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02-01 考え方編 お金の心配なく暮らす
「お金の心配をしないで暮らせたらいいな」と、誰もが思います。
お金の心配をしない暮らしとはどのような暮らしでしょうか?どうしたらお金の心配をしないで暮らせるようになるでしょうか?
そう、まず思いつくのはお金持ちになることでしょう。
しかし、本当にお金持ちになれば、お金の心配をしないで暮らせるようになるでしょうか?
それはどうも怪しいようです。
投資詐欺事件が発覚し、ニュースになる度に、何千万、時には何億というお金を騙されたという被害者のお年寄りがたくさん出てきます。
死ぬまでに使い切るのにすら苦労するような金額の、何千万、何億というお金を動かせるほどのお金持ちになっても、もっと欲しい、少しでも減らしたくないと、欲に駆られて、端から見れば騙されようもない詐欺に引っ掛かってしまうようです。
いやいや、中途半端なお金持ちだから、駄目なんだ。もっともっと、とんでもないお金持ちにならないと。そういう意見もあるかも知れません。
しかし、多くの人にとって十分なお金というものは存在しないようで、漫画家としてはとてつもないお金を稼いでいるはずの鳥山明さんすらタックスヘイブンを利用していたようですし、ブリジストンの大株主であり政界きっての富豪である鳩山由紀夫元総理もタックスヘイブンの利用が指摘されています。
法的には問題は無くても、倫理的には疑問視される行為です。つまり莫大なお金を持っている彼らの良心すら、金で買えたわけです。
これほどの金を持っても、まだ欲しい。もっと欲しい。そう思わせるだけの魅力が金にはあるようです。
どうやらお金持ちになるだけではお金の心配をしないで暮らすことは難しいようです。
お金をいくら持っていても、もっと欲しいというお金の魔力と、今あるお金を失ったらどうしようというお金の不安は付きまといます。
そして何より、誰もがお金持ちになれるわけではありません。激しい競争です。百人に一人、千人に一人、いや、高度成長期をとうに過ぎたこの国ではもっと少ないかもしれません。少ないパイの奪い合いです。
そこで、ぼくが考えるに「お金の心配をしないで暮らす」には、もう一つ道があります。それは少ないお金で生きられるようになること。
少ないお金で生活できるようになれば、残念ながらゼロとはいきませんが、お金の心配はずっと減ります。
少ないお金で生きられるようになることは、誰かと競争することではありません。自分を見つめて、自分を変えることです。
そして、ああ自分はこんな少ない金額で十分に幸せに暮らせるのだと、気づくことは、誰とも競わず、自分を大切にしながらお金の心配を小さくする方法なのです。
あなたを心配させるものが、あなたを支配する。
ジョン・ロック(17世紀のイギリスの哲学者)
【まとめ】
1 お金持ちになれるのはごく一部の人で、万一、お金持ちになっても、お金の魔力からは逃れられず、お金から自由にはなれない。
2 少ないお金で幸福に生きられるようになるとお金から自由になれる。