就職偏差値に毒された人たち~私が大学時代に見た闇~

ご存知の方もいるだろうが、日本社会には就職偏差値なる企業を学力偏差値のごとく、ランク付けした指標が存在する。せいぜい有名な1,000社しか記載されておらず、日本にある99.9%の企業は記載されません。

本来、企業、業界、職種に優劣は無い。ただ、残念なことに「職業に貴賤無し」という言葉は日本では建前でしかない。

私が通った大学は、東京一工・旧帝・早慶クラス。
このクラスの大学になると、有名な大企業、すなわち就職偏差値が高い企業へ就職する学生が多い。
もちろん、学生全員が偏差値の信仰者ではないが、一部の学生は偏差値漬けと化しているのも事実。

大学時代、私が見た偏差値に毒された高学歴者を紹介したい。
私が就職活動していた時期は、2014年~19年のどこかの年です。

①.3メガ損保じゃないと嫌

とある女子学生の一言。
同じゼミの女子で、彼女は損保業界のエリア総合職を第一志望にしていた。

ゼミ内で就活対策の話し合いをしていた時のこと。(私は仕方なく参加ww)
各々どの業界を志望しているか話していた。
会話の流れで彼女が「東京海上か、損保ジャパンか、三井住友海上(いわゆる3メガ損保)ではないとダメ。」と言った。

この業界は参入障壁が高いため、企業数は少ない。30社くらい。
企業ごとの格差は大きくないし、正直どの企業でも提供しているサービスは同じ。なのだが、やたらと3メガ損保に拘るのだ。共栄火災や日新火災はダメとのこと。

そういえば、彼女は東京海上のインターンに落ちた際も、この世の終わりのような顔をしていた。どれだけの労力を費やしたか分からない。ただ、いくら対策しても落ちることはあり得る。

本人の中では、○○大学卒なら、3メガのエリア総合職が最低ラインみたいな線引きを持っていたのでしょう。偏差値60未満の大学はNGみたいな。いつから、企業が学校になったんだ。彼女、本選考中も病んでたよ。

②.××銀行に落ち着いた

とある男子学生Aの一言。
彼とは2年時の少人数授業で同じグループで、名前と顔を知っているくらいの関係。

私が就職活動を終えた後、大学内のPCルームで作業していたら、
恐ろしい発言が聞こえてきた。
Aは友人と会話をしており、会話の流れで内定先の話に移った。
そしたら、Aは「××銀行に落ち着いた。本当は五大商社の▲社が第一志望で、メガバンクを抑えにしたけど、滑り止まらなかった。」と発言。

落ち着いたじゃないよ。内定先の××銀行に失礼だろ。たかだか文系学生のくせに、自分の力を過信しすぎ。就職活動は受験じゃない。

③.MARCH以下と一緒に働きたくない

とある男子学生Bの一言。
彼とは語学のクラス(1年・2年次)が同じ。

私は友人だと思っていなかったが、就職活動後に学内で話しかけられた。
Bから内定先を聞かれて、私は仕方なく回答した。Bも内定先を答えた後、衝撃の発言をブチかました。「俺の内定先◇社だけど、MARCH以下の内定者もいる。正直、MARCH以下と働きたくない。」

私は反応に困った。たしなめようと考えたが、面倒な奴と思われたくないから、発言を聞かなかったことにしてスルーした。

何がMARCH以下と働きたくないだ。私たちの世代(ゆとり世代)でも90%はMARCH以下の学歴だよ。たまたま受験勉強が出来たから高学歴になれただけ。というか、MARCH以下と働きたくないなら、頑張って努力して、外資系投資銀行とか外資系コンサルとか五大商社に就職しろよ。
大した実力も無いくせに、自分より学歴低い人を悪く言うな。

④.まとめ

私が見た人たちは、極端な就職観を持った学生かもしれない。
ただ、程度の大小は異なれ、就職活動を受験のような競争と捉えている学生は存在する。とりわけ、レベルが高い大学の学生ほど多いでしょう。

彼らのメンタリティーだけが原因では無い。
学力偏差値という物差しで、小中学生の頃から偏差値漬けに晒す日本の教育制度・受験制度が問題の根本。

1970年代中盤から日本を支配する学力偏差値というガンがここまで肥大化してしまった。

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