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岩手県花巻市/宮沢賢治童話村 2020.07.04(土)~ 「宮沢賢治アートストリート」 作品 《よだかの星》展示

渡邉帆南美 Honami Watanabe

《よだかの星:宮沢賢治》2020年/鉛筆・水彩/297×420mm/イラストボード

宮沢賢治の小説《よだかの星》の世界を描いた作品。宮沢賢治のこの作品は鳥の中でも容姿が醜く、弱くていじめられている主人公のヨダカが、お星様になろうとする話です。学生の頃にこれを読んだ時には、美しい魂を持つものは、容姿は関係なく光輝き続けるというストーリーだと受け止めていました。
しかし、再度今の年齢で読み返してみると、その当時は気に求めていなかった台詞に引っかかったのです。それはヨダカが東の白いお星様にお願いに行くシーンのお星様の台詞。

“「いいや、とてもとても、話にもならん。星になるには、それ相応の身分でなくちゃいかん。又よほど金もいるのだ。」”

この台詞の金がいるという一行。醜い容姿のものでも、魂が美しく輝くことができればお星様になれるというだけの物語ならば、身分や金がいるということは当てはまらないので、私はこれは何かしら難しい夢を叶えようとする人の事を描いているのではないかと捉えました。そして、最後の一行

“今でも燃えつづけています。”

という言葉に、たとえ生前評価されなくても、作品だけは残り、輝き続けている作家の様子を連想したのです。つまり、この主人公のヨダカというものは、宮沢賢治のように死後も輝く作品を残しているような表現者の姿を例えたものではないかと私は捉えました。

そうして、私が描く《よだかの星》は、物書きの姿を描くことにしました。

物語に出てくる燐の火のような青く燃える光は、鑑賞者の皆様に好きに色合いや美しさを想像していただきたかったので、さほど色を塗らず、全体をモノクロで仕上げています。この絵から皆様の想像する色味や、そこにある何かを感じていただけたらと思います。

また、この作品は岩手県花巻市の「宮沢賢治アートストリート」のイベントに出展し、下記の日程・場所で展示されます。作品は複製画が展示されます。ぜひ宮沢賢治のふるさとである花巻で、その世界を楽しんでください。

2020年07月04日(土)〜2020年10月下旬
【宮沢賢治アートストリート】

▼展示場所

JR花巻駅から宮沢賢治童話村までの路上に10基の宮沢賢治の小説がデザインされた絵画を設置できる屋外オブジェがあります。応募者多数の場合公募にて、オブジェの展示は、10作品が選ばれます。私は《銀河鉄道の夜》のオブジェに展示されることになりました。その他の作品は宮沢賢治童話村の「賢治の教室」に展示される予定です。


【JR花巻駅】
岩手県花巻市大通り1丁目1番43号の2

【宮沢賢治童話村】

●住所
〒025-0014 岩手県花巻市高松26-19
●電話
TEL: 0198-31-2211 
●開館時間
8:30〜16:30

開館時間や展示内容、日程の有無などは様々な要因で変更されている場合もありますので、詳しくは公式サイトをご覧いただくか、花巻市市役所までお問い合わせください。





●参考・引用文献/関連作品紹介



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