趙国良胡弓演奏活動60周年記念コンサート@アクロスシンフォニーホールに行った。
福岡在住の胡弓奏者、趙国良さんのコンサートに行った。
以前も聴いたことがあるが、それがいつかも思い出せないくらいに久しぶりの趙さんの胡弓だった。
「賽馬」という元気のよい曲から始まって、胡弓をはじめとした中国古楽器の音色を楽しむ。不安定という言葉を使うと、誤解を招きかねないけど、ビブラートに包まれた、たくさんの音が有機的にうねる感覚が心地よい。
チャルメラの独奏で、「百鳥朝鳳」というのがあって、たぶんチャルメラと言えば、くらいの有名な曲なのかもしれないけど、初めて聴いた。ラーメンの屋台で吹かれるくらいのイメージでしかなかったチャルメラだったけど、この曲の中ではいろんな鳥の鳴き声を織り交ぜられていて、楽しかった。鳥の声の入れ方も、周囲の他の楽器の人たちとタイミングを合わせる感じがコミカルかつカッコいい、ライブで聴いてよかったなぁという演目だった。
「日中交流」という冠がついていて、失礼な話、あまりこういう冠を信じていなかったのだけど、今回の会場では、この言葉が実感できた。
客席も演奏者も曲目も、日中織り交ぜてあって、その中心に中国古楽器がある。ところどころ曲目の解説があり、中国に思いを馳せずには居られない。そこには政治的なものはなくって、ただただ、長い歴史とか、そこに生きる人たちを想像するとか、そういう豊かな時間に占められる。会場のみんながみんなそんな風に思ったかわからないけど、千人近いお客さんの拍手を聞いていると、この感じを共有できる人も多かったんじゃないかなぁと思う。
これから先も近隣の国とは何かしら折り合いのつかないことはあると思うけど、その国とかその国民をまるっと否定するような想いへの歯止めに、こういう風に文化が生きるんだろうなって実感できる「日中交流」イベントだった。
「日中交流 胡弓悠久の調べ」趙国良胡弓演奏活動60周年記念コンサート
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