『ねぇ、しってる?』 かさいしんぺい・作 いせひでこ・絵
ぞうのそらさんは、気づけばずっと側に居てくれて、悲しいことも嬉しいことも、なんでも話をする一番の友達。
“あのね、ぼくおにいちゃんになるんだ”
お腹の大きいお母さん、重いゴミも、庭の掃除もお母さんに変わってぼくがする。
だって、お兄ちゃんになるんだから!
赤ちゃんのゆうとくんが産まれて、お母さんは赤ちゃんをずっと抱っこ、お父さんは仕事から帰ってきたら、直ぐにゆうとくんのとこにいくし、じいちゃんもばあちゃんも、みんなゆうとくん。
ぼくは、大事っこじゃなくなったのかな。。
どうしても、赤ちゃんが産まれると、抱っこをしたり、授乳をしたり、手間も時間も赤ちゃんに費やすことになる。どうしても、自分でできる年の上の子供に、自分でできることはするように。と言ってしまう。
そうやって、なんか取り残された、悲しい気分になること、私も小さい時に感じたこと。
ぞうのそらさんは、そんな時に、昔の写真をみよう。と引っ張り出して、きみもずっとお父さん、お母さんから大事大事にされてきたんだよ。
と話をする場面に、わたしも心が動きました。
自分は大事にされているんだ。
という自覚が生まれると、不思議と赤ちゃんにも優しくなれる。赤ちゃんばっかり、、じゃない、
僕も大事なんだ。って、
そう気づかせてくれる周りの誰かが、やっぱり必要で、ぞうのそらさんのような存在がいつもいてくれたら、とっても心強い。
でもそれは、なんだっていいのかもしれない。
山に向かって、空に向かって、犬や猫に向かって、話をしたら、きっと向こうから何かしらのメッセージが来るかもしれない。