西の丸
2008年4月に私が西の丸から撮影した写真を扉絵に選びました。
地元なのでたくさん城の写真を撮ってますが、西の丸からの眺めは格別。
西の丸は、天守が完成してから約10年後の1618年(元和4年)に増築されました。当時は御殿があったようですが、現在は広い庭園になっています。
歴史を知らない、事前学習していない観光客は、西の丸を見逃しやすい
西の丸長局(百間廊下)は、長い廊下を歩いて見学できます。
南側から靴を脱いで手に持って見学するので、秋冬は厚手の靴下を履くと良いでしょう。
姫路城の建物内は、どこも木造なので靴を履いては入れません。
穴開き靴下は恥ずかしいので気をつけましょう。
百間廊下の内側には千姫の侍女が暮らしたという部屋が続きます。
廊下は直線のようで直線ではなく、巧妙に曲げられていて上下の移動もあり要塞の一部だった事が分かります。途中の石垣の中には階段があり二の丸に出られるように成っていますが、観光客は途中出入りできません。
部屋は二階・三階構造になっています。
部屋のいくつかには姫路城に関する展示物やパネルが置かれています。
千姫が居た時代の姫路城は、本多忠刻と宮本武蔵(剣術指南役)による武芸の鍛錬が盛んだったことから、西の丸でも大奥のように武装した女侍が居たのかも知れません。
西の丸の北側にある化粧櫓は千姫の休憩場だったと伝わります。
徳川秀忠(江戸幕府二代将軍)と江(浅井三姉妹の末娘)の娘が千姫です。
大河ドラマで、上野樹里さん主演の『お江』により、それまでのネガティブな「嫉妬深く、我儘女」というイメージを覆しました。
大河ドラマ『徳川家康』は休止中グループ嵐のメンバー松本潤さんが主演で、最近の話題としては千姫役が原菜乃華さんで熱演中。
『真田丸』の時は永野芽郁さんで人気を博した記憶があります。
原菜乃華さんは、明日11月11日に「姫路お城まつり」で時代パレードにて千姫として大河ドラマで着用された衣装で参加される予定です。
一般人が扮する千姫は人気がなかったのですが、今回は原菜乃華さんということもあり楽しみです。
原菜乃華さんは14時45分頃(パレードは50分出発予定)に登場予定だということです。
本多忠刻
播磨国姫路新田藩(しんでんはん)の初代藩主。(新田藩は3代で廃藩)
元和3年(1617年)に姫路藩に入った本多忠政(本多忠勝の嫡子)の所領は15万石ほどであった。(姫路藩との区別が必要)
しかし、このときに忠政の子 ・本多忠刻に父とは別に10万石を与えられた。
メモ
姫路藩は、江戸時代の播磨国飾東郡にあって現在の兵庫県西南部を治めた藩。
藩庁は姫路城(姫路市中心部に位置する。姫路駅の北1.7km、徒歩20分)。
昭和の時代、市役所や保健所や警察署も城域内に建っていました。(現在移転)
消防署、国立病院(現・姫路医療センター)、姫路中央郵便局は城域内に残る。
姫路藩主ははじめ外様(とざま、徳川家親藩の外の徳川家臣大名)の池田家で、のち譜代大名(ふだいだいみょう)が転々とした末に、1749年(寛延2年)から廃藩置県までは徳川譜代の名門酒井氏で続いた。
本多氏、奥平家松平氏、越前家松平氏、榊原氏、越前家松平氏、本多氏、榊原氏、越前家松平氏
姫路藩初代藩主となる池田輝政が姫路藩に入った時の石高は52万石であった。苛政で知られる。
池田家は徳川家の准一門として畿内近国で西の守りとして一家で総計100万石に近い領土を有するに至った。
姫路藩は、本城を姫路城(池田輝政)とし、他に三木城(伊木忠次)・明石城(船上城)(池田利政)・高砂城(中村正勝)・龍野城(鶏籠山城)(荒尾成房)・平福城(利神城)(池田由之)・赤穂城(加里屋城)(池田長政)を支城として配置したため、現在もこの地域を「播州」(播州姫路、播州明石、播州赤穂など)と呼ぶ。
播州弁は荒っぽい言葉と言われることが多いですね。
百姓一揆(凶作と高い年貢)
1749年の藩主交代時には高すぎる税制に領民が反発して藩全域を巻き込んだ姫路藩寛延一揆が起こる。
この一揆に参加した百姓の数は1万人を越えたという。
姫路藩から鎮圧に向かった藩兵を蹴散らし、姫路城近くの屋敷も打ち壊しながら進軍し姫路城に入城しようとしたが、誓福寺で、姫路藩から依頼された船場本徳寺の御蓮枝の説得により解散した。
御蓮枝とは、天皇家からの宮家、徳川将軍家からの御三家・御両典・御三卿、藩主家からの支藩家など高貴な方をいう。
船場本徳寺
慶長7年(1602年)、本願寺は東西に分立。
亀山本徳寺は姫路城に入った池田輝政治下で本願寺派に属する。
元和4年(1618年)、池田氏に代わって姫路城主となった本多忠政に大谷派再興を訴えて翌年認められ、忠政から寄進された池田組屋敷100間四方の現在地(姫路市地内町1-1)に本堂を建立、亀山本徳寺より分立する。
ユネスコ世界遺産 姫路城
世界遺産に登録されて30周年を迎えます
11月11日は、姫路城が世界遺産に登録された12月11日のちょうど1ヶ月前に当たり、例年の5月開催を変更して行われています。
時代パレードは千姫(江戸時代初期の人物)が登場しますが、武将などの衣装は播磨姫路藩の第7代藩主であった酒井忠輝の江戸時代末期を参考にしています。時代が合っていないのはご勘弁ください。
巨大な城を維持するのは大変だったという歴史も知って欲しいですね。
ネガティブな史実は公にしないことが賢明なのかも知れませんけど。