーが取れそうです。
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2022年、2023年、2024年のガーミンのデータは下のとおりです。
2022年、2023年はパワーメーターがなかったので、パワーのデータはありません。
2024年はパワーメーターありです。
いずれも計測スタートからゴールまでのデータです。
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過去の経験から、富士ヒルでタイムを出すには、自分の目標タイムに近いトレインに乗ることが重要です。空気抵抗の削減の効果もありますが、心理的な効果が高いです。
ブロンズをめざしている人は、おそらく今年もブロンズのペーサーがいますので、ペーサーについていきましょう。
ゴールド、シルバーをめざす人はおそらくスタート順が一緒なのでまとまっていると思いますが、余裕があれば周りの人に声をかけてみましょう。この先1時間一緒に走る仲間になるかもしれません。
上手く脚の合うトレインに乗れたら、「このトレインから落ちたらサメに食べられて終わり」と思ってしがみついて下さい。
トレインからちぎれそうになったら、あと1分だけ粘ってください。もしかしたらトレインのペースが落ちるかもしれないし、勾配が緩むかもしれません。
富士ヒルまで3カ月半、トレーニング頑張りましょう!