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キャリアカウンセラーの読書記録No.4

「キャリア開発と統合的ライフプランニング」  サニー・S・ハンセン著

【キャリアの広義の概念】

20世紀の初めは マッチングモデルがキャリアの主流でした。 しかしそれだけでは問題が解決できなくなりました。 そこで広義のキャリアを定義する必要が出てきました。

 スーパーが広義のキャリアを定義しました。 彼が定義したのはキャリアとは「人が生涯を通じて持つ立場の連続」 というものでした。 そしてライフキャリアレインボーという 図に表しました。

ライフキャリアレインボーには、子供・学生・余暇人・市民・労働者・親・配偶者・年金生活者・家庭人の9つの役割が示されています。

 またスーパーは、人の成長はさまざまな発達段階を通過すると考えました。 そして探索期、確立期、維持期、解放期に区分しました。解放期はさらに減速期、退職設計期、退職生活期と3つに区分しました。このように個人のキャリアの定義が変わってきました。

企業でもキャリア開発に対する考え方が変わってきました。最初は組織の目標に個人の目標を融合させることが主流でした。 それが人材開発のプログラムも、個人の問題として捉えるようになってきました。どのようにキャリアを積むかを、会社が考えるのではなく、個人が考えるという流れになってきました。 

以前は管理職は部下のキャリア開発のコーチを目指していました。しかし、最近ではひとりひとりが自らのコーチになる流れが出てきました。自分の昇進や昇格に関して、より自律的に積極的に活動するようになり、自分自身のニーズを知り、自らをエンパワーできるように自分でコーチするという動きです。

 まだ組織の目標に個人の目標を合わせていくという流れが主流ですが、一人一人が自分のキャリアを考えていくという新しい流れも出てきているのです。 


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