犬も食わない/尾崎世界観 千早茜
読後の率直な感想は、なんだか気持ち悪い、スッキリしない、伝わらないもどかしさ、まったく何やってんだよ、、、
男女のコミュニケーションの難しさを表現した作品
じわじわと来る共感
クローゼットに隠れて同棲している彼女と自分の弟の会話を盗み聞く。
仕事をクビになっていないのに、彼女にはクビになったと訳の分からないウソをつく。
なんだか思い当たる。自分でもなんでそんな行動を取ったのか合理的に説明できないことがある。これは男性だけなのか。
彼女にはまったく理解できないだろう。
よくよく考えてみると言葉によるコミュニケーションって難しい。
自分で自分のこともよくわからないのに、自分の感情や思いを正確な言葉に置き換えて、しかもそれを相手に伝わるように内容はもちろん時と場所を選んで、相手が聞けるタイミングで伝える、、、ハードルが高いよ。
〇好きなシーン1
彼女の先輩、写真家、ミニマリスト、ミニマリストの彼女ほかとの食事会。
イライラが募って最後の最後で2人でまくし立てるシーン。
最高に面白い。気持ちがよく、スカッとする。
〇好きなシーン2
共作だからこそ楽しめるのが、同じシーンでも描写が異なるところ。
男目線 犬みたいだ。あの感情のむき出し方は犬そのものだ。そのことを告げると、~略~
女目線 「よく吠える犬ですね」そう言うと、男は申し訳程度に頭を下げた。
年下だが尊敬する人から薦められて読んだ作品。