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JAVA APサーバで構築する堅牢なWebシステム基盤:構成と主要コンポーネントを解説する⑥。システム構成のポイント。


6.システム構成のポイント

Webシステムを構築する上で、考慮すべき重要なポイントがいくつかあります。ここでは、スケーラビリティ、可用性、セキュリティという3つの重要な要素について解説します。

6-1. スケーラビリティ

スケーラビリティとは、システムに負荷が増加した場合でも、システム全体のパフォーマンスを維持できるように、システムを拡張する能力のことです。Webシステムでは、アクセス数の増加やデータ量の増加に対応するために、スケーラビリティを確保することが重要です。

APサーバの冗長化

APサーバは、Webアプリケーションの実行環境を提供する重要なコンポーネントです。APサーバがダウンした場合、Webシステム全体が停止してしまいます。そのため、APサーバを冗長化し、可用性を高めることが重要です。具体的には、複数のAPサーバを配置し、それぞれのAPサーバに同じWebアプリケーションをデプロイします。

ロードバランシング

複数のAPサーバを配置した場合、それぞれのAPサーバに均等に負荷を分散する必要があります。この役割を担うのがロードバランサです。ロードバランサは、クライアントからのリクエストを複数のAPサーバに分散し、特定のAPサーバに負荷が集中するのを防ぎます。

6-2. 可用性

可用性とは、システムが正常に稼働し続ける能力のことです。Webシステムでは、24時間365日、システムが停止することなく稼働することが求められます。

APサーバのクラスタリング

APサーバのクラスタリングとは、複数のAPサーバを連携させて、1つのAPサーバとして機能させることです。APサーバがクラスタ化されることで、1つのAPサーバがダウンした場合でも、他のAPサーバが処理を引き継ぎ、システム全体の停止を防ぐことができます。

DBサーバの冗長構成

DBサーバは、Webアプリケーションで利用するデータを格納・管理する重要なコンポーネントです。DBサーバがダウンした場合、Webシステム全体が停止してしまいます。そのため、DBサーバを冗長化し、可用性を高めることが重要です。具体的には、複数のDBサーバを配置し、それぞれのDBサーバに同じデータを格納します。

6-3. セキュリティ

Webシステムは、様々な脅威にさらされています。そのため、Webシステムを構築する際には、セキュリティ対策を講じることが非常に重要です。

Webサーバでの防御

Webサーバは、クライアントからのリクエストを最初に受け付けるコンポーネントであるため、セキュリティ対策の最前線となります。Webサーバでは、不正なアクセスを検知・遮断するWAF(Web Application Firewall)や、SSL/TLS暗号化などの対策を講じることが重要です。

APサーバでの認証・認可

APサーバでは、Webアプリケーションの認証・認可処理を行います。認証とは、ユーザーが正当なユーザーであるかどうかを確認する処理であり、認可とは、ユーザーが特定の機能を利用する権限があるかどうかを確認する処理です。APサーバでは、これらの処理を適切に行い、不正なアクセスを防止する必要があります。

DBサーバへのアクセス制限

DBサーバには、Webアプリケーションで利用する重要なデータが格納されています。そのため、DBサーバへのアクセスを制限し、不正なアクセスを防止することが重要です。具体的には、アクセス権限の設定や、ファイアウォールによるアクセス制限などを行います。

上記で、スケーラビリティ、可用性、セキュリティという3つの要素について解説しました。 Webシステムを構築する際には、これらの要素をバランス良く考慮し、安全で安定的なシステムを構築することが重要です。

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