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経済成長と犯罪

先日このような物騒な記事が出てきた。

私は以前吉祥寺に住んでいたことがあり、三鷹市といえばその隣あたりだったと思うので、かなりこのヤバさを肌で感じ取った。それ以前も闇バイトに関する記事で盛り上がり、本格的に日本の治安が悪化してきているのは間違いない。

私はこれを危険だと思いつつも、プラスの側面としても捉えている。
つまりこれから本格的に日本は経済成長の段階に入ったということである。

この治安が悪化するのに経済成長、と聞くと矛盾しているように思えるかもしれない。だが経済大国になることと治安はある意味トレードオフである。

世界最大の経済国、アメリカを連想して欲しい。治安は平和だろうか?そんなことは全くない。むしろひどいくらいである。他の経済先進国もアメリカほどはひどくはないものの、治安の悪い地域は多々ある。

どうしてだろうか?

経済成長し、経済大国になる、というのは別の見方をすれば金を稼げられない人間は見捨てられることになる。経済的に価値ある人間を優遇し、それができない人間は冷遇する、言ってしまえば金を得られない・生み出せないものには人権なしの状態である。

野球チームに例えるとわかりやすい。
日本の失われた三十年、デフレの三十年は、野球がそれほど上手くない選手にもチャンスを与えていた時代だ。なのでチーム全体に活躍を与える、ある意味優しい時代だった。勝つことはできないが、そもそもその時代は現状維持さえしていればよかったので、そこまで勝つことが死活問題ではなかった。

だが今現在のアメリカやイギリス、そしてこれからの日本は本格的に甲子園やリーグ優勝を目指す実力重視のチームになる。つまり使えない人間は容赦なく切り捨てて、チームに貢献できる選手だけを優遇することになる。

下の方が一見すると良さそうである。

だが上の、日本のデフレ時代では物価が安いこと以外に大きなメリットをもたらしていた。それが

「治安」

である。デフレ時代は実に平和だった。だがそれが本格的に崩れ去ろうとしている。本格的に日本は甲子園を目指し始め、チームの補欠にも入れない選手は犯罪に走り始める。

これからは今までとは比較にならない自己責任、格差の時代が来る。そして治安の悪化から身を守るのも自己責任になる。

息苦しい社会は終わりを告げ開放的な時代がやってくる。だが多くの人間はそれの生贄に捧げられる気がしてならない。

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