ジモティのスピード感

 いつか行われる自費引っ越しのために私物を減らしている。かさばる家財を優先して処分しようと、休日になるとせっせと整理している。元々<捨てる>ことは中毒に近い。仕事でのストレスが究極になると映画『ハンニバル』(リドリー・スコット監督)で、停職になったクラリスが酒を飲みながら掃除をするシーンを思い出す。私の中で、ストレス発散と掃除・整理・断捨離が、百合子に叱られそうなほど密につながっている。

 不要になった物の処分は今までフリマサイトのメルカリを利用していたが、あれも世の中の景気に左右されるなぁと感じることが多々あり、思うように断捨離するには不向きだなと思うところがあった。正直タダでもいいんだけど、配送が前提にあるため安価にするには限度がある。そして、ただでさえクソ忙しい配送業者様のお手をさらに煩わせてしまうのは忍びないと常々考えていた。個人的にメルカリは、自分の不用品を処分する場ではなく、昔の紙媒体やグッズなどのお手軽アーカイブとしての存在感が強くなっていた。

 そこで、かつて会員登録だけしていたジモティを利用してみようということになった。ジモティだと無料で譲るということもでき、しかも手渡し。その分、いつどこで渡すのか?というリテラシーが非常に重要だ。ジモティアプリを見ると、求人や部屋さがしまでやっている。巷の間で、ポータルとしてのジモティがどれだけ根付いているのか気になります。

 まずは、もう使わないだろうなというプリンターを出品してみた。購入してから年数が経っているので無料でお譲りだ。すると1時間もしないうちにに引き渡しが決まった。引き渡しの約束についてはジモティアプリ内で出来るので安全。引き渡しは必ず開けたところで。お金のやりとりもないので数分で終了。

 次に出品した収納用品についても、出品から引き渡しまで30分くらいだった。

 無料というのもあるかも知れないが、すべて<自前><地元>で完結するというスピード感。自分には合っていたわ。なによりも使っていただける方にお譲り出来るのが良い。いつか離れるこの土地に、少しでも良いことができたかなぁ、あんまり観光もできなかったしなぁ、という感じだ。

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