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JAVA APサーバで構築する堅牢なWebシステム基盤:構成と主要コンポーネントを解説する③。APサーバについて。
3. JAVAアプリケーションサーバ(APサーバ)とは
3-1.APサーバの定義と主な機能
Webアプリケーションの実行環境
APサーバは、Javaなどのプログラミング言語で開発されたWebアプリケーションを実行するための環境を提供します。APサーバは、Webアプリケーションのライフサイクル管理、リソース管理、セキュリティ管理などを行います。
複数リクエストの処理
APサーバは、複数のクライアントからのリクエストを同時に処理することができます。APサーバは、スレッドプールなどの技術を用いて、効率的にリクエストを処理します。
データベース接続管理
APサーバは、DBサーバとの接続を管理する機能を提供します。APサーバは、接続プールなどの技術を用いて、DBサーバへの接続を効率的に管理します。
トランザクション管理
APサーバは、トランザクション管理機能を提供します。トランザクションとは、複数の処理をまとめて一つの処理単位として扱うことです。APサーバは、トランザクションの開始、コミット、ロールバックなどを管理し、データの整合性を保証します。
セキュリティ機能
APサーバは、セキュリティ機能を提供します。APサーバは、認証、認可、暗号化などの機能を提供し、Webアプリケーションを保護します。
ビジネスロジック処理
APサーバは、Webアプリケーションのビジネスロジックを実行します。ビジネスロジックとは、Webアプリケーションの主要な処理(例えば、顧客情報の登録や商品の検索など)のことです。
3-2.JAVA APサーバの代表的な製品
JAVA APサーバとして代表的な製品には、Tomcat, JBoss, WebLogic, WebSphereなどがあります。
Tomcat: オープンソースのWebコンテナであり、軽量で使いやすい特徴があります。
JBoss: オープンソースのAPサーバであり、豊富な機能を備えています。
WebLogic: 商用のAPサーバであり、高い信頼性と安定性を提供します。
WebSphere: 商用のAPサーバであり、大規模システム向けの高度な機能を提供します。
3-3.APサーバ↔DBサーバの処理
APサーバは、DBサーバと連携してデータの取得や更新を行います。具体的な処理の流れは以下の通りです。
APサーバは、Webサーバから転送されたリクエストを解析し、必要なデータをDBサーバに問い合わせるSQL文を生成する。
APサーバは、DBサーバにSQL文を送信し、データの取得や更新を要求する。
DBサーバは、APサーバからの要求に応じてデータを処理し、結果をAPサーバに返す。
APサーバは、DBサーバから受け取ったデータを加工し、Webコンテンツを生成する。
APサーバは、生成したWebコンテンツをWebサーバに返す。
APサーバとDBサーバは、密接に連携することで、動的なWebコンテンツを生成し、クライアントに提供します。
上記で、JAVAアプリケーションサーバ(APサーバ)の定義と主な機能、APサーバ↔DBサーバの処理について解説しました。
『JAVAアプリケーションサーバとは、
もうちょっと詳細』
JAVAアプリケーションサーバのアーキテクチャ
JAVAアプリケーションサーバは、一般的に以下のコンポーネントで構成されます。
Webコンテナ: ServletやJSPなどのWebコンポーネントを実行するための環境を提供します。
EJBコンテナ: Enterprise JavaBeans (EJB) を実行するための環境を提供します。EJBは、ビジネスロジックをカプセル化した再利用可能なコンポーネントです。
JNDI (Java Naming and Directory Interface): アプリケーションがリソースや他のコンポーネントにアクセスするためのネーミングサービスを提供します。
JMS (Java Message Service): アプリケーション間でメッセージを非同期に送受信するためのメッセージングサービスを提供します。
トランザクションマネージャ: トランザクションを管理し、データの整合性を保証します。
セキュリティマネージャ: アプリケーションのセキュリティを管理します。
重要な設定項目(以下Tomcatの例)
Tomcatは、Java ServletやJavaServer Pages (JSP) を実行するためのWebコンテナであり、Javaアプリケーションサーバとして広く利用されています。 Tomcatのパフォーマンスを最適化し、安定稼働させるためには、様々な設定項目を適切に設定する必要があります。 ここでは、Tomcatの重要な設定項目、特にセッション、スレッド、接続プールに関連する項目について解説します。
セッション管理
セッション管理は、Webアプリケーションにおいて、ユーザの状態を保持するための重要な機能です。 Tomcatでは、以下の設定項目でセッション管理を制御できます。
session-timeout: セッションのタイムアウト時間を分で指定します。
session-manager: セッション管理のクラスを指定します。
cookie-config: セッションIDを格納するCookieの設定を行います。
name: Cookieの名前を指定します。デフォルトは JSESSIONID です。
domain: Cookieのドメインを指定します。
path: Cookieのパスを指定します。
secure: HTTPS接続でのみCookieを送信するかどうかを指定します。
httpOnly: JavaScriptからCookieにアクセスできないようにするかどうかを指定します。
セッション管理の設定は、conf/context.xml ファイルまたはWebアプリケーションの WEB-INF/web.xml ファイルで行います。
スレッドプール
Tomcatは、リクエストを処理するためにスレッドプールを使用します。 スレッドプールの設定は、conf/server.xml ファイルで行います。
maxThreads: スレッドプールの最大スレッド数を指定します。
minSpareThreads: アイドル状態を維持する最小スレッド数を指定します。
maxQueueSize: リクエストをキューに格納できる最大数を指定します。
acceptCount: キューがいっぱいの場合に、新しい接続を拒否するまでの待機接続数を指定します。
これらのパラメータを調整することで、Tomcatのスループットとレスポンスタイムを最適化できます。
接続プール
接続プールは、データベースへの接続を効率的に管理するための仕組みです。 Tomcatでは、conf/context.xml ファイルで接続プールを設定できます。
driverClassName: JDBCドライバのクラス名を指定します。
url: データベースのJDBC URLを指定します。
username: データベースに接続するためのユーザ名を指定します。
password: データベースに接続するためのパスワードを指定します。
maxActive: プール内の最大接続数を指定します。
maxIdle: アイドル状態を維持する最大接続数を指定します。
minIdle: アイドル状態を維持する最小接続数を指定します。
initialSize: プール起動時に作成する初期接続数を指定します。
testOnBorrow: 接続をプールから取得する際に、接続の有効性を検証するかどうかを指定します。
validationQuery: 接続の有効性を検証するためのSQLクエリを指定します。
validationInterval: 接続の有効性検証を行う間隔をミリ秒で指定します。
接続プールの設定を最適化することで、データベースへのアクセス効率を向上させ、アプリケーションのパフォーマンスを改善できます。
まとめ
Tomcatの設定項目は多岐に渡りますが、セッション、スレッド、接続プールは特に重要な項目です。 これらの設定を適切に行うことで、Tomcatのパフォーマンスと安定稼働を向上させることができます。