「サピエンス全史」の下巻は科学のお話
書評というわけじゃないけど、ちょっと感想。
「サピエンス全史」の下巻を読み始めてみたところ、下巻は主に「科学」のお話みたい。
科学の特徴について、このように書かれてる。
「近代科学は、私たちがすべてを知っているわけではないという前提に立つ。」
さらにこの文の後には、「今現在の知識も、研究が進めば間違いだと分かる可能性があることも、「科学」は受け容れている。」という主旨の文が続く。
つまり、
僕たちには、まだ知らないことがある。
僕たちが知っていることには、間違いがあるかもしれない。
というのが、
科学っていう方法論
科学っていうやりかた
の出発点だ、というわけ。
かつて科学者になろうとしていた人だった僕には、実に耳が痛い。
そして、この後ですぐに、科学と、軍事や産業との深いつながりについての話が展開される。
その時代の王様とか政治家が興味を持った分野にしか、科学的研究への資金提供はされてこなかった、というお話もある。
自分がやりたい研究で研究費を獲得しようと四苦八苦している研究者の視点は、ミクロな視点だろう。そんな個々の研究者も、科学と、軍事や産業や政治とのマクロなレベルの関係を理解しておく必要があるな、と思わざるを得なくなる。理解しておいた方が、研究者たちのミクロな願いも、叶いやすくなるんじゃないだろうか。