中途半端な日本の学歴社会〜高学歴よりも好学歴〜
結論を言うと、日本は学歴社会とは言えない。
文系だと就活や仕事で、大学で学んだ内容を求められない。
総合職として一括採用して、本人の適性や希望を配慮して(してないケースが多いが)、配属する。
基本的に入社後は、学歴は重要視されずに、実力主義で昇進する。学閥がある会社も減っている。
本当の学歴社会であれば、卒業した大学で、採用の選考プロセスや初任給が変わってくる。日本では有り得ないことだ。
入社後も、どこの大学で何を学んだかが重要になる。例えば、ハーバード大学経営学部卒は、幹部候補採用で、1年目から年収1,000万円。
アメリカやヨーロッパは、学歴であからさまな待遇差が存在する社会である。
対して、日本は学校歴社会(=どの大学の入試を合格したかを重視する社会)と言うのが適切か。
このような社会になったのは、
大学生を採用する企業(いわゆるJTC)が原因である。
学生の思考力や忍耐力を測る物差しとして、学校歴に重きを置いたから。
結果、良い大学→良い会社という価値観が根強く残っている。
そして、若い世代ほど学歴(=私が言う学校歴)を必要だと考えている傾向にある。
今の20代は大学進学率が50%を超えており、大卒自体には価値は無いため、どこの大学に入学できたかを上の世代よりも重要視するのだろう。
だから、学歴を気にしたり、他人の学歴を馬鹿にする若者が増えているようだ。(学歴厨と言うらしい。)
少し話が逸れたが、こうなった原因は、若者ではなく企業にある。正直、殆どの企業が各職種において必要な能力を把握しきれていないと思われる。
だから、JTCでは学校歴を重視せざる終えなかったり、
JTC以外でも大卒のみを対象に採用する現状が生まれている。
学生が今までの学びを活かせなかったり、
仕事で求められる以上の学歴を求められたり。
本来であれば、職種で求められる能力を定めたうえで、採用活動を行うのが望ましいのだが。
採用の方針は、長年の慣行で決まっているから、今さら大きな変革は無理でしょう。
こうして文章にすると、日本企業の学歴観に明確な基準は無いのかもしれない。
修士卒・博士卒のように学歴が高すぎても良く思われないし、かといって高卒お断り・学歴フィルター設けている。
学士卒(大卒)を大量生産して、大学進学率だけは高い奇妙な学歴観である。
強いて言えば、各企業にとって好ましい学歴や学校歴の学生を採用する好学歴を重視する社会とも言える。