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選挙

 昨日選挙が行われた。今まで半ば固定化していた政党勢力図はかなり変わり、本格的に日本が動き出して激動の時代が来ようとしているのがわかる。
特に社会保険料の額があまりにも高くなり過ぎており、それができるだけ是正させることは早急に必要である。

 ただ、根本的に日本国民の生活が良くなることはないと思っている。それは今回の選挙の結果がどうということではなく、どのような政治になろうとも同じである。

 それはつまり、日本は民主主義だからだ。民主主義というのは読んで字の如く、国民が主人公である。国民が主人公であるゆえに表現の自由、出版の自由、職業選択の自由を持っている。そして政治の国民に対する介入度は基本的に薄い。これは国民にとってはいいことではあるが、他方で「自分でなんとかしなければならない」ということをも意味する。政治の権力が小さい以上、政治に本当の意味での助けを求めることはできない。「なんとかしてもらう」ことはできない。君主制の時のように政治に祈ることはできず、自分で、自分たちでどうにかしていかなければならない。

 加えて、ここ近年では他人に対して示さなければならない配慮も大きく増えた。パワハラ、セクハラは相当厳しき目が光らせられ、何の業績も出していない新入社員に対してすら上の人間は配慮しなければならなくなった。そのため放任するようになることが増えた。「これだけ配慮しているのだから、あとは自分で何とかしろ」ということである。

 法律上と倫理上、両方の側面において国民一人一人が重んじられるようになっている。それだけ重んじられるのだから、「自己責任」の概念がかつてないレベルで強まっている。政治はやはり国民のことを考えて行うべきだが、今の政治は国民に対して「いい暮らし」を提供する政策を取るのではなく、「いい暮らしをするための基礎固め」を提供できるに過ぎない。つまりいい暮らしをする(≒金を稼ぐ)ことそれ自体は自分たちでしなければならない。今回でのその最もな例が社会保険料の削減であろう。社会保険料の削減はあくまで金を稼ぐための基礎固めであり、金を稼ぐことそれ自体は国民一人一人が何とかしなければならない。

 漫画やアニメ、小説においても主人公は自分の身は自分で何とかするのが基本である。それは現実の国家の主人公においても変わらない。

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