そして、ユリコは一人になった
今日のエンターテイメントは「そして、ユリコは一人になった」
U-NEXTとカンテレが共同で仕掛ける「このミス」大賞ドラマシリーズの第5弾。前回の工藤阿須賀主演の「連続殺人鬼カエル男」も面白かったんですよ。ただ、若干、数秒、毎回冷める部分もあったのは否めない。若さで突き進み、無謀とも言える行動もしてしまう主人公の刑事の描き方が、ちょっとだけ。工藤さんの芝居は良いのです。ただ、深夜ドラマの予算での展開と演出では、俳優の熱い芝居と単調な背景に差がありすぎて、少しだけ冷めてしまったんだよな。しかし、ミステリの根幹である犯人捜しも、工藤さんや尾美としのりさんも、そして余韻のあるテーマも、テレビシリーズとしてよかったのは確かです。
さて、話は戻り、このドラマ「そして、ユリコは一人になった」。そのタイトルが示す通り、沢山いる「ユリコさま候補」が、だんだん残忍に学園内で淘汰されていく…。配信中なので、こちらもネタバレはしませんが。ぞくぞくしながら、毎週金曜にU-NEXTにアップされるのを楽しみに見ています。女子高(実際には共学の設定ですが)にこびりつく、美しくも陰険なキャラクターの描き方が、水色の撮影方法にとにかく生えるのです。Netflixの「Followers」が蜷川実花の色彩バリバリバッキバキであるのとは正反対。曇り空のファインダーを通したような撮り方が、このドラマの未成熟なキャラクターたちに合っているのです。そこに、貴戸湊太さん原作の強いミステリがしっかり絡みつくので、面白いエンターテイメントに仕上がっています。そう、キラキラと凍えるような女子高生たちのドラマですが、原作も脚本家も男性です。
美しくて、強くて、儚い。でも、それがとにかく怖い作品です。
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