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クーロン黒沢(2005)『裏アジア紀行』

概要

 著者がアジアで出会ってきた、さまざまな奇人変人たちのエピソードや、各地でのトラブルが記されいる。
 何か所か引用し紹介させていただこうと思ったが、全部が全部おもしろいので、一部分を選んで引用するなんて無理でした。仕方がないので、最初におもしろいと思ったところを抜き出しておきますね。

いつの時代に建てられたのか。間近に建つ雑居ビルは、もともと二階建ての小さな建物。それが、テトリスまがいの違法(法律があればの話)建築によって年々巨大化し、今では六階建て。迷宮めいたバケモノに変わり果ててしまった。

19ページより

 これがフィクションならどれだけよかっただろう……。地震大国の日本ならば、倒壊待ったなしだ。
 まあ、どれくらい真実なのかは分からないが(多少は誇張されているかも)、全部がホラ話だったとしても許せるほどおもしろい。最初から最後までチョコが入っているポッキーみたいに、全部がすごい。ネタがいいのはそうだが、文章が巧い。
 難点は、この本を読んでしまうと日本での日常の何もかもがつまらなくなってしまうところ。……かと思ったら、短いが「東京」の章もあり、本書を華麗に締めくくっていた。そうだなあ、よく考えたら現代の日本だって、大差ないのかもなあ、って思いました。
 とにかく、一読の価値アリです。読んでいる間は、悩みがバカバカしくなります。

点数

おすすめ度:★★★★★
危険度  :★★★★★★★★★★★★
中毒性  :★★★★★
Amazonレビュー:★4.1

注意点

 時代が時代なので、かなりグレー(ほぼ黒)だったり下品なことが書いてあったりします。くれぐれも子どもに読ませないように。

入手方法

 幻冬舎アウトロー文庫から出版されましたが絶版です。が、古本で比較的容易に入手できるのではと思います。

↓新品での取り扱いはありませんが中古の出品はたくさんあります。

↓これはKindle Unlimitedでタダで読めます。


著者情報

クーロン黒沢 Kowloon Kurosawa
1971年東京都生まれ。90年代半ばよりカンボジアの首都・プノンペンでライター生活を送る。著書に『怪しいアジアの歩き方』『怪しいアジアの怪しい人々』(ワニ文庫)などがある。

著者紹介より

 現在新品で手に入る本は少ないですが、AmazonのKindle Unlimitedで人生再インストールマガジン「シックスサマナ」という情報誌(?)を出していらっしゃいます。Kindle Unlimitedに入っていれば全部タダで読めますので、ぜひこちらも併せてチェックしてみてネ。

レビューの件数がすごい!熱狂的なファンがたくさんいるようです


 黒沢さんのXとYouTubeの情報も載せておきます。いろんなところを巡る動画があって、たまに見てます。
https://twitter.com/kurosawa6502
https://youtube.com/@9638?si=n6uGqnpfIR6lWl97

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