Borderless(EP4) - 和訳
はじめに
PSO2の大和緊急で流れる曲です。EP5から始めたにわかなのでリアタイの大和を知りませんが、カッコいい曲だと思ったので訳します。音楽が良いゲームって素敵~♬
クエスト自体はトリガー50連に参加してから予告見るのも無理になりました。
(ボーカル部分は2:00頃から始まります)
歌詞と訳
おわりに
2022年にもなって今更感が半端ないですが、とても好きな歌詞です。実装当時に居なかったので特別思い入れが強いわけではないものの、現実世界とファンタジー世界が繋がるEP4の世界観がよく反映されていると思います。他のEPと比べるとプレイヤーの評価は高くありませんが、優れたコンセプトが優れた音楽を生んだのは間違いないでしょう。
訳すとそこそこ難しかったので、今後訳す人(いるのか?)のための補足を最後に載せておきます。自分の英語力も手本になるような代物ではないですが、ネットに載ってる他の訳を見ると結構怪しいものもあるので、特に参考になりそうなポイントをまとめてみました。
補足事項
文法事項ではありませんが、「暗い嵐の夜だった(It was a dark and stormy night)」は、英語でよくある物語の書き出しです。日本語でいう「むかしむかしあるところに」のようなフレーズで、特に大げさなメロドラマの書き出しの典型例としてよく引き合いに出されます。
なので思い切って意訳するなら、「翼が運んでくる物語は、わくわくするおとぎ話の時もあれば、むかし風の気取った話だったりもする」のようにしてもよいかもしれません。ただ、原文に用いられているのはあくまで比喩的な表現なので、ここをどう訳出するかで訳者の裁量とセンスが試されることになると思います。
このfeltを過去形で訳してないミスをやたらと見かける。
あとBecauseを含む従属節と主節の間には原因→結果の関係が絶対に成り立つ・・・と受験英語では習いますが、特に口語だとそこまで厳密なルールではないです。
このblazeを直訳して「すべての境界を燃やそう」としている例が多く見られますが、blazeに「燃える」の意味があるのは自動詞だけで、他動詞では「目印をつける」の意味になります。
歌詞自体は"blaze a trail"(先駆者になる)を元にした表現とするのが適切でしょう。trailとはまだ人の手が入っていない小径のことで、かつて(アメリカの)開拓地では後から来た人が迷わないように、道脇の木の樹皮を剥いだり刃物で印をつけたりしたんですね。そこから転じて"blaze a trail"という表現が生まれ、さらにこの曲では歌詞の世界観に合わせて"blaze all borders"(あらゆる境界を超える先駆者となる)となるわけです。
後段の"Fight on past the space frontier"(戦うよ 最前線を駆け抜けて)ともリンクした部分ですが、その辺は上手く訳に乗せられなかった気もします。
"A be all there is (to B)" は「B(の概念)を説明するにはA(という例)だけで十分だ」という意味の慣用句で、Aには具体的な名詞が入ります。
否定形で用いられることの方が多いかも。
例:Another-S Rollarts is not all there is to Gunners.
(アナザーSロールアーツがガンナーの全てではない)
scareは「怖がらせる」という意味の動詞なので、”I scare them”を直訳すれば「私は彼らを怖がらせている」となります。この部分の解釈は容易ではないものの、前後から考えるにI(私)は地球にいる誰かを指しており、「空想の世界で出会った存在が、自分の不安を感じ取って怯えている。このままではいけない」といった内容ではないかと思いました。
EP4のストーリーを見返せば分かるのかな・・。
意訳で誤魔化した部分に註をつけるのは恥ずかしいですが、このvisionsは「視界・視野」ではなく「空想・夢」を指します。
可算名詞のvisionは「幻」を意味するので、その複数形は幻の集合である空想や夢となるわけです。
おしまい。内容に間違いがあればご一報ください。
たかがゲーム音楽の歌詞でも真面目に訳すと意外と大変です。