祖父、生成AIに出会う
迎春。
私の記事には欠かせない存在である中国人の夫は今何しているかというと、中国の自動車学科試験を受験するために中国へ帰省中です。
その為、私と子供で2025年年始に私の実家に帰省しました。久しぶりに祖父とも私の実家で集合し、たわいもない会話に心温まる日々を過ごしていました。その中で交わされた会話が、思わぬ方向に広がりを見せたのでご紹介したいと思います。
日本古来の野菜って?
家族団欒の会話の中で、ふと「日本古来の野菜とは何か?」という問いが持ち上がりました。ここでの“古来”とは、日本に自生していたものを意味します。
私:「んー薩摩芋とかは?薩摩藩とかあったし。」
祖父:「んなアホな。 サツマイモもジャガイモも原産国は日本ちゃうでよ。外来種でよ。」
とすぐさま祖父のツッコミが入ります。
戦時中を生き抜いた祖父は、一時は学校に通うことが出来ない厳しい時代を過ごしました。学習に対する覚悟が根本的に私と違ようで、知識量ではいつも敵いません。その祖父に押し負けた私は、切り札を出しました。
私:「じゃあAIに聞いてみる?」
この一言に祖父が驚いた様子で聞き返します。
祖父:「AI?なんか聞いたことあるけどほれはなんえ?!」
(訳:「AI?何だか聞いたことあるけど、それは何だ?!」)
と、祖父はどうやら食い気味な様子。
軽く生成AIについて説明すると、祖父も両親も興味津々。好奇心からか、どんどんと目がキラキラ輝やき出した彼ら。どうやら良い刺激になったようでした。普段、新しいテクノロジーにあまり触れることのない米寿と還暦を迎えたご老人たちのキラキラした眼差しを見ると、なんだか嬉しくて胸にグッとくるものがありました。
私は職業柄、生成 AIは日常的に近い距離にいます。2年間の育休を終えたのがちょうど2021年ごろで、それ以降この優秀なアシスタントにそれはそれは助けられたものです。(参考:ChatGPTは、2022年11月30日にOpenAIによって一般公開されています)テクノロジーの進化に度肝を抜かれました。
さて、話を戻します。
「日本に自生していた日本古来の野菜は何?」とプロンプトを作成すると
ChatGPT 返した結果は以下でした。各々の説明は省きます。
なるほど、、
大体は納得させられます。
が最後のナラココヤシはどこを調べても出てこないのでおそらく存在しない植物でしょう。
ここで、生成AIでは誤った情報をそれらしく提供してしまう点があることを念の為に説明しました(これを専門用語でハルシネーション(幻覚)といいます)。また、提供される情報を鵜呑みにせず、現状の精度ではあくまで参考程度にとどめておいて欲しいという点も伝えました。
ちなみに、祖父の言うようにサツマイモは確かに日本に自生した植物ではない様です。原産国は熱帯アメリカ、当時の中央アンデス地方で作られていたようです。その後、スペインやポルトガル人が東南アジアに持ち込まれた様子で日本には1600年ごろ中国から琉球(沖縄)、薩摩(鹿児島)に伝わったと記載されています。
次に、別の遊びとして画像生成に移ります。
私:「地元の風景画をChat GPTに作ってもらおうよ」
ということで私の住んでいる実家の地域の情景画像を生成AIに作成してもらうように依頼しました。私たちの実家周辺の具体的な地域名までプロンプトに入れ、現代の情景の画像を作成してもらう様に依頼します。
さて、最初に出てきたの画像が
こちら
まるで合掌造りのような風景です。
私の故郷には現代で合掌造りの家屋は存在しないため、この画像は現実に則していません。
これを見て、祖父両親は
「なんじゃこりゃ…!!」
と大爆笑。
私には笑うポイントがいまいちよく分からないのですが、大層気に入ったようで画像を印刷までしていました。
ご老人たちが、まるで子供のように明るくキャッキャしている姿はとても微笑しく、思わず私のAI講座にも熱が入りました。
祖父も含め、こうやって家族でゆっくりと団欒できる幸せな日々に感謝です。
(おしまい)
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