少子化だし差別化できない学習塾が減るのは当然
帝国データバンクがこんな記事をリリースしていました。
今年の学習塾の倒産件数が、2000年以降で過去最高とのこと。
少子化が刻々と進んでいるから、驚きはありません。
中学生・高校生の人口は、2018年から再び減り始めていますし
今後はもっと早いスピードで減ります。
現在、高校3年生は109万人です。
10年後は100万人を切り、18年後は70万人を切ります。
にもかかわらず、学習塾は増えてきました。
個別指導の塾が10年ほどで一気に増えました。
流石に、直近1・2年は増加が緩やかです。
集団塾は、首都圏の中学受験生が
多いエリア(豊洲・千葉県流山)以外は増えていません。
学習塾は供給過剰です。
子どもの数が減っていると、10年・15年前から警告されているのに
増加に歯止めがかかりませんでした。
学習塾、特に個別指導は参入障壁が非常に低いです。
明光義塾やスクールIEといったチェーン店の塾は、
フランチャイズの校舎が殆どです。
一般的に、運営はコンビニや飲食店よりも難しくありません。
衛生管理や仕入れを考える必要はありません。
教室と電話と複合機と机があれば、参入できます。
正直、脱サラオーナーを目指すには、お勧めの業種です。
ただ、参入が難しく無いため、運営が適当な塾も多いです。
私は、個別指導塾でも集団塾でもアルバイト経験あるため、
当時の経験を踏まえてお話しします。
特に、個別指導は。
オーナーが教育の素人であるケースが多いです。
10年後・15年後の需要を考えられている人は少ないでしょう。
学生バイトの質も低いです。
(あまりレベルが高くない大学の近くにある個別指導塾は危険です。)
直営しか持たない大手集団塾でも、
マネジメントが下手だったり、受験指導のレベルが低いこともあります。
質の低い学習塾が廃業するのは自明です。
人口が多いエリアに進出したとしても、生き残れないでしょう。
生き残るには、明確なコンセプトと差別化が必要だと考えています。
例えば、東京と大阪にある「鉄緑会」は、東大進学を目標とした塾です。
指定校制を取っており(どの高校も東大合格者数15人以上)、指定校でない学校の生徒は、入塾テストに合格しないとに入れません。
いわば、めちゃくちゃ勉強できる子をターゲットとしています。
今後、塾は大廃業時代を迎えるでしょう。
少子化で子供が減るだけでなく、その結果受験が簡単になることが予測されます。高校や大学の入学定員が変わる見込みは無いので。
そうすると、塾に通う必要性が少なくなります。
頑張って勉強して、成績を上げるインセンティブが薄くなりますから。
塾にとって、少子化はダブルパンチです。
一方、需要が見込めない塾が廃業して、業界全体の質が上がるチャンスでもあります。