吉幾三特別公演

カラオケで演歌合戦になると、
ぼくは吉幾三の演歌を歌う。
まずは「海峡」、続いて「雪國」、
「酔歌」ときて「酒よ」。
どの歌も歌い甲斐のあるものだ。

昨年暮れの商店街歳末売り出しで
我妻が抽選で特賞を引き当てた。
賞品はなんと「吉幾三特別公演」、
妻はハワイ旅行だったらと言ったが、
吉幾三ファンのぼくは大喜び。

そして遂にその日がやってきた。
浜町の明治座に初めて入った。
第一部は芝居で第二部が歌である。
芝居は吉幾三が呉服屋の若旦那、
おバカぶりが楽しい「末っ子物語」

オンステージは「冬から春爛漫へ」、
粋なジャケット姿で洋楽も歌う、
袴姿では「津軽平野」など演歌を熱唱、
津軽三味線や尺八なども入って、
「酔歌」「酒よ」と堪能させてくれる。

歌の合間のトークも面白い。
「犬や猫は一匹二匹、では狸と狐は?」
それは一麺二麺。馬は?一着二着」。
「肌を刺すのは蚊だけど、中国語では?」
「それはアーチースー」と冗談を飛ばす。

「雪國」を台湾語と日本語で歌った後、
二胡をソロバックに「涙そうそう」と、
これまで歌ったことのない歌も披露。
最後はぜひとも覚えて欲しいと新曲、
「南部、春と夏」で締めくくった。