2020年6月30日にまたここで会おう~瀧本哲史伝説の東大講義
本の紹介者:よし https://note.com/yoshi530202
■こんな人に読んでほしい。
・いつも本を読むだけでアクションが起こせない人
・未来に向けてこれから何を学び、どう生きるべきかに迷っている人
・故・瀧本哲史氏の頭の中をのぞいてみたい人
既にご存じの方も多いと思いますが、エンジェル投資家、経営コンサルタント、そして数々の著書も出版し、特に若者世代に多大な影響力を持っていた著書の瀧本哲史さんは2019年8月、病のためお亡くなりになりました。私も複数の本を拝読し、少なからず影響を受けていたので本当に残念です。
本書は2012年6月30日に東京大学の伊藤謝恩ホールで講義が行われた内容を再現したものです。この本は私が2020年読んだ中で、最も「対話」できた本です。講義を再現しているというのもあるのですが、あたかも自分自身が当時の伊藤謝恩ホールに着席し、瀧本さんの問いかけや答えをリアルに聞いているかの如く読書に没入しました。
さて、学びだらけの1冊だったのですが、私が印象に残った個所を2つピックアップしたいと思います。それは本書の最初と最後に書かれていたものです。
✓自燈明(じとうみょう)
私たちは世の中を変えてくれる「誰か凄い人」が現れて、「凄い事をやってくれる」と気づかないうちに思っているかもしれません。「政治」へは特にそんな期待感を持っているのではないでしょうか?悪く言うとどこか「他人任せ」にするところがあると思うのです。もう少し自分事に捉え、今の仕事はどうでしょうか?「誰かが今抱えている仕事の問題を解決してくれる」と考えた事はないでしょうか?
本書冒頭でブッダが亡くなる直前の、ブッダとその弟子のやり取りが紹介されています。
弟子:「これから私たちは何を頼って生きていけばいいのでしょうか?」
ブッダ:「わしが死んだら、自分で考えて自分で決めろ。大事なことはすべて教えた」
そしてブッダは「自ら明かりを燈せ」という“自燈明(じとうみょう)”という言葉を残したのです。
そして瀧本さんもこの言葉を引用しながら、「みなが自分で考え自分で決めていく世界」をつくっていくことが重要と説いています。
自分自身は「どれ程自分で考えて自分で決めているか?」と改めて考えさせられました。皆さんはいかがでしょうか?
✓「君はどうするの?」
瀧本さんは本書の最後で非常にシンプルな問いかけを投げかけます
「君はどうするの?」
自燈明に込められたように、自ら明かりを燈し、主人公は誰か他の人ではなく、自分自身でなければなりません。
何となくわかった気になっても、行動を起こさなければ何も変わりません。本を読むだけでアクションが起こせない人もいると思います。
私なりに解釈すると、その行動は別に大それた行動でなくても良いと思うのです。まずは小さな事や目の前にある事を、自分で考えて自分で決めていけば良いと思うのです。
「君はどうするの?」
自分にも常に問い続けながら行動していきたいと思わせてくれた本でした。私もまずは小さな事や目の前にある事を、自分で考えて自分で決めていこうと思います。