大学進学率をこれ以上あげると何が起こるか~不適応な高校生の増加~
2023年現在、大学進学率は57.7%。
大学生の数自体は微増だけれども、この先は少子化の影響で、
進学率が上昇すると予想されます。正直、不可避です。
高校卒業した段階であるため、進学率が80%台、90%台に
なるとは考えられません。
専門学校へ進学したり、就職する生徒も一定数います。
ただ、大学側があまりにも入学定員を減らさないせいで、
70%台前半はあり得えます。10年後の話ですが。
このレベルまで、大学進学率が上がると、
もはや大学に行くことが義務に近くなるのです。
義務教育ではないものの、大学に進学しないと人生が不利になる。
負のモチベーションが働くのです。
まるで、70年代中盤~80年代中盤の中学校を見ている感じです。
中学校が荒れ始めたのは、1975年頃と言われています。
この頃、高度経済成長は終わり、高校進学率は90%を超えました。
もはや、誰でも頑張れば(物質的に)豊かになれる時代が終わり、
落ちぶれないための、ネガティブな受験競争が始まりました。
そして運悪く、学力偏差値という考え方が広まったため
成績至上主義となり、勉強苦手・勉強嫌いの生徒を中心に荒れ始めました。
校内暴力、いじめの時代です。
上記のように、学校生活に不適応な高校生が増えるのです。
特に偏差値50未満の普通科高校で。
中には、荒れる生徒も出てくるでしょう。
流石に高校生ということもあって、
70・80年代のような校内暴力は無いと思いますが。
最近だと、不登校になる生徒が多いのでしょうか。
不良行為であれ、不登校であれ、
学ぶことや将来の目標を立てることからの逃避が加速すると考えられます。
高校進学率・大学進学率の上昇は、負の効果をもたらす側面もあります。
進学する人が増えて素晴らしい、というだけでは頭がお花畑です。
そこまで素晴らしいのなら、高校も大学も義務教育にすれば良いのです。
進学しない、出来ない、いわばマイノリティの立場を考えるべきです。
若者を採用する企業側も、営業職・事務職といった大学での学びと関係ない職種なら、大卒限定の採用を辞めましょう。
採用条件:大卒に拘る必要ありますか。今や、大卒と一括りに出来る時代ではありません。有名大卒とレベルの低い大卒では雲泥の差です。
大卒というだけで、選択肢が広がるというのはおかしな話です。
※もちろん、大学で専門分野を極めた人の選択肢は広がって当然です。
とりあえず、2024年度の大学進学率が60%を超えてないことを祈ります。
結果は、12月発行の「文部科学省 令和6年度学校基本調査」で判明します。
※2005年度生まれは、1学年の人口が少ないため(106万人 / 04年度は110万人)、超えそうですけど。