バブル期の就職状況は現在と比べ物にならないほど良い〜①大企業の採用人数の実態〜

私の趣味の1つは、企業の採用人数を調査&分析。
ここ半年ほど毎週土曜日は、国会図書館で過去の就職四季報を閲覧して、各企業の大卒総合職の採用人数をPCに記録している。

最初は、就職氷河期の人数を調べていたが、
次第にバブル期やアベノミクス期(私の就職時期)も調べるようになった。
国会図書館には、四季報が91年卒から最新25年卒版まで保管されており、88年卒の人数まで遡って調べられる。
※四季報には、直近3年間の採用人数が掲載されている。

私の独断と偏見で、有名企業51社(下記図1)の過去36年分の総合職の採用人数を調べ上げた。
そこまで調査して分かったことは、バブル期(89年〜93年入社)の就職実績の良さ。
下記図2のとおり、過去36年で突出して採用人数が多い。

図1:有名企業51社一覧 筆者作成
図2:有名企業51社の採用人数と大卒就職率の推移(88年〜23年入社) 筆者作成

アベノミクス期と比べて、2倍もの大卒者が就職している。ここ10年は就職状況が良く、売り手市場とはいえ、バブル期には全く敵わない。
51社に限らず、大企業の採用人数が多く、大卒男子の上場企業就職率(図3参照)は高かった。
(こちらは、直近のデータが見つからず。)

図3:大卒男子の上場企業就職率の推移(74年〜95年入社)
難波功士「就活の社会史」祥伝社新書より引用

何回も言いますけど、93年卒・94年卒は氷河期世代ではない。
確かに、バブルピークの90年〜92年卒と比べると、この2年は就職実績がDOWNしている。
そのせいか、本当の氷河期世代である95年卒以降と一緒にされがち。

しかしながら、就職率や51社の採用人数を見ると93年卒は、ギリギリバブルの恩恵を受けている。バブル前の88年卒以前よりも数字が高い。
バブル世代の最後尾。

94年卒も、就職実績は80年代中盤(86年・87年卒)や好景気のリーマンショック前(07年〜09年卒)同じレベル。
バブルではないけど、バブル前の安定成長期と同じような状況。

51社を含めた合計305社の36年分の採用人数を調査・記録した。
下記業界の採用人数はバブル期(89年~93年入社)がピーク。
どれも、給料が高い、イメージが良い、参入障壁が低い業界。
具体的には、
総合商社、メガバン、生保、損保、ゼネコン、鉄鋼、石油元売、自動車、電機、食品、不動産、重工、電力、JR、窯業、繊維、製薬、精密機械、印刷、製紙、テレビ局、出版、新聞、映画配給、百貨店

やはり、現在と比べると雇用の量だけでなく、質も異なる。良すぎて驚きを隠せないレベル。

次回の記事では、同じ売り手市場であるバブル期とアベノミクス期の間で、雇用の質が異なる理由を分析・執筆する。

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