足軽・中間・小者
足軽
封建時代の日本の侍階級によって雇われた歩兵でした。
検非違使の雑用役・戦闘予備員として従軍した「下部」が足軽の原型とされる。
足軽は武士にあらず
低い身分でも武士の子であれば立身出世は可能でしたが、物語の木下藤吉郎の様な太閤殿下にまで上り詰める足軽は実際にはいない。
秀吉も低い身分とは言え武士の家系だったと言われる。
百姓はフィクション。自己主張では天皇家の血縁とか。
働きは副次的な雑兵（雇い兵）
鎌倉時代中期頃まで、騎馬武者による一騎討ちを原則としたことから、足軽は従者や運搬などの戦闘が本職ではない「兵站」や「土木作業」に従事させられることが多い軍兵であった。
臨時雇いの足軽は、合戦が集結したら大半が召し放たれ百姓に戻ったり、一部は武家奉公人になったりした。
『保元物語』『平治物語』『源平盛衰記』に当時の足軽の様子が記述されている。
南北朝時代・室町時代になると戦闘スタイルが集団戦に発展し、足軽の活躍の場は土一揆・国一揆にも広まった。また、教育を受けず腕っぷしだけの無頼の集団であったため凶暴化・暴徒化する者も現れた。一部は賊に。
宣教師ルイス・フロイスの『日本覚書』1585年6月項
足軽について「我らにおいては、土地や都市や村落、およびその富を奪う為に戦いが行われる。日本での戦はほとんどいつも小麦や米や大麦を奪う為のものである」と記述されている。
いくつか の藩では、足軽は侍階級の一員とは見なされない、百姓出身の「雑兵」扱いの場合もありました。
加賀藩（金沢を中心とする 封建時代の石川）では最下層とはいえ、足軽は侍として認識されていました。
百姓や町人と同じ扱いをされた藩もあった。
長州藩においては死罪相当の罪を犯した際に切腹が許されず、磔にされると定められており、犯罪行為の処罰についても武士とは区別されていた。
戦国時代を迎え集団戦が本格化・大規模化していくと、訓練された長槍・弓・鉄砲の足軽隊が組織され備の主要な部隊として活躍するようになる。
集団戦になり、うっかり敵陣で孤立した足軽は集中攻撃で命を落とした。
その為、多少の怪我をしていても必死で武将の後を追った。
1467～1638年（応仁元年～寛永15年）戦場での死傷原因は、飛び道具
矢が38.2％、鉄砲が23.7％、槍が20.0％、石が12.4％、そして刀が3.7％
基本的に足軽隊は、武将・本隊を生かす捨て駒で、退却時には「殿」（しんがり＝部隊の最後尾で敵を足止めする）を務める存在。
「軍監」が殿部隊を監視しており、逃げ出したものは打首に処されます。
逃げずに殿任務を遂行したとしても生還できるのは２割程度だったという。
「殿」の足軽は降伏投降は認められなかった。
「殿」隊から落ち延びても落武者狩り（首級や具足狙いの盗賊）が待ち受けていた。
戦国時代後期には地位も向上して足軽大将の家禄は、200石から500石程度で中級の武士として認められる存在になった。
穢？
庶民の女性は家での出産を「穢」（けがれ）とされ、出産の時には山や森の中、川辺や浜辺に運ばれ、 不衛生な環境で出産しましたという。貴族は寝殿で出産出来た。片端（かたわ）や女児の場合は口減らしで捨てられることもあった。
もっと前、縄文時代は長年介護されていた生きた人の遺骨も見つかっている。
縄文人から弥生人になってから非情に変わったようですね。
平安初期の律令の細則である『延喜式』には「死」を神道の「穢」とする意識が強く見られ、その穢れへの対処法なども示されています。
死者が出た場合は、関係のない者は遺体に触れない、また触れた場合は、一定期間は他人に接することを避け、清めを行うという慣習があったとされます。
公家は死体（人でも犬猫でも）を通勤途中に見たという理由で休職できた。
■戦後の遺体処理
平安時代は、風葬。京都の「鳥辺野」（とりべの）という地名が知られる
野ざらしにされて、鳥や獣が遺体処理をした。
高貴な方は火葬・土葬も。
戦国時代は大量に死体が発生したので、近隣の村人や足軽以下が総出で遺体処理をした。
戦国時代前期は、もっぱら水葬、魚の餌
池、川、海に流したり沈めたりしたようです。岸には大量の遺体がうちあげられた。
戦国時代後期は、土葬
穴をほって埋められ、読経もされ手厚く弔われた。忠誠心や士気が高まったかは不明
足軽部隊は、槍組足軽、弓足軽、鉄砲足軽などに分類され、多くは集団で隊を編制して小頭（こがしら：小隊長）の指揮に従った。
四国では、足軽のやや上位に一領具足などが存在し、騎兵ではないが乗馬する者もあった。
江戸幕府は、直属の足軽を幕府の末端行政・警備警察要員等として「徒士（かち）」や「同心」に採用した。
諸藩においては、大名家直属の足軽は足軽組に編入され、平時は各所の番人や各種の雑用それに「物書き足軽」と呼ばれる下級事務員に用いられた。
優秀な人材確保
有能な人材を民間から登用する際、一時的に足軽として藩に在籍させ、その後、昇進させるケースもみられたという。
武家奉公人
武家の武士に奉公する農民や町人出身の従者を言う。
江戸時代以前では主家に仕える（奉公する）武士も含めて単に奉公人と呼んだ。
当時は武者達の下働き（荷物持ち、馬の世話、食事など）の雑用を主にしており、地域によっては兵役として参加した。
江戸時代以降はもっぱら非武士身分の中間（ちゅうげん）や小者（こもの）を指した。
足軽は（三両二分から五両二分）長屋に住居した。
足軽は大小の二刀を帯刀し、羽織を着た。
合戦では量産された簡素な「御貸具足（藩の家紋「合印」入り）」を藩から借りて着用していた。
中間は（二両二分）合宿生活だった。
中間は紺看板に梵天帯、刀一本という拵えだった。
中間の戦場の役目は、馬印や盾持ちで兵士にカウントされなかった。
在郷足軽
足軽を帰農させ軽格の「郷士」として苗字帯刀、鉄砲所持を許し、国境・辺境警備に当たらせることもあった。
江戸詰め足軽に志願して雇われると、当時の世界一の大都会暮らしができた。
明治時代に入り、廃藩置県や刀狩りといった武装解除が行われた。
士分であったものは「士族」に、足軽身分であったものは「卒族」に分類された。
卒族が廃止になると「平民」に分類された。これらの身分制度は戸籍に記された。
1948年（昭和23年）になって、すべての国民は平等となり、身分の表記制度が消滅した。