太島東部遺跡

旧石器時代の瀬戸内海遺跡

概要
遺跡は男鹿島の北東約2キロメートルに位置する太島に所在する。
昭和34年に行われた「家島群島総合学術調査」で発見された旧石器時代の遺跡である。
狩りに使用したナイフ形石器をはじめ、多くの石器が見つかっている。
遺跡が形成された旧石器時代には瀬戸内海は広大な平原となっており、現在の島嶼部は眺望の利く丘陵などであったと想像できる。
男鹿島の大山神社遺跡においてもナイフ形石器が発見されるなど、家島諸島は播磨地域でも有数の旧石器時代の遺跡の宝庫である。

現在の瀬戸内海は全体的な傾向としては東に行くほど浅い。
灘や湾と呼ばれる広い部分が、瀬戸や海峡と呼ばれる狭い水路で連結された複雑な構造を持つ。最深部は豊予海峡（速吸瀬戸）で約195m、鳴門海峡では約200mと考えられている。
一帯は周辺よりも温暖で雨量が少ない特徴を持つ瀬戸内海式気候。

古瀬戸内海（こせとないかい）は、新生代の新第三紀および第四紀の日本列島に存在した古海洋。
日本列島で広く海進が起きていた中新世に出現した。
第一・第二の２つの瀬戸内海があった。

日本における旧石器時代は、後期については、北は北海道から南は九州にかけて5000カ所を超える遺跡が確認される。
旧石器時代の瀬戸内海に相当するエリアは広大な平原であり、現在の島は丘や山であった。

島産み：イザナギとイザナミの二神は、大八島を構成する島々を生み出していったが、
古事記の最初が、瀬戸内海の「淡道之穂之狭別嶋（あわじのほのさわけのしま）」で
日本書紀の「淡路洲」のちの時代の「淡路島」である。

7万年前に始まって1万年前に終了した最終氷期の最終的な寒冷気候は1万3000年前でした。
氷河期には海水を構成していた水分が蒸発して降雪し陸上の氷となったため、地球上の海水量が減少、世界中で海面が約120メートルも低下した。その影響で海岸線は現在よりも沖に移動し、内海は平野になっていた。現在の瀬戸内海や東京湾もほとんどが陸地であった。
寒冷気候が温暖気候になると陸地の氷が溶けて水面が上がり、瀬戸内海も海になりました。
約7万3000年前 - スマトラ島のトバ火山の大噴火。
地球の気温が数年間3 - 3.5度低下した。
ヒトのDNAの解析によれば、7万年ほど前に人類の人口が1万人以下に激減し、遺伝的な多様性の多くが失われ現在の人類につながる種族のみが残った「ボトルネック効果（遺伝子多様性減少）」があったと考えられるが、これがトバ火山の大噴火に関連すると考えられている。→ トバ・カタストロフ理論
約5万年前 - 隕石の衝突。
2万6500年前頃 - タウポ湖が大爆発を起こす（VEI8）。
2万5000年前頃 - 姶良火山が大爆発を起こす（VEI7)。
約2万年前 - ウルム氷期（最終氷期）のピーク。気温は年平均で7 - 8℃も下がった。そのため地球上で氷河が発達し、海水面が現在よりも100mから最大で130mほど低かったと考えられている。
約1万8000年前 - 日本海に津軽海峡を通って寒流である親潮が流入し、この影響で朝鮮海峡あるいは対馬海峡から表層水が流出した。
約1万6500年前 - 青森県外ヶ浜町にある大平山元I遺跡から土器、石器が出土している。AMS法による放射性炭素年代測定法の算定による。
海面の上昇により、大陸と地続きだった日本も徐々に島化が進んだ。
約1万4000 ～ 約1万年前 - この頃までにヒトがイヌを飼い慣らしたと考えられている。
約1万3000年前 - 日本列島が大陸から完全に離れ、ほぼ今の形を整えたと考えられている。
人類の生きた最古の時代である旧石器時代の人口推定値が、研究者によって算定した基準の違いがあるが、発表されている。
旧石器時代
前期（260万〜20万年前）12万5千人
中期（20万〜4万年前）100〜120万人
後期（4万〜1万3千年前）220〜300万人。
ヨーロッパでは35,000年前に最初の芸術が生まれた。絵画だけでなく塗装・彫刻も始まった。動物や女性などの彫刻が見つかっているが、その技術はきわめて高いとされる。芸術は信仰・呪術と緊密に結びついていた。

日本の縄文時代は1万4000年前に始まった。（旧石器時代と交代）
そして紀元前10世紀頃に弥生時代となり、縄文人が弥生人に変化した。
紀元前3世紀の中頃から紀元7世紀頃までが古墳時代である。

紀元とは？
紀元 (AD) は、西暦による新紀元から後の年数を表し、
紀元前 (BC) は紀元よりも前の年数を表す。（紀元1年の前年は紀元前1年）
紀元前の呼び方は17世紀フランスのイエズス会の神学者ディオニシウス・ペタヴィウス発案。
西暦紀元は、イエス・キリストの誕生年の翌年を紀元とする紀年法であるが、
イエスの誕生は紀元前4年頃であると判明している。

日本の紀元
初代天皇である神武天皇が即位したとされる年を元年とする日本の紀年法は「神武天皇即位紀元」「皇紀」「紀元」と呼ばれていた。
『日本書紀』の記述に基づき、元年を西暦前660年としている。